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【J1】シュート/90分の歴代ランキングをまとめてみた。 (後編) ～日本人歴代1位はMF野津田岳人、2位はFW呂比須ワグナー、3位はFW赤崎秀平～ | | |　

　2015/06/22 【J1】シュート/90分の歴代ランキングをまとめてみた。 (前編) ～歴代1位はFWフッキ、2位はMFネマニャ・ヴチチェヴィッチ、3位はFWエメルソンの続き。

■　日本人で1位になったのは？？？

90分当たりのシュート本数を示す「シュート/90分」のJリーグの歴代ランキングの1位から25位まではカタカナの選手が独占。「いったい、いつになったら日本人選手が出てくるのか？」と思う人がほとんどだと思うが、ようやく26位に登場。日本人の歴代1位は広島のMF野津田。49試合で8ゴールと数字自体は平凡であるが、90分当たりのシュート数は「3.67」。積極性とシュートレンジの広さを如実に示している。

FW中山やFW三浦知やFW高原やFW久保といった日本人ストライカーを上回ってMF野津田が1位というのは驚き。27位からはまたしても外国人選手が続く。27位は川崎Fで大活躍したFWジュニーニョ。抜群のスピードを持っており、技術の高さも一級品。Jリーグ史上屈指の優良助っ人。28位は1994年のJリーグの得点王のFWオッツェ。本名はオルデネビッツ。パワフルかつ正確な左足のシュートでゴールを量産した。

29位はC大阪のFWマニッチ。松木監督時代の1998年に1年だけJリーグでプレー。Kリーグでも活躍した。30位は2006年のJリーグの得点王のFWマグノ・アウベス。華奢に見えたがシュート技術の高い選手だった。31位は名古屋のFWビニッチ。ピクシーと同時期の1994年途中に名古屋に加入したが、あまり出場機会を得られず。当時はオランダ帰りのFW小倉がいて、FWリネカーもいた。名前だけは豪華だった。

32位は2011年の1年だけ広島でプレーしたMFムジリ。高度なテクニックを持っており、創造的なプレーでサポーターを魅了したが、運動量は少なかった。「四畳半の男」と言われたが、スーパーサブとして活躍した。33位はMFロドリゴ。パリSGに移籍したMFレオナルドの後釜として1996年に鹿島に入団したが、ボールを持ったら離さないタイプでチームメイトを困惑させた。あの事件でも超有名なトラブルメーカー。

34位は説明無用のFWマルキーニョス。どのチームでも期待通りの活躍を見せるJリーグ史上最高の助っ人の1人。通算150ゴールは元磐田のFW中山に次ぐ第2位だった。35位は1996年に横浜MでプレーしたFWアコスタ。アメリカW杯にも出場したFWメディナベージョの後釜として来日。体型もプレースタイルもFWメディナベージョとよく似ていた。FWアコスタも元アルゼンチン代表でかなりのキャップ数を持っている。

37位は川崎Fで活躍するFWレナト。38位は仙台で活躍した189cmの長身ストライカーのFWマルコス。仙台でプレーしたのは2001年からの3年強。在籍期間は長くなかったが、印象的なゴールが多くて、サポーターから絶大な支持を受けた。39位は京都での孤軍奮闘ぶりが印象的なFWパウリーニョ。小柄な選手だったが、強烈な左足のシュートを持っており、裏へ抜けるスピードもあった。甲府やG大阪でもプレーした。

ようやく出て来た2人目の日本人選手はFW呂比須ワグナー。1997年の秋に日本への帰化が認められると、すぐさま日本代表に合流。フランスW杯のアジア最終予選では3試合連続でゴールを決めるなど救世主となった。スピードは無かったが、足元の技術は高くて、シュートテクニックも抜群だった。41位は上にも名前が出て来たFWメディナベージョ。パワフルなストライカーだったが、絶好機を外すシーンが多かった。

42位は鹿島の大卒2年目のFW赤崎。FWジネイがいて、FW金崎がいて、FWダヴィもそろそろ戻ってくる見込みなので、スタメン定着というのは難しいが、歴代の日本人で3位。シュートまでもっていく力はある。43位は長らく仙台で活躍したターゲットタイプのFW中原貴。点が欲しい終盤にパワープレーを仕掛けるときに投入されるケースが多かったが、歴代4位というのは相当である。新天地の福岡でも活躍している。

44位は神戸で活躍した元韓国代表のFW金度勲。45位は名古屋で活躍したFWヴァスティッチ。高度なテクニックを駆使した華麗なプレーでファンを魅了した。46位は神戸で活躍したFW和多田。驚異的な身体能力の持ち主で、距離の出るロングスローを投げることでも知られている。47位は2004年は清水、2005年はG大阪でプレーしたFWアラウージョ。2005年は33試合で33ゴールの大暴れ。得点王とMVPを獲得した。

48位は韓国代表としても長きにわたって活躍したFW崔龍洙。元日本代表のGK川口の好敵手。49位は元ブラジル代表のMFレオナルド。華麗なプレーで人気を集めた。Jリーグでは49試合で30ゴールを挙げている。区切りの50位はFW安貞桓。2002年の日韓W杯のヒーローの1人。Jリーグ入りの噂が流れたときは大変な話題になった。W杯後の2002年途中に清水に入団して、2004年と2005年は横浜FMでプレーした。

表2. シュート/90分の数値が高い選手のランキング (26位から50位まで)

ランク	名前	最終所属	試合数	ゴール数	出場時間(分)	シュート数	シュート/90分
26	野津田　岳人	サンフレッチェ広島	49	8	1,203	49	3.67
27	ジュニーニョ	鹿島アントラーズ	264	116	20,901	843	3.63
28	オッツェ	ブランメル仙台	55	37	5,135	207	3.63
29	マニッチ	セレッソ大阪	17	6	1,490	60	3.62
30	マグノ　アウベス	ガンバ大阪	115	65	9,711	391	3.62
31	ビニッチ	名古屋グランパス	8	5	652	26	3.59
32	ムジリ	サンフレッチェ広島	34	6	1,236	49	3.57
33	ロドリゴ	大分トリニータ	29	7	2,533	100	3.55
34	マルキーニョス	ヴィッセル神戸	327	150	27,151	1,056	3.50
35	アコスタ	横浜マリノス	21	10	1,751	68	3.50
36	ロニー	ガンバ大阪	25	7	1,812	70	3.48
37	レナト	川崎フロンターレ	101	34	7,560	292	3.48
38	マルコス	ベガルタ仙台	27	21	2,442	94	3.46
39	パウリーニョ	ガンバ大阪	101	38	6,708	258	3.46
40	呂比須　ワグナー	アビスパ福岡	125	69	9,829	378	3.46
41	メディナベージョ	横浜Ｆ・マリノス	70	36	6,294	242	3.46
42	赤﨑　秀平	鹿島アントラーズ	21	7	1,068	41	3.46
43	中原　貴之	アビスパ福岡	85	8	2,688	103	3.45
44	金　度勲	ヴィッセル神戸	58	27	4,934	189	3.45
45	ヴァスティッチ	名古屋グランパス	27	13	2,418	92	3.42
46	和多田　充寿	ヴィッセル神戸	141	24	6,244	236	3.40
47	アラウージョ	ガンバ大阪	62	42	4,959	187	3.39
48	崔　龍洙	ジュビロ磐田	88	55	7,203	271	3.39
49	レオナルド	鹿島アントラーズ	49	30	4,548	171	3.38
50	安　貞桓	横浜Ｆマリノス	72	30	5,906	221	3.37

■　日本人限定のランキング

ということで、1位から50位を見てきたが、ランクインした日本人選手は26位のMF野津田、40位のFW呂比須ワグナー、42位のFW赤崎、43位のFW中原貴、46位のFW和多田の5人だけ。外国人選手とは条件が大きく異なるので、同じ土俵で語るのは困難。なので、日本人選手限定のランキングを示したのが下の表3である。1位から25位までを抜き出しているが、6位はFW宇佐美、7位はFW佐々木竜太と続いていく。

この中で注目は17位のFW小松原学。平塚ユース出身で各年代の日本代表に選ばれ続けたエリート。1981年生まれなのでアテネ世代となるが、アテネ世代の中で最初にサッカーファンの大きな期待を受けた選手と言える。MF小野伸、MF稲本、FW高原ら黄金世代が中心となったユース代表に飛び級で選出されたこともある。怪我もあって大成できなかったが、シュート/90分の数値は優秀。能力が高かったのは間違いない。

表3. シュート/90分の数値が高い選手のランキング (日本人に限定)

	名前	最終所属	試合数	ゴール数	出場時間(分)	シュート数	シュート/90分
1	野津田　岳人	サンフレッチェ広島	49	8	1,203	49	3.67
2	呂比須　ワグナー	アビスパ福岡	125	69	9,829	378	3.46
3	赤﨑　秀平	鹿島アントラーズ	21	7	1,068	41	3.46
4	中原　貴之	アビスパ福岡	85	8	2,688	103	3.45
5	和多田　充寿	ヴィッセル神戸	141	24	6,244	236	3.40
6	宇佐美　貴史	ガンバ大阪	83	31	6,269	225	3.23
7	佐々木　竜太	栃木SC	41	4	508	18	3.19
8	大黒　将志	京都サンガ	204	69	14,141	485	3.09
9	黒崎　久志	大宮アルディージャ	202	69	16,128	536	2.99
10	平山　相太	FC東京	151	28	7,883	261	2.98
11	大久保　嘉人	川崎フロンターレ	320	143	25,648	841	2.95
12	大迫　勇也	鹿島アントラーズ	139	40	8,874	289	2.93
13	要田　勇一	ジェフ千葉	25	4	708	23	2.92
14	眞中　靖夫	横浜FC	181	34	8,204	262	2.87
15	久保　竜彦	サンフレッチェ広島	276	94	19,640	626	2.87
16	田中　達也	アルビレックス新潟	296	61	17,060	540	2.85
17	小松原　学	ヴァンフォーレ甲府	28	4	1,274	40	2.83
18	三浦　知良	横浜FC	321	139	26,316	814	2.78
19	遠藤　康	鹿島アントラーズ	157	31	9,882	299	2.72
20	福田　健二	愛媛FC	156	40	8,646	258	2.69
21	森本　貴幸	ジェフ千葉	40	5	1,511	45	2.68
22	武藤　雄樹	浦和レッズ	84	12	3,693	109	2.66
23	佐藤　慶明	京都サンガ	31	10	2,248	66	2.64
24	田島　宏晃	横浜FC	28	4	1,272	37	2.62
25	ハーフナー　マイク	ヴァンフォーレ甲府	58	17	3,271	95	2.61
26	渡邉　千真	ヴィッセル神戸	186	55	11,983	348	2.61
27	播戸　竜二	大宮アルディージャ	324	87	17,162	498	2.61
28	林　丈統	大分トリニータ	243	28	7,970	231	2.61
29	藤田　祥史	湘南ベルマーレ	84	9	3,355	97	2.60
30	城　彰二	横浜FC	230	95	19,536	562	2.59
31	高原　直泰	SC相模原	214	77	14,035	402	2.58
32	黒部　光昭	カターレ富山	114	28	6,207	177	2.57
33	乾　貴士	セレッソ大阪	54	9	4,078	116	2.56
34	松原　良香	アビスパ福岡	79	21	5,090	144	2.55
35	田原　豊	横浜FC	95	13	5,132	145	2.54
36	重松　健太郎	町田ゼルビア	45	5	1,418	40	2.54
37	町田　忠道	東京ヴェルディ	35	8	1,384	39	2.54
38	中山　雅史	コンサドーレ札幌	355	157	26,451	743	2.53
39	石川　直宏	FC東京	283	49	19,164	531	2.49
40	長谷川　太郎	ギラヴァンツ北九州	38	4	1,426	39	2.46
41	岩本　輝雄	名古屋グランパス	191	32	15,658	425	2.44
42	長谷川　祥之	鹿島アントラーズ	261	89	16,922	458	2.44
43	岡崎　慎司	清水エスパルス	121	42	8,636	233	2.43
44	田代　有三	セレッソ大阪	175	48	9,605	257	2.41
45	柿谷　曜一朗	セレッソ大阪	79	33	6,175	165	2.40
46	鈴木　隆行	ジェフ千葉	108	17	7,031	187	2.39
47	黒津　勝	横浜FC	151	26	7,125	189	2.39
48	近藤　祐介	ギラヴァンツ北九州	96	10	4,914	130	2.38
49	阿部　浩之	ガンバ大阪	61	10	3,781	100	2.38
50	田中　順也	柏レイソル	114	34	7,096	187	2.37

■　90分当たりのシュート本数が少ない選手

最後に「90分当たりのシュート本数が少ない選手」をまとめてみた。これが表4である。1位は横浜FMで活躍する右SBのDF小林祐。年間でも放つシュートは3・4本程度。スピードがあるので、セットプレーのときにゴール前には上がらずに後方で待機していることが多い。2位のDF上本、4位のDF鈴木秀、11位のDF柳本、24位のMF村松あたりもスピードを持った選手。彼らはゴール前に入っていく回数自体が少ない。

こちらの上位は日本人選手ばかり。外国人選手で最上位に来るのはFC東京でプレーしたDFチャン・ヒョンスで30位。2番目が浦和のDFザッペッラで36位で、3番目は名古屋のDFガルサで48位。DFザッペッラは1998年と1999年の2年間、Jリーグでプレーした。珍しいイタリア人のJリーガーだった。DFガルサは創生期の名古屋でプレーした大型CB。スピードはなかった。低迷していた時期の名古屋の主戦CBである。

表4. シュート/90分の数値が低い選手のランキング (1位から25位まで)

	名前	最終所属	試合数	ゴール数	出場時間(分)	シュート数	シュート/90分
1	小林　祐三	横浜Fマリノス	249	4	20,855	26	0.112
2	上本　大海	ベガルタ仙台	228	4	19,154	30	0.141
3	石川　巧	名古屋グランパス	239	4	20,909	38	0.164
4	鈴木　秀人	ジュビロ磐田	328	9	27,876	51	0.165
5	永山　邦夫	横浜マリノス	153	5	11,504	23	0.180
6	伊藤　哲也	大分トリニータ	160	8	12,742	27	0.191
7	梶野　智	コンサドーレ札幌	110	4	9,698	21	0.195
8	宮本　恒靖	ヴィッセル神戸	337	8	28,168	63	0.201
9	中谷　勇介	東京ヴェルディ	186	4	14,256	33	0.208
10	伊藤　宏樹	川崎フロンターレ	236	4	19,754	46	0.210
11	柳本　啓成	セレッソ大阪	320	4	27,901	65	0.210
12	永田　充	浦和レッズ	269	6	22,575	53	0.211
13	大井　健太郎	アルビレックス新潟	176	5	13,791	35	0.228
14	戸田　和幸	町田ゼルビア	271	4	22,039	58	0.237
15	田中　誠	アビスパ福岡	360	10	31,401	83	0.238
16	名塚　善寛	コンサドーレ札幌	177	5	16,053	43	0.241
17	山下　達也	セレッソ大阪	68	4	5,580	16	0.258
18	西澤　淳二	コンサドーレ札幌	145	4	10,083	30	0.268
19	渡辺　一平	水戸ホーリーホック	87	5	7,697	23	0.269
20	藤田　義明	ジュビロ磐田	184	4	15,489	47	0.273
21	鈴木　大輔	柏レイソル	126	6	10,506	32	0.274
22	鈴木　健仁	ベガルタ仙台	195	11	16,711	52	0.280
23	中村　忠	京都サンガ	257	4	21,474	67	0.281
24	村松　大輔	清水エスパルス	136	7	11,383	36	0.285
25	堀之内　聖	モンテディオ山形	148	7	9,224	30	0.293
26	千葉　和彦	サンフレッチェ広島	259	5	21,817	71	0.293
27	井原　正巳	浦和レッズ	297	5	27,533	90	0.294
28	大岩　剛	鹿島アントラーズ	386	10	33,847	111	0.295
29	森　直樹	大宮アルディージャ	52	4	4,564	15	0.296
30	チャン　ヒョンス	FC東京	40	4	3,018	10	0.298
31	古賀　琢磨	セレッソ大阪	233	4	18,832	64	0.306
32	茶野　隆行	ジェフ千葉	350	10	28,618	98	0.308
33	伊野波　雅彦	ジュビロ磐田	191	4	14,966	52	0.313
34	室井　市衛	横浜FC	121	4	9,428	33	0.315
35	近藤　直也	柏レイソル	202	8	17,694	62	0.315
36	ザッペッラ	浦和レッズ	39	4	3,402	12	0.317
37	西河　翔吾	モンテディオ山形	77	4	6,106	22	0.324
38	中澤　聡太	セレッソ大阪	195	15	15,786	57	0.325
39	千代反田　充	徳島ヴォルティス	173	6	13,499	49	0.327
40	平川　忠亮	浦和レッズ	325	9	24,990	91	0.328
41	渡辺　毅	柏レイソル	281	17	24,618	90	0.329
42	冨田　大介	徳島ヴォルティス	171	6	14,406	53	0.331
43	藤本　康太	セレッソ大阪	134	7	9,921	37	0.336
44	内田　潤	アルビレックス新潟	221	6	15,839	61	0.347
45	菊地　直哉	サガン鳥栖	199	7	14,973	58	0.349
46	五十嵐　和也	ジェフ市原	76	4	6,157	24	0.351
47	土屋　征夫	ヴァンフォーレ甲府	293	15	25,931	102	0.354
48	ガルサ	名古屋グランパス	52	4	4,798	19	0.356
49	小島　光顕	アビスパ福岡	233	4	19,907	79	0.357
50	深谷　友基	FC岐阜	207	14	17,721	71	0.361