センターバック → 「W杯で勝ち進むためには優秀なCBは不可欠」という思いを強くする大会になっている。それくらい強豪チームには優秀なCBがいて、彼らを中心に安定した守備を見せている。長い間、「キーパーが日本代表の弱点」と言われ続けているが、やはり、強豪国との差がもっとも大きいと思うのはCBである。これからの4年間でCBのポジションのレベルアップは不可欠で、何人かいる20歳前後の有望な大型センターバックが五輪予選等を経験して順調に伸びていくことが期待される。
今回は4バックを採用しているチームはほとんどであるが、CBコンビとして印象に残っているのはブラジルの2人である。DFチアゴ・シウバとDFダビド・ルイスの中央の守備は鉄壁でサイドからクロスが上がってもチャンスにつながりそうな感じはしない。その上、2人とも攻撃力が備わっており、DFダビド・ルイスは決勝トーナメントのチリ戦とコロンビア戦、DFチアゴ・シウバは準々決勝のコロンビア戦でゴールを決めている。今回のブラジルはこの2人と22歳のMFネイマールが支えている。
個人的にはDFチアゴ・シウバが世界最高のCBではないかと思う。183センチで79キロなので世界基準のCBとしてはむしろ小さい方である。しかしながら、サイズ不足など微塵も感じさせなくて、空中戦でやられそうな雰囲気は全くない。うっかりミスもほとんど無くて、安定感があって、スピード系の選手への対応も問題なくて、クロス対応も抜群である。さらに攻撃力もあるとなると全く隙がない。これ以上ないほど理想的なCBであり、DFダビド・ルイスよりもCBとしては上だと思う。
世界最高峰と言えるブラジルの2人に匹敵する存在は、やはりDFフンメルス(ドイツ)である。こちらはスピード系の選手への対応は苦手で、うっかりミスもあるが、192センチの長身で、空中戦はほぼ無敵である。さらにはカバーリング能力が高くて、フィードも正確である。プレーがエレガントなところも魅力で、美しいプレーができるCBというのは他にはほとんどいない。ブラジルの2人とDFフンメルスを加えた3人のパフォーマンスというのは甲乙つけがたいものがある。
その他で能力が高いと思ったのはマンチェスターCでプレーするDFコンパニ(ベルギー)で、こちらも欠点らしい欠点は見当たらない。ベルギーの攻撃陣は非常に若くて熱くなりやすいタイプの選手が何人かいるが、28歳と円熟期のDFコンパニがチームを支えてきた。DFコンパニのような選手が1人いたら相方はどんな選手でも何とかなると思うが、ベルギーは他にも世界基準のCBが何人もいる。190台のCBというのは「日本にはほぼいない。」と言えるので、羨ましい限りである。
続きをメルマガ(J3+メルマ)で読む。 登録方法(Q&Aなど)
◆ まとめ #825 ブラジルW杯で印象に残った選手たち (CB・ボランチ編) (2014/7/9)
→ W杯も大詰めを迎えました。そこでポジション別に印象に残った選手を何人か挙げてみました。2回目はCBとボランチの選手をピックアップしました。今大会はCBの活躍も目立っていますが、ブラジルのDFチアゴ・シウバとDFダビド・ルイスのコンビ、ドイツのDFフンメルス、ベルギーのDFコンパニなどが印象的です。総合力の高いCBがいるチームは安定しています。
続きをメルマガ(J3+メルマ)で読む。 登録方法(Q&Aなど)