攻撃的MF → 「4-2-3-1」と「4-2-1-3」はよく似ている。違っているのは左右の攻撃的MF(or ウイング)の立ち位置のところだけである。今回のブラジル代表に関しては「4-2-3-1」と表記するメディアもあったし、「4-2-1-3」と表記するメディアもあった。MFネイマールとMFオスカーとMFフッキの3人の中で両サイドに位置する選手を中盤の選手と捉えるのか?フォワードの選手と捉えるのか?ここでは「中盤の選手」と考えたいと思うが、今大会のスター候補だったMFネイマールは力を示した。
残念ながら準々決勝のコロンビア戦で怪我をして、準決勝のドイツ戦は出場することができなかった。MFネイマール(とDFチアゴ・シウバ)がいても勝敗は同じだったと思うが、ここまで大差がつくことは無かったと思う。今大会のブラジルはMFネイマールとDFチアゴ・シウバとDFダビド・ルイスの3人の能力の高さに大きく依存したチームだったが、そのうちの2人を欠いて、残ったDFダビド・ルイスはチームを引っ張ることができないどころか、ドイツ戦はチームの足を引っ張ることになった。
結局、MFネイマールのW杯はツライものになったが、それでもGLの初戦のクロアチア戦、3戦目のカメルーン戦の活躍は見事だった。決勝トーナメントの1回戦のチリ戦で思うようなプレーができなかったのは残念だったが、クロアチア戦とカメルーン戦ではチームが欲しいところでゴールを決めて見せた。特にクロアチア戦の同点ゴールというのは技術の高さだけでなく、生まれついてのスター性を感じずにはいられないゴールで、今回のW杯で印象に残ったゴールの1つと言える。
この4年間、銀メダルを獲得したロンドン五輪代表チームも含めてMFネイマールがブラジルのサッカーを引っ張ってきた。もちろん、欧州でのキャリアはまだまだこれからであり、現段階ではごく一部の世界最高峰の選手と比べると見劣りするのは否めないが、ブラジル代表のエースの看板をずっと背負ってきた選手であり、昨年のコンフェデでもそうだったが、勝負どころで点を取っているイメージは強い。怪我によってW杯が終了するという苦い経験を次に生かしてほしいところである。
MFオスカーとMFフッキに関してちょっと物足りなかった。まだ3位決定戦が残っているが、MFネイマールがいなくなった中、何ができるか?と注目されたドイツ戦はMFフッキは何もできなかったし、最後の最後にゴールを決めたMFオスカーも何もできなかったに等しい。MFオスカーは開幕戦のクロアチア戦はMFネイマール以上に輝いたが、完全に尻すぼみだった。FWフレッジを含めてエースをサポートしなければならない選手が力を出せなかった点がセレソンの敗因の1つと言える。
2007年のJ2の得点王であるMFフッキについてはブラジル代表のレギュラーとして自国開催のW杯の舞台に立つことができた点は見事だと思うが、能力や凄さをよく知っているだけに物足りなさを感じたのは確かである。微妙と言えたハンドの判定でゴールが取り消しになったチリ戦は誰よりも輝いていたが、それ以外の試合はイマイチだった。力強さとスピードで攻撃のアクセントになっていたが、もっとできる選手だと思う。馴染みのある選手で活躍を期待していただけに残念だった。
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◆ まとめ #826 ブラジルW杯で印象に残った選手たち (攻撃的MF編) (2014/7/11)
→ 今大会は「2列目の選手が攻撃の中心」というチームが多くて、チームの顔と言える選手が集中しているポジションですが、もっとも期待MFネイマールはクロアチア戦とカメルーン戦で2ゴールを挙げるなど、期待どおりか、期待以上の活躍を見せましたが、コロンビア戦で怪我をして突如としてW杯は終了となりました。MFネイマール以上に輝いたのはMFハメス・ロドリゲスで、今大会でもっとも評価を高めた選手と言えます。
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