■ アジア予選の最終戦アジア最終予選のグループBの第9節。4勝1敗2分けという成績でブラジルW杯の本大会出場を決めている日本代表がカタールのドーハでイラク代表と対戦した。イラクは1勝3敗2分けで勝ち点「5」。グループ2位のオーストラリアが先に行われた試合でヨルダンに4対0で勝利して勝ち点「10」となったので、イラクは3位以内に入るためには勝つしかない。
日本は「4-2-3-1」。GK川島。DF酒井宏、伊野波、今野、長友。MF細貝、遠藤、岡崎、香川、清武。FWハーフナー・マイク。キャプテンのMF長谷部は出場停止で、MF本田圭は怪我のためベンチスタートとなった。オーストラリア戦でベンチスタートだったDF酒井宏とDF伊野波とMF細貝とMF清武とFWハーフナー・マイクの5人がスタメンに名を連ねた。
■ 終了間際に決勝ゴール!!!試合の立ち上がりはイラクが攻め込んでくる。対する日本はDF酒井宏のクロスやFWハーフナー・マイクの高さをきっかけにチャンスを作っていく。前半12分にFWハーフナー・マイク、前半26分にMF清武、前半36分にはDF今野が決定機を迎えるが、いずれも決めることができない。前半は0対0で終了する。
引き分けでも予選敗退が決まるイラクは後半になるとボールを保持する時間が長くなって、日本の守備がハマらない展開となる。何度か危ないシーンを作られたが、GK川島の好セーブもあって0対0のままで終了間際に突入すると、後半45分にカウンターからMF遠藤のパスを受けたMF岡崎が決めて待望の先制ゴールを奪う。
結局、試合は1対0で日本が勝利して5勝1敗2分けという好成績でアジア最終予選を終えて、ブラジルで行われるコンフェデに臨むことになった。一方のイラクは1勝4敗2分けとなって4位以下が確定。1986年のメキシコ大会以来のW杯出場はならなかった。グループBはオーストラリアが勝ち点「10」で2位となって、最終節に勝つと本大会出場が決定する。
■ グループBは日本が独走日本代表が終了間際のMF岡崎のゴールで1対0で勝利して、アジア予選の最後の試合を勝利で飾った。3月末のヨルダンとのアウェー戦で敗れるなど、終盤戦は苦しんだ印象もあるが、8試合で5勝1敗2分けで勝ち点「17」を稼いでおり、2位のオーストラリアに「7」差を付けている。振り返ってみると、グループBは「日本強し」を各国に印象付ける結果となった。
もちろん、簡単な試合は少なかった。楽な展開になったのは、初戦のオマーン戦と2戦目のヨルダン戦の2試合のみで、それ以外の試合は接戦ばかりである。終了間際に同点ゴールや決勝ゴールが決まった試合が3試合もあるので、数字ほど圧倒できたわけではないが、苦しい試合になったとき、引き分けで終わるのか、決勝ゴールを奪うのか、大きな差がある。
理想を言うと、3月末のヨルダン戦でW杯出場を決めて、オーストラリア(H)とイラク(A)の2試合を消化試合にして、コンフェデに全力を注ぎたかったが、ヨルダンに敗れたことでプランが狂ってしまった。「強化を考えるとかなり痛手である。」と言えるが、ライバル国がギリギリの戦いをしていることを考えると、スムーズに突破できたことだけでも、評価しなければならない。
■ 5人の選手がスタメン抜擢「コンフェデまではこれまでのメンバーを中心にチームを構成して、その後に選手の入れ替えがあるかもしれない。」とザッケローニ監督は示唆しているが、この日は、DF酒井宏、DF伊野波、MF清武、MF細貝、FWハーフナー・マイクという「レギュラーではないが、大枠のグループに入っていると思われる選手」がスタメンに抜擢された。
この5人以外にサブキーパーのGK西川あたりも試してみる必要があったと思うが、あまりにも多くの選手を代えてしまうと、チームとして機能しなくなる。「6人を残して5人を代える。」というラインがザッケローニ監督の妥協点だったと思うが、アピールしなければならない選手が意欲的なプレーを見せたので、ここ最近の試合と比べると躍動感は感じられた。
右SBで起用されたDF酒井宏は、後半に不用意なパスからピンチを招いたプレーは減点材料と言えるが、果敢なサイドアタックは魅力的である。DF内田と比べると、フィード力が劣るのが難点とされているが、前半から効果的な縦パスを出しており、1年間、ドイツでプレーした経験が生きているのではないか?と感じるプレーを見せた。
また、MF岡崎とのコンビネーションが良かった。MF岡崎とDF内田のラインで右サイドを切り崩すシーンというのはほとんどなくて、左サイドに攻撃が偏ってしまう傾向があったが、DF酒井宏がいいタイミングで攻撃に参加したので、相手の左サイドの裏を突くシーンが何度かあった。DF酒井宏は当落線上の選手と言えるが、まずまずアピールできたと言える。
■ FWハーフナー・マイクはアピールしきれず・・・1トップで起用されたFWハーフナー・マイクは後半になると、何度か前線で起点となるプレーを見せた。福岡や鳥栖のときは、そういったプレーはほとんどできなかったので、ポストワークは確実にうまくなっているが、十分なアピールが出来たとは言い難い。前半にMF清武のクロスからヘディングシュートを放ったが、あのようなシーンはあと何度か作りたかった。
現時点で日本代表の1トップはFW前田とFWハーフナー・マイクの2択になっているが、味方から十分な信頼を得ていないので、FWハーフナー・マイクのところにボールが入っても、攻撃のスイッチは入らない。強さや巧さは出てきているので、不用意な形でボールを失う回数を減らしたいところである。
ボランチのMF細貝は現段階では3番手のボランチで、久々に長い時間プレーすることになったが、あまりいいプレーはできなかった。前半に1度、後半にも1度、危険なボールの失い方をしているが、ボランチの選手は絶対にやってはいけないプレーである。試合をクローズさせる役割であれば、今の実力でも十分と言えるが、スタメンとなるとちょっと厳しい。
■ CBでスタメンの伊野波一方、CBで起用されたDF伊野波は、スピードと強さを発揮した。DF吉田とは全く違ったタイプであるが、粘り強い対応ができる選手で、無理が効く選手なので、数的同数や数的不利な状態になっても、頑張って相手の攻撃をストップさせることもできる。もちろん、そういうシーンを作られないのがベストであるが、難しい局面になったときの対応力は高い。
DF吉田がスピードに欠けるタイプなので、周りを固める選手はスピードのある選手が必要になってくるが、その中で、DF伊野波はそれなりに空中戦が強くて、スピードがあって、フィードもできるので、ザッケローニ監督にとって大事な選手の1人になっている。スピードとフィード力を兼ね備えた日本人のCBはほとんどいないので重宝されるのも納得である。
そして、今後、「3-4-3」を本格的に導入するのであれば、さらに重要度が増していくと考えられる。これまではメンバー変更を行って、「3-4-3」と「4-2-3-1」を使い分けていたが、理想はメンバー変更せずとも、システムを入れ替えることのできる状態になることで、そのためには、「4-2-3-1」のWボランチの一角にCBができる選手を置くことが必須の条件となる。
その候補は、DF今野とDF伊野波とMF高橋秀の3人であるが、「DF今野をセンターバックから動かすことはできない。」となると、DF伊野波がその候補の1番手に浮上することも十分に考えられる。もちろん、MF高橋秀もボランチとCBの両方を高いレベルでこなすことができるが、DF伊野波の場合は、左右のWBやSBでもプレーできるので、使い勝手はかなりいい。
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