◆ 川崎フロンターレ-浦和レッズ → 6勝5敗4分けで勝ち点「22」の川崎Fと、9勝2敗4分けで勝ち点「31」の浦和の試合は、前半28分にホームの川崎FがMF中村憲のゴールで先制すると、前半30分にもMFレナトが決めて2対0とする。これで試合の主導権を握った川崎Fは前半43分にボランチMF山本真が決めて3対0とすると、後半4分にFW大久保のPKで4点目を挙げる。その後はペースダウンして5点目を奪うことはできなかったが、川崎Fが4対0で圧勝した。
4連戦の3試合目ということで、両チームとも動きは重かった。特に、浦和の方は状態が悪くて、1失点目のMF中村憲のシュートはGK加藤が正面のボールをはじいてしまって、2失点目もDF那須のミスがきっかけとなった。それ以外でも集中力の欠如が目立って、後ろから飛び出してくる相手選手を捕まえ切れなかった。「MF鈴木啓が不在でMF柏木をボランチで起用する。」という攻撃的な布陣を採用したが、裏目に出た。
川崎Fは15節はアウェーで広島に2対4で敗れて公式戦の無敗記録が「10」でストップした。そのため、浦和戦は上位争いに加わることができるかどうかの分岐点となる試合であり、大事な試合と言えたが、2位の浦和に大勝して、弾みのつく試合となった。中断前の最後の17節はアウェーで大宮と対戦するが、大量リードを奪ったこともあって、この日の後半は省エネのサッカーができたことはプラスに働くだろう。
この日は、浦和の守備が甘かったので、割り引いて考える必要もあるが、FW大久保、MFレナト、MF中村憲の3人を前に置く新システムが機能した。攻撃陣に怪我人が相次いでいるので、苦肉の策とも言えるが、守備の不安が少なくなって、3人が攻撃に専念できる環境が用意された。特に、MFレナトをサイドハーフに置く場合、「相手のSBに自由に攻撃される。」というところもあるが、このシステムだと負担は減ってくる。
風間監督のサッカーというと、パスをつなぎながら相手の隙を作ってチャンスを作っていくサッカーであるが、関塚監督の時代は縦に早いサッカーで結果を残してきた。2012年の結果が出ていない時期は、ボール回しにこだわり過ぎて、伝統的な川崎Fの良さが失われていたが、ここ最近は、「急ぐところ」と「急がないところ」の使い分けが出来るようになって、鋭いカウンターからゴールを奪うシーンも多くなっている。
しかも、カウンターの場面でも、ボールを奪った直後の1つ目や2つ目や3つ目のパスの質が高くなっていて、約1年間、細かくつなぐサッカーを志向してきたことが、カウンターの場面にも活きるようになってきた。この試合も、MFレナトが決め切れないシーンが何度かあったので、決定力に課題を残したが、5点・6点を奪っていても全くおかしくない試合展開であり、攻撃陣の充実ぶりは目を見張るものがある。
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