■ 守備編 今度は、守備編です。同様に、「CK」、「FK」、「PK」、「スローイン」の4項目に分けて、クラブ別にまとめると、表1のようになりました。目立つのは、札幌のCKからの失点の多さで、ダントツの多さです。また、仙台は18クラブ中、唯一、PKでの失点がありませんでした。
表1. セットプレーで許したゴール数
| 失点 |
| CK | FK | PK | スローイン |
コンサドーレ札幌 | 15 | 6 | 4 | 1 |
ベガルタ仙台 | 6 | 2 | | |
鹿島アントラーズ | 5 | 4 | 2 | 1 |
浦和レッズ | 7 | 3 | 1 | 1 |
大宮アルディージャ | 2 | 2 | 3 | 1 |
柏レイソル | 4 | 7 | 2 | |
FC東京 | 2 | 7 | 1 | |
川崎フロンターレ | 3 | 1 | 1 | |
横浜Fマリノス | 4 | 3 | 2 | |
アルビレックス新潟 | 2 | 5 | 2 | 1 |
清水エスパルス | 6 | 4 | 5 | |
ジュビロ磐田 | 4 | 5 | 1 | |
名古屋グランパス | 6 | 2 | 3 | |
ガンバ大阪 | 6 | 3 | 4 | 1 |
セレッソ大阪 | 4 | 5 | 3 | |
ヴィッセル神戸 | 6 | 4 | 3 | |
サンフレッチェ広島 | 2 | 3 | 2 | |
サガン鳥栖 | 6 | 4 | 4 | 1 |
| 90 | 70 | 43 | 7 |
CKとFKからの失点数に着目して整理すると、表2のようになります。もっとも少ないのは、大宮と川崎Fで4失点しかありません。大宮については、背の高い選手もいるので、納得できますが、川崎Fが最少タイというのは、少し意外な気もします。
全体を見ると、7失点・8失点・9失点・10失点のクラブが、13チームもあるので、札幌を除くと、大差はありません。当然のことながら、ゴール前の高さが重要になりますが、身体能力が高くて、守備範囲の広いGKがいると、有利になります。
表2. CKとFKからの失点数のランキング
| | CK | FK | 失点(CKとFK) |
1 | 大宮アルディージャ | 2 | 2 | 4 |
1 | 川崎フロンターレ | 3 | 1 | 4 |
3 | サンフレッチェ広島 | 2 | 3 | 5 |
4 | 横浜Fマリノス | 4 | 3 | 7 |
4 | アルビレックス新潟 | 2 | 5 | 7 |
6 | ベガルタ仙台 | 6 | 2 | 8 |
6 | 名古屋グランパス | 6 | 2 | 8 |
8 | 鹿島アントラーズ | 5 | 4 | 9 |
8 | FC東京 | 2 | 7 | 9 |
8 | ジュビロ磐田 | 4 | 5 | 9 |
8 | ガンバ大阪 | 6 | 3 | 9 |
8 | セレッソ大阪 | 4 | 5 | 9 |
13 | 浦和レッズ | 7 | 3 | 10 |
13 | 清水エスパルス | 6 | 4 | 10 |
13 | ヴィッセル神戸 | 6 | 4 | 10 |
13 | サガン鳥栖 | 6 | 4 | 10 |
17 | 柏レイソル | 4 | 7 | 11 |
18 | コンサドーレ札幌 | 15 | 6 | 21 |
■ 2011年と2012年の比較 今度は、2011年と2012年の数字を比較したいと思います。増減に着目して整理すると、表3のようになります。大宮が「-7」で、川崎Fが「-6」で、広島が「-5」となって、CKやFKからの失点数を大きく減らしています。(※ 昇格組の3チームは除いています。)
失点が大幅に増えているのは、仙台と名古屋の2チームで「+6」となっています。しかしながら、この2チームに関しては、2011年の「2失点」というのが、素晴らしすぎるだけで、1シーズンで「8失点」というのは、決して多い数字ではありません。
2シーズンのトータルで考えると、浦和は2011年も、2012年も二桁失点で、合計数ではワーストです。浦和はスタメンの平均身長がJ1の中では、もっとも低い部類に入るチームなので、仕方がないところもありますが、ACLを勝ち進むためには、「高さ」の部分は改善したいところです。
表3. 2011年と2012年の比較 (CKとFKからの失点数)
| 2011年 | 2012年 | ± |
大宮アルディージャ | 11 | 4 | -7 |
川崎フロンターレ | 10 | 4 | -6 |
サンフレッチェ広島 | 10 | 5 | -5 |
アルビレックス新潟 | 9 | 7 | -2 |
浦和レッズ | 11 | 10 | -1 |
ガンバ大阪 | 9 | 9 | ±0 |
横浜Fマリノス | 5 | 7 | +2 |
ジュビロ磐田 | 7 | 9 | +2 |
セレッソ大阪 | 7 | 9 | +2 |
清水エスパルス | 8 | 10 | +2 |
鹿島アントラーズ | 6 | 9 | +3 |
ヴィッセル神戸 | 7 | 10 | +3 |
柏レイソル | 8 | 11 | +3 |
ベガルタ仙台 | 2 | 8 | +6 |
名古屋グランパス | 2 | 8 | +6 |
■ 直接FKでの失点数 次は、直接FKでの失点数のランキングです。2011年と2012年の数字を並べていますが、2012年に関しては、札幌が4失点でワースト2位、C大阪が5失点でワースト1位となっています。
C大阪のGKキム・ジンヒョンは韓国代表のキーパーですが、FKへの対応を苦手としており、今年は、FWパウリーニョ(G大阪)、MF小笠原(鹿島)、MF田口(名古屋)、MFアレックス(清水)、FWノヴァコヴィッチ(大宮)に決められています。C大阪は壁に入る選手の高さは、J1でもトップレベルなので、不思議です。
表4. 直接FKでの失点数ランキング
| 2011年 | 2012年 |
大宮アルディージャ | 1 | 0 |
アルビレックス新潟 | 3 | 0 |
清水エスパルス | 1 | 0 |
FC東京 | --- | 0 |
川崎フロンターレ | 0 | 1 |
横浜Fマリノス | 1 | 1 |
鹿島アントラーズ | 1 | 1 |
ヴィッセル神戸 | 0 | 1 |
ベガルタ仙台 | 0 | 1 |
サンフレッチェ広島 | 1 | 2 |
ガンバ大阪 | 3 | 2 |
ジュビロ磐田 | 1 | 2 |
柏レイソル | 2 | 2 |
名古屋グランパス | 1 | 2 |
サガン鳥栖 | --- | 2 |
浦和レッズ | 3 | 3 |
コンサドーレ札幌 | --- | 4 |
セレッソ大阪 | 1 | 5 |
■ セットプレーに強いのは? 最後は、「FKとCKから挙げた得点数」と「FKとCKで許した失点数」の差に注目して、表にまとめました。プラスが大きいほど、優秀と言えますが、1位は仙台で「+9」、2位は川崎Fで「+7」、3位は横浜FMで「+6」となって、初優勝を飾った広島が「+4」で続きます。
表5. 得点数と失点数の差のランキング
| 得点 | 失点 | ± |
ベガルタ仙台 | 17 | 8 | +9 |
川崎フロンターレ | 11 | 4 | +7 |
横浜Fマリノス | 13 | 7 | +6 |
サンフレッチェ広島 | 9 | 5 | +4 |
ガンバ大阪 | 12 | 9 | +3 |
柏レイソル | 13 | 11 | +2 |
サガン鳥栖 | 12 | 10 | +2 |
ジュビロ磐田 | 10 | 9 | +1 |
名古屋グランパス | 9 | 8 | +1 |
大宮アルディージャ | 4 | 4 | ±0 |
浦和レッズ | 9 | 10 | -1 |
FC東京 | 8 | 9 | -1 |
アルビレックス新潟 | 6 | 7 | -1 |
ヴィッセル神戸 | 8 | 10 | -2 |
清水エスパルス | 6 | 10 | -4 |
セレッソ大阪 | 5 | 9 | -4 |
鹿島アントラーズ | 4 | 9 | -5 |
コンサドーレ札幌 | 4 | 21 | -17 |
これについても、2011年と2012年の数字を書き出して、その差に注目して整理すると、表6のようになります。1位になったのは、風間監督率いる川崎Fで、「-1」から「+7」になって、「+8」でした。GK西部やDFジェシや風間兄弟が加わった効果と言えるのでしょうか・・・。
下位の方を見ていくと、清水が「-7」、名古屋が「-15」、鹿島が「-17」となっており、この3チームは、2011年シーズンと比べると、セットプレーで苦戦したことがよく分かります。名古屋も、鹿島も、開幕前は上位候補に挙げられていましたが、思うような結果を残すことができませんでしたが、セットプレーも原因の1つと言えるのではないでしょうか。
表6. 得点数と失点数の差のランキング(2011年と2012年との比較)
| | 2011年 | 2012年 | ± |
1 | 川崎フロンターレ | -1 | +7 | +8 |
2 | サンフレッチェ広島 | -3 | +4 | +7 |
3 | 大宮アルディージャ | -6 | ±0 | +6 |
3 | 浦和レッズ | -7 | -1 | +6 |
5 | アルビレックス新潟 | -5 | -1 | +4 |
6 | ヴィッセル神戸 | -5 | -2 | +3 |
7 | ベガルタ仙台 | +7 | +9 | +2 |
8 | 横浜Fマリノス | +5 | +6 | +1 |
8 | ガンバ大阪 | +2 | +3 | +1 |
10 | ジュビロ磐田 | +3 | +1 | -2 |
11 | 柏レイソル | +5 | +2 | -3 |
12 | セレッソ大阪 | ±0 | -4 | -4 |
13 | 清水エスパルス | +3 | -4 | -7 |
14 | 名古屋グランパス | +16 | +1 | -15 |
15 | 鹿島アントラーズ | +12 | -5 | -17 |
[計算式] → (2012年の得点数-2012年の失点数)-(2011年の得点数-2011年の失点数)
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