■ 天皇杯王者のC大阪が快勝Jリーグの新シーズンの幕開けを告げるゼロックス・スーパーカップは2月10日(土)に埼玉スタジアムで行われた。2017年のルヴァン杯の決勝と同じ川崎フロンターレ vs セレッソ大阪の対戦になったが3対2でC大阪が勝利した。2009年以降はずっとリーグ戦王者がゼロックスを制していたが久しぶりに天皇杯王者がゼロックスを制した。天皇杯王者が勝利したのは2006年の浦和以来。なので相当に久しぶりのことになる。
ゼロックスは「J1の開幕戦が行われるちょうど1週間前に開催される。」という形で近年は定着していたが今シーズンは2週間前の開催になった。例年通りだと過密日程になって川崎FやC大阪の日程が超ハードになる点も考慮されたが「新シーズンの最初の公式戦」がACLのGLの初戦になると大変である。体や頭が公式戦に慣れておらず、GKの初戦で日本勢は大苦戦する傾向にある。日程に関してはよく考慮されている。
「J1の優勝候補の一角」に挙げられる両チームの対戦なので注目度は高かったが天皇杯王者のC大阪が優勢。最終的には1点差の勝負になったが内容的には大きな差があったと言える。C大阪は天皇杯の決勝を戦ったので1月1日(月)までシーズンを戦っていたのでJリーグの54クラブの中で一番大変なクラブと言えるがオフ期間が短かったことが幸いしたのか、昨シーズンの終盤戦の勢いは失われていなかった。
■ 状態の良さが目立ったセレッソ大阪C大阪はボランチのMFソウザがコンディション不良で欠場となった。川崎Fはケガ明けのMF大島僚がベンチスタートで、復帰組のFW大久保はベンチスタート。DFエウシーニョもベンチ外だったのでどちらも重要な選手を欠いていたのでベストメンバーではなかった。選手交代が5人まで認められたこともあってFW柿谷とMF中村憲は前半のみの出場。総合力が試される展開になったがC大阪の出来の良さが目立った。
前半26分に日本代表のMF山口蛍のミドルシュートが決まったが前半のC大阪のボール回しは秀逸だった。選手同士の距離感が良くて随所にワンタッチプレーやヒールパスが入る鮮やかなパス回しを披露した。こういう風にボールが回るシーンは前半はたくさんあった。昨シーズンはシンプルな攻撃が目立ったがアイディアと技術を持った選手が多いチームである。この日はエンターテイメント性が高いサッカーだった。
FW柿谷に代わって新戦力のFWヤン・ドンヒョンが投入された後半は早々に2点ビハインドになった川崎Fがボールを保持する時間が長くなったがFW杉本健とFWヤン・ドンヒョンのツインタワーが威力を発揮した。FWヤン・ドンヒョンはエリア内での不用意なファールでPKを献上したが後半3分のMF清武のゴールの場面は起点になって後半33分のMF高木俊のゴールはアシスト。合計すると3つのゴールに絡んだ。
■ 大きな戦力になる可能性が高いFWヤン・ドンヒョンFW杉本健が今オフに欧州リーグに移籍する可能性があったので代役候補としてFWヤン・ドンヒョンを獲得したと思うがFW杉本健は残留。現時点のFWヤン・ドンヒョンの立場は控えフォワードになるが「Kリーグの得点ランキングで2位となる19ゴールを挙げたKリーグ屈指のストライカーがベンチに控えている。」というのが昨シーズンとの大きな違いである。守備での貢献度も高かったので大きな補強と言える。
FW柿谷が2トップの一角に入った前半はコンビネーションからチャンスをたくさん作ったが186センチのFWヤン・ドンヒョンが入るとロングボール一発でもチャンスにつながりやすくなる。タフな相手との試合が多くなるACLではFW杉本健とFW柿谷の2トップよりもFW杉本健とFWヤン・ドンヒョンの2トップの方が力を発揮しやすい組み合わせに思える。大きなインパクトを残すC大阪での公式戦デビューになった。
後半33分に貴重な3点目のゴールを奪ったMF高木俊の活躍も光った。直前の後半29分にもFW杉本健に完璧なクロスを供給しており、同じようにC大阪における公式戦のデビュー戦で輝きを放った。昨シーズンのC大阪は途中出場した選手が決めたゴールがわずか2ゴールのみ。J1ワーストの数字だった。「途中出場でインパクトを残せる攻撃的な選手がいない点」が改善ポイントだったがしっかりと強化してきた。
■ ジャッジ基準を示す大会になるゼロックス一方、ゼロックスには「新シーズンの到来を告げる。」という役目と共に「2018年のJリーグの判定基準を示す。」という大きな役割もある。判定基準は、毎年、少しずつ変化するが、「手を使ったプレーは厳しく取り締まる。」、「スローインの時のファールスローを厳しく取り締まる。」、「後方からタックルは厳しく取り締まる。」などなど1つあるいは2つほど重点テーマを設けるケースがこれまでは多かった。
注意すべき点を分かりやすくPRしなければいけないのでゼロックスは判定で揉めやすい。当然、タイトルがかかった重要な試合なのでゼロックスの後は試合内容や個々の選手のパフォーマンスよりもジャッジが話題になるケースが多かった。2008年の鹿島 vs 広島が典型例に挙げられるが通常の試合とは違って「極端なジャッジ」にならざる得ないので揉めやすくなるのは必然である。受け入れるしかない。
主審にとっては大変な役回りであるが、その一方でゼロックスの主審を任されるというのは非常に名誉な話である。今年は福島孝一郎主審が担当することになった2対0とC大阪がリードした直後に川崎Fに与えられたPKが話題になっている。ただ、映像を見る限りでは「PKを取られても仕方がない攻防があった。」と言える。C大阪のFWヤン・ドンヒョンがエリア内でDF車屋を倒したがかなり不用意なプレーだった。
後半開始から投入されたFWヤン・ドンヒョンはまだ試合に入り切れておらず、この場面の対応はかなり軽率だった。「このくらいの攻防でPKを取るのはいかがなものか?」という声は少なくないが、先のとおり、ここでPKを取らないと「今シーズンはこのくらいの攻防は認められる。」となってしまう。基準を明確にするために極端なジャッジにならざるえないゼロックスの舞台ということを考えると当然のPK宣告だった。
・【ゼロックス】 川崎フロンターレ vs セレッソ大阪で出来が良かったと思う選手は? → 34票
・【J1】「デジっちが行く!」で面白かったと思うチームはどこですか? → 312票
・【J1・J2・J3】 2018年のアタリ新外国人選手だと思う選手は誰ですか? → 13票
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