※ 2022年10月1日(金)の時点。 ヴィッセル神戸 → 2021年はクラブ史上最高となるJ1で3位に入ってACLの出場権を獲得した神戸だったが一転して今シーズンは苦しいシーズンになっている。オフにDFトーマス・フェルマーレン(→引退)とFWドウグラス(→柏)が退団して元・日本代表のDF槙野やMF扇原を獲得した。MF汰木も獲得したが選手の入れ替えは最小限にとどまった。監督も変わらず。上位候補に挙げられたが開幕から11試合勝ちなしと出遅れた。
7試合を終えた時点で0勝3敗4分け。このタイミングで三浦淳宏監督は退任となった。京都戦(H)ならびにFC東京戦(A)はリュイス氏が指揮を執ったが2連敗。10試合目から元・C大阪のロティーナ監督が指揮を執ったが2連敗。12試合目となる鳥栖戦(H)でようやくの今シーズン初勝利を手にしたが、結局、名将のロティーナ監督も神戸を立て直すことは出来ず。ロティーナ監督も9試合で2勝6敗1分けという成績だった。
「ロティーナ監督の交代」については大きな批判を浴びた。代わって吉田孝行監督がまたも復帰したが振り返ってみると「これが英断だった。」と言える。難しい決断だったと思うが吉田孝行監督になってからは11試合で6勝3敗2分け。ACLもラウンド16で横浜FMを下してベスト8に進出した。準々決勝で敗れてベスト8敗退となったが吉田孝行監督になってチームは急浮上して降格圏から脱出することに成功した。
30節を終えた時点では8勝14敗7分けで勝ち点「31」となる。16位の京都との差は「1」なので全く油断はできないが8月以降のチーム状態の良さを考えると「何とかJ1に残留できそうな状況になっている。」と言える。前半戦(1節-17節)を終えた時点では2勝10敗5分けで勝ち点「11」のみだったことを考えると「歴史的なカムバック」と言える。何だかんだでここ最近はFW大迫など実績のある選手たちが奮闘している。
いい流れを継続させて1日でも早く「J1残留」を確定させたいがオフにやるべきこと・考えないといけないことはたくさんある。まずは吉田孝行監督の処遇になる。神戸の監督に就任するのは今回で3度目となるがいずれもシーズン途中での監督就任となる。J2の長崎を指揮した2021年のみ、シーズンの最初から監督を任されたがわずか12試合で退任となった。「ピンチヒッター向きの監督」という人も少なからずいる。
今回はFW大迫などベテランの力を上手く引き出してチームを浮上させることに成功したが明確なスタイルを持った監督ではないので続投と場合、またしても開幕から苦労することは十分に考えられる。チームを立て直した監督を斬るというのもリスクは伴うがシビアに評価して判断を下さないといけない。神戸ならびに吉田孝行監督に限らず、「途中就任して残留を果たした監督を続投させて失敗するケース」は多々ある。
最大の懸念材料は高齢化になる。平均年齢は28.46歳。J1で上から5番目なので実はそこまで高くないが「30歳以上の選手の総プレー時間」はJ1最多となる14,275分。29試合×11人×90分=28,710分なので割合は49.7%となる。MFイニエスタ、FW大迫、FW武藤嘉あたりは怪我で欠場する試合が多かったにも関わらず、これだけ30歳以上の選手が占める割合が高くなるので「高齢化問題は深刻なレベル」である。
MF山口蛍はもうすぐ32歳、DF酒井高は31歳、DF大崎玲は31歳、GK飯倉は36歳、DF槙野は35歳、MF扇原ももうすぐ31歳になる。GK前川、DF小林友、MF郷家、MF佐々木大樹、MF小田あたりは揃って伸び悩んでいるのでビッグネームたちの後釜として「次代の神戸を担う選手」が控えている状態ではない。MF小川慶、DF岩波、DF藤谷を含めて期待された逸材がなかなか伸びない環境というのは非常に良くない。
J1残留を達成した場合でもやるべきことは多いが「今オフの神戸の補強ポイント」を挙げると以下の6つになる。キーパーは今シーズンもGK前川とGK飯倉の競争になったが2度も監督交代が実施された影響もあって固定できず。スタメンの回数はGK前川が15試合、GK飯倉が14試合となる。抜群のフィード力を持つGK飯倉の方が神戸のやりたいサッカーには合っているがサイズの面ではGK前川がかなり上になる。
○ 若手 or 中堅世代の正キーパー候補。 ○ 攻撃の中心になれるアタッカー系の選手。 ○ 右サイドのアタッカー。左利きの選手。 ○ 若手 or 中堅世代の左サイドバック。 ○ 若手 or 中堅世代のストライカー ○ フィード力の高いセンターバック。 キーパーの候補はGK鈴木彩(浦和)、GK沖(鹿島)、GKブローダーセン(横浜FC)という3人を挙げることが出来る。GK鈴木彩とGK沖はともに将来を嘱望されているが浦和にはGK西川、鹿島にはGKクォン・スンテがいるので今シーズンは出番に恵まれなかった。特に五輪代表の正キーパーであり、E-1 サッカー選手権のときは日本代表に選ばれたGK鈴木彩は「レギュラーとして試合に出続けないといけない選手」である。
GK鈴木彩とGK沖を完全移籍で獲得するのは難しいがレンタルであれば獲得は可能と考えられる。一方、GKブローダーセンは昨オフに神戸への移籍話が浮上した。スポーツ報知は「神戸が獲得することが濃厚」と報じたが、結局、横浜FCに残留した。横浜FCの正キーパーとして2022年の躍進に大きく貢献してさらに個人としての評価は高まったが東京世代で25歳。年齢的に若いのも魅力の1つに挙げられる。
「MFイニエスタの去就」も注目される。最後にJ1でプレーしたのは0対3で敗れた8月6日(土)のC大阪戦(H)になる。それ以降はリーグ戦でベンチ入りの機会もない。怪我を抱えているのは間違いないと思うが推定年俸は20億円。さすがのMFイニエスタも動けなくなったので彼がいると前線からの守備が機能しなくなる。「MFイニエスタを外したこと」が神戸の浮上のきっかけになったことを考えると立場は微妙である。
彼の退団を見越して「攻撃の中心になれるアタッカー系の選手」も必要となる。その候補としてはMFマルコス・ジュニオール(横浜FM)、MFレアンドロ(FC東京)、MF伊藤涼(新潟)の名前を挙げることが出来る。2019年のJ1の得点王のMFマルコス・ジュニオールは今シーズンはMF西村拓が加入した影響で出番が減少している。MFレアンドロは度重なる相手への肘打ちでイメージは悪いがJ1屈指の右足を持っている。
MF伊藤涼はミドルシュートが得意。J2でコンスタントに活躍している。「右サイドハーフを固定できなかった。」というのも今シーズンの神戸の問題点の1つに挙げられる。夏に獲得した右SBのDF飯野を本職ではない右サイドハーフで起用する試合も多かった。補強ポイントと言えるが候補としてはMF金子拓(札幌)とMF杉山直(熊本)の名前を挙げることが出来る。ともに左利きで打開力のあるサイドアタッカーである。
MF金子拓については「神戸の恋人」と言える。2021年の夏と昨オフの2度、神戸が獲得に乗り出した。ともに札幌への残留を決断したが神戸は資金力のあるクラブなので引き抜きは考えられる。2021年はJ3で活躍したドリブラーのMF杉山直は初挑戦となるJ2でも大きな存在感を発揮している。さらに評価は高まった。そもそもとして神戸は左利きの選手が少なくてMF小林祐、MF扇原、DF小林友など数名のみである。
「若手 or 中堅世代のストライカー」も欲しい。夏以降はFW大迫とFW武藤嘉が奮起しているがともに怪我がち。30歳を超えている。ストライカーの候補としてはFW町野(湘南)ならびにFW横山歩(松本山雅)の名前を挙げることが出来る。ともに今オフのJリーグの移籍市場の目玉と言えるので「争奪戦に発展するのは間違いない。」と言えるが獲得できると大きい。FW横山歩はJリーグ屈指のスピードを持っている。
☆ 今オフに神戸が獲得できたら面白いと思う選手 (10人) ・GK 鈴木彩艶 (浦和レッズ)
・GK 沖悠哉 (鹿島アントラーズ)
・GK ブローダーセン (横浜FC)
・MF マルコス・ジュニオール (横浜Fマリノス)
・MF レアンドロ (FC東京)
・MF 伊藤涼太郎 (アルビレックス新潟)
・MF 金子拓郎 (コンサドーレ札幌)
・MF 杉山直宏 (ロアッソ熊本)
・FW 町野修斗 (湘南ベルマーレ)
・FW 横山歩夢 (松本山雅)
・ 2022/10/26 【Jリーグ】 「今オフの移籍市場の目玉」は誰だろうか? (10人だけ挙げてみた。) ・ 2022/10/26 【Jリーグ】 「今オフの移籍市場の目玉」は誰だろうか? (あと10人だけ挙げてみた。) ▼ 最新の動画 (2022年10月16日 up済) VIDEO ★ 現在の投票数 → 347票
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