■ J1の第16節J1の第16節。5勝8敗2分けで勝ち点「17」。11位のヴィッセル神戸はホームのノエビアスタジアムで大分トリニータと対戦した。大分は7勝4敗4分けで勝ち点「25」。6位と好位置に付けているがここ4試合は0勝2敗2分け。4試合勝ちなし中なので一時と比べると勢いが落ちてきた。神戸はフィンク監督になって2試合目。初陣となった15節のFC東京戦(A)は1対0で勝利。復帰戦のMFイニエスタが決勝ゴールを挙げた。
ホームの神戸は「4-2-2-2」。GKキム・スンギュ。DF西大伍、ダンクレー、宮大樹、初瀬。MF山口蛍、セルジ・サンペール、三田、小川慶。FWウェリントン、ダビド・ビジャ。元スペイン代表のMFイニエスタは夫人の出産のためスペインに帰国中。この試合は欠場となった。出場停止明けのDFダンクレーとMFセルジ・サンペールはともにスタメン出場。咽頭炎のFWポドルスキは3試合連続で欠場となった。
対するアウェイの大分は「3-4-2-1」。GK高木駿。DF庄司、鈴木義、三竿雄。MF島川、前田凌、松本怜、高山薫、オナイウ阿道、小塚。FW藤本憲。コパ・アメリカのメンバーに選出されたDF岩田は欠場。C大阪からの期限付き移籍となるDF庄司が4試合連続スタメンとなった。エースのFW藤本憲は15試合で7ゴールを挙げているがここ4試合ゴールなし。MFオナイウ阿道は14試合で5ゴールを挙げている。
■ 終了間際に追いついた大分トリニータ試合は前半6分に右ストッパーのDF庄司の不用意なパスミスからFWウェリントンがダイレクトで繋いだボールをFWダビド・ビジャが決めてホームの神戸が先制に成功する。しかしながら、直後の前半8分に今度はGKキム・スンギュの中途半端なプレーから大分が決定機を作るとMF小塚のパスを受けたMFオナイウ阿道が決めて1対1の同点に追いついた。MFオナイウ阿道は3試合連続ゴールとなった。
追いつかれた神戸は前半26分にキーパーに対してプレスをかけたFWウェリントンがボールを奪って無人のゴールに流し込んで2対1と勝ち越しに成功する。FWウェリントンは9試合で6ゴールを挙げている。前半は2対1と神戸がリードして折り返した。後半開始から大分はDF庄司を挙げてDF刀根を投入。最終ラインのテコ入れを図った。追いつきたい大分は後半24分に古巣対決となるMF小林成を投入する。
直後にMF小林成の突破からチャンスを作りかけたが決められず。そのまま2対1と神戸がリードして後半の終了間際を迎えたが後半44分にCBのDF鈴木義の素晴らしいパスを受けたMF小林成が決めて土壇場で大分が2対2の同点に追いついた。MF小林成はリーグ戦は2試合目の出場で初ゴールとなった。終了間際に追いつかれて勝ち点「3」を逃した神戸は3試合負けなし。大分は5試合勝ちなしとなった。
■ トルステン・フィンク監督になって2試合目神戸の1点目と2点目、大分の1点目はともに相手のミスを突いたゴールだった。最終ラインやキーパーのフィードのミスからの失点だったのでお互いにとって「嫌な感じの失点の仕方」だったが、ともに前からのプレスは良かった。特に神戸の前線からの守備は非常に良かった。ミスから2失点した後も大分は執拗にパスをつないでチャンスを作ろうとしたが神戸の守備がハマってスムーズな組み立てはできなかった。
リージョ監督が退任して、吉田孝行監督も現場を離れた神戸はこの時期にして早くも3人目の監督になる。異例のペースになるがフィンク監督は優秀な指導者に見える。この日はMFイニエスタが欠場。FWポドルスキも不在なので、なかなかメンバーが定まらないのは大変だと思うが、いる選手の良さをうまく引き出している。フィンク監督になってからは1勝1分けとなるが、明らかに内容面は向上している。
「バルサ流のショートパス主体のサッカーを実現させる。」というのがクラブの大きなテーマになっているが、今の神戸はMF山口蛍やMF小川慶やMF三田やFW古橋やMF郷家など走力のある選手が多い。FWウェリントンも大型フォワードとしては献身的な選手で、FWダビド・ビジャも37才とは思えないほど動ける選手である。前からどんどん激しいプレスをかけるサッカーの方が合っているようにも感じられる。
終了間際に追いつかれてドローに終わったのは残念だったが「これから徐々に上昇していきそうな雰囲気」を漂わせている。試合前の時点で11位の神戸と17位のG大阪との差は「3」のみ。残留争いのグループに巻き込まれているが「このサッカーを継続できれば安定して勝ち点を積み上げることができるだろう。」と言える。結果はドローだったが内容のあるサッカーを見せた。フィンク監督には期待できそうだ。
■ 古巣を相手に恩返し弾大分はこれで5試合勝ちなしとなった。すでに勝ち点「26」を挙げているのでまだ余裕はあるが早く未勝利地獄から抜け出したい。昨シーズンは勝ち点「41」の磐田が16位で入替戦に回ることになったが今シーズンも残留ラインはハイレベルになる可能性大。ここからしばらく未勝利が続くようだと残留争いのグループに巻き込まれることも十分に考えられる。大事な大事な17節はホームの浦和戦になる。
久々の勝利はならなかったが難しい展開の中、追いついて勝ち点「1」を獲得できたのは良かった。チームを救ったのは途中出場したMF小林成だったが今シーズン2試合目の出場。ほとんど出場機会がなかったMF小林成が古巣を相手に恩返し弾を決めたというのはドラマチックな展開である。昨シーズンは山形で大ブレイクして34試合で12ゴールを記録したがようやくJ1で結果を残すことができた。
同点ゴールを決めたのはMFオナイウ阿道だったがこれで3戦連発。15試合で6ゴールとなった。キーパーが前に出ていたのでゴールは空いていたが相手ディフェンスは戻ってきつつあったのでプレッシャーのかかる状況。慌ててしまって枠を大きく外すケースは多々あるが冷静に決めた。今シーズンの大分はシュートの数はあまり多くないがFW藤本憲とMFオナイウ阿道の決定力の高さに助けられている。
勿体なかったのは1失点目と2失点目になる。どちらもつなぎのミスから簡単に決定機を作られて失点した。1失点目はDF庄司、2失点目はGK高木駿のミスだった。もちろん、繋ぐサッカーに取り組んでいるので、年間を通していくつかこういう形から失点するのは想定内と言えるが1試合に2回もあると勝つのは難しい。状況判断が求められるサッカーを志向しているが状況によって「大きく蹴る」というのも決して悪くない。
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