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【高校サッカー：青森山田高×米子北】 MF松木玖生は逸材なのか？平凡なのか？ | | |　

■　福井開催のインターハイ

今年のインターハイの男子サッカーは福井県内で開催されているが決勝戦は8月22日(日)にテクノポート福井で行われた。同競技場は福井県坂井市三国町にある。収容人数は21,053人。球技専用スタジアムとしては北陸有数の規模を持つが「観客席までの距離が遠いこと」で知られている。特にピッチからゴール裏までの距離は非常に遠い。元・日本代表のFW我那覇が在籍する福井ユナイテッドが使用している。

鳥取県代表の米子北高は「4-2-2-2」。GK山田陽介。DF原佳太朗、DF鈴木慎之介、DF飯島巧貴、DF海老沼慶士。MF佐野航大、MF山中奨、MF渡部颯斗、MF木村愛斗。FW片山颯人、FW福田秀人。「10番」のMF佐野はJ2の町田ゼルビアでプレーするMF佐野海の弟。3学年差なのでちょうど入れ替わりとなる。G大阪のDF昌子、町田のMF佐野海、群馬のFW加藤潤などが米子北高のOBになる。

対する青森山田高は「4-2-2-2」。GK沼田晃季。DF大戸太陽、DF丸山大和、DF三輪椋平、DF多久島良紀。MF松木玖生、MF宇野禅斗、MF藤森颯太、MF田澤夢積。FW名須川真光、FW渡邊星来。10番のMF松木玖はU-20日本代表、ボランチのMF宇野はU-18日本代表に選出されている。今年の高校サッカー界の最大のスター選手であるMF松木玖は今年の3月にフランスのリヨンの練習に参加している。

　→　2014/07/25 　【天皇杯：福井×新潟】地元の県からJリーグ入りを目指すサウルコス (生観戦記) (上)
　→　2014/07/26 　【天皇杯：福井×新潟】地元の県からJリーグ入りを目指すサウルコス (生観戦記) (中)
　→　2014/07/27 　【天皇杯：福井×新潟】地元の県からJリーグ入りを目指すサウルコス (生観戦記) (下)

■　劇的なゴールで青森山田高が日本一

「優勝候補の筆頭」に挙げられる青森山田高は5試合で計28得点/2失点。圧倒的な攻撃力を武器に決勝進出を果たした。意外にもインターハイは苦手にしており、日本一に輝いたら「16年ぶりで2度目のインターハイ制覇」となる。「青森山田高は夏に弱い。」というイメージを払拭したいが前半9分に米子北高のFW福田がエリア内で倒されてPKを獲得。これを「10番」のMF佐野が決めて米子北高が先制に成功する。

追いかける展開になった青森山田高はボランチのMF松木玖を中心に反撃を試みるがなかなかゴールを奪えない。35分ハーフの試合は1対0のままで終盤に突入したが後半のアディショナルタイムに入る直前の後半35分にセットプレーの流れからゴール前に残っていたCBのDF丸山が決めて土壇場で1対1の同点に追いついた。最終的に手に当たってゴールインしたのか？否か？はかなり微妙なシーンだった。

10分ハーフの延長戦も1対1のままで終盤に突入したが延長戦の後半11分に青森山田高がCKを獲得するとまたしてもCBのDF丸山が決めて逆転に成功する。直後に試合終了のホイッスルが鳴って試合終了。2対1で勝利した青森山田高が日本一に輝いた。CBながら2ゴールを挙げたDF丸山がヒーローになった。米子北高は先制ゴールを奪った後、粘り強く戦って勝利に近づいたが逃げ切ることは出来なかった。

■　2ゴールを挙げたDF丸山大和

幸いにして夏の暑さのピークは過ぎたがインターハイの日程は過酷である。35分ハーフとは言っても決勝まで進んだチームの主力の疲労はピークに達していると思うが青森山田高が底力を発揮した。冬の高校選手権は2年連続で準優勝に終わっている。「決勝で勝てない。」というイメージが付き始めていた中、この日も難しい展開になったが、得意にしているセットプレーから価値ある2つのゴールを奪った。

米子北高は奮闘した。準決勝の青森山田高 vs 静岡学園高の試合を「事実上の決勝戦」と言う人は少なくなかったが6試合の中で青森山田高を最も苦しめたのは米子北高だった。「10番」のMF佐野はテクニックがあって下がり目の位置からチャンスに絡んだ。守備陣は的確なポジションを取って青森山田高になかなかチャンスを作らせなかった。敗れたものの、「米子北高の健闘が光る試合だった。」と言える。

3年生のDF丸山は劇的な逆転ゴールを決めた後、ユニフォームを脱いで喜びを爆発させた。当然、イエローカードが提示されており、「高校生らしくない。」という批判の声も挙がっているがほぼラストプレーだったので「ゴール=日本一」だった。あまりにも劇的な逆転ゴールだったので感情を爆発させたくなる気持ちは分かる。イエローカードを受けたとしても直後に試合終了なのでマイナスになることはほぼない。

■　5ゴール5アシストでチームをけん引

8月23日(月)に行われる男子中学生の決勝戦も青森山田中 vs 神村学園中になるが近年の青森山田中は青森山田高以上に全国大会で結果を出しまくっている。もちろん、高校入学と同時に青森にやってくる生徒も多いが、中高一貫で選手を育成できるのが大きな強みになっている。DF三國ケネディエブス、MF檀崎、MF武田英、DF藤原優、MF松木玖はいずれも青森山田中時代から名前の知られた選手だった。

注目のMF松木玖はここまでの5試合で5ゴール5アシスト。素晴らしい活躍を続けていたが決勝戦ではゴールもアシストもなかった。自らの力でチームを日本一導くことは出来なかったがボランチの位置から積極的にゴール前に顔を出してシュートチャンスを作った。スピードはそこまで無いと思うが運動量が豊富。嗅覚も持っている。身長も180センチに達したので中盤の選手にしては体格面でも恵まれている。

MF松木玖は1年生の頃から「高校サッカー界のスター」として注目を集めており、進路先も大いに注目されているが、彼に対する評価は真っ二つである。「そこまで騒がれるような選手ではない。」という意見も少なくない。「身体能力も技術も際立つレベルではない。」という点がその理由だと思うが個人的には将来性の高い選手だと思う。「運動量」と「嗅覚」に加えて「メンタルの強さ」は高校生離れしたものがある。

フル代表に召集されるような選手になるためには「メンタルの強さ」というのは欠かせないがMF松木玖はこの部分では飛び抜けている。「これほど自分自身に対して強い自信を持ってプレーできる選手はJリーガーや海外組を含めても日本にはほぼいない。」と言っても過言ではないだろう。高校卒業と同時に欧州に渡るのであればたくさん壁にぶち当たると思うが彼であれば十分に乗り越えることが出来るだろう。

　→　2018/09/19 　【中学サッカー：青森山田中×日章学園中】 U-15日本代表のMF松木玖生は号泣。5連覇ならず。
　→　2019/08/27 　【中学サッカー】青森山田中の最近の全国大会での成績が凄すぎる。
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