【天皇杯:福井×新潟】 地元の県からJリーグ入りを目指すサウルコス (生観戦記) (上) の続き。
■ 福井県の名物というと海産物スタジアムまでの道のりは、海に近くて、九頭竜川という大きな川が流れている。景色自体は非常にいいので、タクシーではなくて、歩いてスタジアムに向かうのも悪くはないと思うが、4.4キロを歩くというのは現代人にとっては大変である。一気にスタジアムにたどり着くのは難しくて、「ちょっと休みたい。」という思いもあったので、道中にある「越前三国港 たけ庄」というお店に入った。
福井県の名物というと海産物である。一番、有名なのは「越前ガニ」だと思うが、カニのフルコース料理になると、1万円以上するのが当たり前なので、さすがに手を出すことはできない。無難に丼もので、「たけ庄丼 (海鮮丼)」を選んだが、値段は1,890円なので、庶民の昼食としては非常に豪華と言える。味としてはまずまずで、1,890円の価値はあったように思う。
#9 たけ庄丼 (海鮮丼)
#10 スタジアムまでの道中
■ 残念な作りのスタジアムそんなこんなで三国駅から2時間弱でスタジアムに着いたが、いくつかの会社があるだけで、周りは閑散としている。福井のサポーターも、新潟のサポーターも、ほとんどが車で来ていたと思われるが、駐車スペース自体はたくさんあるので、数千人レベルであれば何も問題は生じないだろう。自家用車以外の人は「例外」になるので、「蔑ろにされるのも仕方がない。」と思わざる得ない。
テクノポート福井に来るのは初めてだったが、特徴的なのは、(フットボール専用のスタジアムではあるが、)観客席からピッチまでの距離が遠いことである。「陸上トラックが隠れている。」というわけではないと思うので、なぜ、わざわざこういう作りになっているのかは謎である。ピッチから観客席までの距離が近ければ、もっと臨場感のあるスタジアムになるのに・・・と思うとちょっと残念である。
分類上は福井県・石川県・富山県の3つが「北陸」と呼ばれて、北陸3県に長野県と新潟県を加えた5つが「北信越」と言われる。なので、福井県と新潟県は同じ「北信越」となるが、端と端になるので、距離的にはかなり離れている。2015年に北陸新幹線が開通するので非常に便利になると思うが、2014年の今の時点では福井駅と新潟駅は特急電車を利用しても4時間はかかる。
#11 スタジアム入口
#12 ピッチからゴール裏までの距離
■ 両チームのスターティングメンバー試合はちょっと半端な時間と言える16時キックオフだったが、新潟は「4-2-2-2」。GK守田。DF松原、舞行龍ジェームズ、大井、大野。MF小林裕、小泉、成岡、田中亜。FW岡本英、鈴木武蔵。大黒柱のMFレオ・シルバは欠場で、高卒ルーキーの小泉がスタメンで起用された。FW川又はベンチスタートで、ドイツのホッフェンハイムに移籍したDF金珍洙の後釜にはDF大野が起用された。
一方の福井は「4-2-2-2」。GK伊藤。DF鈴木亮、井筒、亀井、近藤。MF内久保、梅井、畦地、坂井。FW秋田、岩崎。194センチの長身で横浜FMや草津でプレーしたMF梅井はキャプテンマークを巻いてボランチでプレーする。DF鈴木亮はJ2時代の山形に所属した経験がある。チームを率いるのは2009年は草津、2010年から2012年までJFLの長崎を指揮した佐野達監督である。
#13 ピッチ (メインスタンド側から)
#14 アルビレックス新潟のサポーター
■ 8対1でアウェーの新潟が圧勝試合は予想通りに新潟のペースで進んでいくが、なかなか先制ゴールが生まれない。福井の守備陣が非常に頑張っていたが、前半23分にMF田中亜のパスから裏に抜け出したFW鈴木武蔵がキーパーをかわしてから無人のゴールに流し込んで先制に成功すると、前半28分にはMF岡本英、前半32分にはFW鈴木武蔵、前半38分にはMF岡本英が決めて4対0とリードして折り返す。
後半も同様の流れになる。福井の極端に高い最終ラインの裏を突いた新潟は後半5分にFW鈴木武蔵が決めて5点目を挙げる。五輪代表としても期待されるFW鈴木武蔵は3ゴール1アシストの大活躍となった。しかし、後半16分に福井は2トップの一角でプレーするFW岩崎が個人技からシュートを決めて1点を返す。福井にとってはJ1クラブから奪った価値あるゴールとなった。
しかし、後半26分にMF成岡のミドルシュートが決まって新潟が6点目を挙げると、後半36分と後半48分に途中出場のFW田中達が決めて8対1とリードを広げる。結局、8対1というスコアで圧勝した新潟が3回戦に進んで、3回戦ではFC岐阜に3対1で勝利した長崎と対戦することになった。ここで勝ったチームは4回戦で柏と千葉という「千葉ダービー」の勝者と対戦することになる。
#15 ピッチ (バックスタンドから)
#16 コンコース
■ 反則クラスの活躍を見せたFW鈴木武蔵やはりというべきか、力の差は大きかった。福井は積極的なサッカーを見せて、最終ラインは非常に高かった。恐がらずに最終ラインを高くして、中盤をコンパクトにして戦ったが、スピードのあるFW鈴木武蔵に何度も裏を取られてしまった。中盤でプレスが掛かっていないわけではないが、J1のレベルになるとある程度のプレッシャーがかかっていても、精度の高いパスが出てくる。
4アシストのMF田中亜、途中出場で2ゴールを奪ったFW田中達の活躍も目立ったが、やはり、FW鈴木武蔵の活躍が目立った。スピードのあるFW鈴木武蔵にとっては高い福井のラインというのは格好の獲物となったが、1点目から5点目までは全てFW鈴木武蔵が絡んでおり、そのほとんどが彼の裏への飛び出しから生まれている。3ゴール1アシストと文句なしの活躍を見せた。
あまりに強烈なパフォーマンスを見せたので、前半32分に新潟が3点目を挙げたあたりから、福井のサポーター席は「この外国人選手は反則だ。」、「この人にボールが渡ったら駄目。」という雰囲気になって、彼にボールが渡りそうになるだけで悲鳴が上がるような状況になった。五輪代表のFW鈴木武蔵のことを知らなかったと思われる福井のサポーターにも強烈な印象を残した。
#17 福井側のゴール裏
#18 勝ちの種
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