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【親善試合：U-24日本×U-24スペイン】「力の差はあった。」と言えるが・・・。粘ってドロー。 | | |　

■　開幕まであと1週間

東京五輪の開幕まであと数日。本番ムードが高まってきたが7月17日(土)にノエビアスタジアムでU-24日本代表とU-24スペイン代表が対戦した。ユーロ2020に出場した選手をたくさん招集して本気モードのスペインは金メダル候補の筆頭に挙げられている。日本にとっては本番前の最後のテストマッチになるが絶好の相手と言える。C組のスペインは初戦はエジプト、2戦目は豪州、3戦目はアルゼンチンと対戦する。

日本は「4-2-3-1」。GK谷(湘南)。DF酒井宏(浦和)、DF吉田(サンプドリア)、DF冨安(ボローニャ)、DF旗手(川崎F)。MF遠藤航(シュツットガルト)、MF板倉(フローニンゲン)、MF堂安律(ビーレフェルト)、MF久保建(ヘタフェ)、MF相馬勇(名古屋)。FW林大地(鳥栖)。ACLのGLに出場していたMF相馬勇とDF旗手がスタメン出場。DF旗手は左SBで起用された。長身ボランチのMF板倉もスタメン出場となった。

ベンチスタートになったのはGK大迫(広島)、GK鈴木彩(浦和)、DF町田(鹿島)、DF瀬古(C大阪)、DF橋岡(シントトロイデン)、DF中山雄(ズヴォレ)、MF田中碧(川崎F)、MF山本理(東京V)、MF三好(アントワープ)、FW前田大(横浜FM)、FW上田(鹿島)の11人。コンディションが万全ではないMF三笘はベンチ外。バックアップメンバーの中ではボランチのMF山本理がベンチ入りを果たした。2001年生まれになる。

■　MF堂安律のゴールで先制するも・・・。

東京五輪の本番とは違って有観客の中で行われたが立ち上がりからスペインにボールを保持される展開になった。日本はなかなか攻撃を仕掛けることが出来ない。難しい展開になったが前半42分にMF久保建が左サイドをドリブルで突破して中央にグラウンダーのパスを入れると中に入ってきたMF堂安律が得意の左足でで豪快に決めて日本が先制に成功する。前半は1対0と日本がリードして折り返した。

1対0で迎えた後半開始から日本はGK大迫、DF橋岡、DF瀬古、MF町田、MF田中碧、MF三好、FW前田大の7人を投入する。試合前から予定されていた交代だと思うが後半も同じように難しい展開になった。GK大迫の活躍もあって何とかリードを保っていたが後半33分に日本の右サイドを崩されて失点。裏に走った選手に対応したのはMF三好だったが注意力が不足していて自由にプレーされてしまった。

追いつかれた日本は終了間際にゴール前の絶好の位置でFKを獲得すると途中出場したMF田中碧が蹴ったボールからゴール前のチャンスを作ったが決めることは出来なかった。試合は1対1の引き分けに終わった。大会前に予定されていたテストマッチがすべて終了した日本はいよいよ7月22日(木)にGLの初戦で南アフリカと戦うことになる。2戦目はメキシコ、3戦目はフランスと対戦するがまずはGL突破が目標になる。

■　「力の差はあった。」と言える。

今回のスペイン戦は「本当に日本代表がメダルを獲得できる可能性はあるのか？ないのか？」を図る絶好のチャンスだったが金メダル候補に挙げられるスペインを相手にドロー。当然のことながら悪くない結果である。90分を通して試合を支配されたが1失点のみ。ここ最近の代表戦では目立つシーンが少なかったGK谷とGK大迫はいずれも奮闘。1失点したもののGK大迫のプレーはまずまず良かったと言える。

ただ、試合後にMF堂安律がコメントしたとおりで「力の差はあった。」と言える。フル代表の選手が沢山いるので仕方がないところもあるがチャンスの数はスペインの方がはるかに多かった。日本が勝ち進んだ場合、準々決勝は韓国が入ったB組のいずれかと対戦するので「スペインと対戦するとしたら準決勝以降」になるが本大会になるとさらに本気度が増すはずのスペインから勝利するのは相当に難しいと言える。

これだけ日本がボールを持てない試合は珍しいがそういう状況になっても慌てることなく対応できたのは収穫に挙げられる。主力組が出場した前半のみならずサブ組主体の後半もある程度は守れていた。大会直前のこの時期に「この世代の中ではトップクラスのチーム」と真剣勝負が出来たのは日本にとって大きい話である。初戦の南アフリカ戦が最も重要な試合になるが日本の選手は余裕を持って戦うことが出来るだろう。

■　何とか間に合ったFW上田綺世

世界トップクラスを体感できたのは大きな収穫と言えるが結果も内容も大会直前の親善試合としては理想的である。「最後のテストマッチでぼろ負けして大会に挑むことは絶対に避けたかった。」というのは言うまでもないがいい内容で勝ってしまうのもそれはそれで問題である。大会直前に慢心する可能性が高まる。2006年のドイツW杯のときは大会直前のドイツ戦で健闘したことがマイナスに作用した。

たくさんの収穫を手にした有意義なテストマッチになったが先制ゴールは鮮やかだった。なかなかチャンスを作れない中、MF久保建とMF堂安律のコンビネーションから決定機を作ってネットを揺らした。MF堂安律はこれで4試合連発。「絶好調」と言っても過言ではないだろう。スペインのキーパーはユーロ2020でも守護神として目覚ましい活躍を見せたGKウナイ・シモンである。大きな自信になると思われる。

不安要素を挙げると後半開始から登場したFW前田大が攻撃的な良さを発揮できなかった点になる。サイドに回った後は守備面でも苦戦した。世界レベルのスピードを持っているが「この選手のスピードは脅威だ。」ということを相手に印象付けるプレーが出来なかった。1点を追うスペインは前掛かりになっていたので活用できるスペースはたくさんあった。こういう展開になったときは自分の良さを出してほしい。

ポジティブなニュースは怪我で離脱していたFW上田が途中出場した点になる。後半39分にMF三好のスルーパスから抜け出してキーパーと1対1に近い決定機を迎えた。「あわや勝ち越し」という惜しいシーンだったが「初戦に間に合うのか？否か？は微妙」と言われていたFW上田が25分ほどプレーできたのは良かった。初戦の南アフリカ戦はFW林大地の1トップになると思うがFW上田がサブに控えているのは心強い。

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