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【モンテディオ山形×水戸ホーリーホック】上位対決を制して首位浮上。FW阪野豊史が決勝ゴール。 | | |　

■　J2の第17節

J2の第17節。ともに9勝2敗6分けで勝ち点「33」。2位のモンテディオ山形と首位の水戸ホーリーホックがNDソフトスタジアム山形で対戦した。J2はもうすぐ折り返し地点を迎えるが前半戦の天王山と言える。山形は7試合負けなし中。順調に勝ち点を積み上げている。一方の水戸はここ5試合は2勝2敗1分け。一時と比べると勢いは落ちてきているが17節は攻撃陣が爆発。ホームで福岡に4対2で大勝している。

ホームの山形は「3-1-4-2」。GK櫛引。DF熊本、野田裕、松本怜。MF本田拓、坂元、中村駿、柳、山田拓。FW阪野、大槻周。これまでは「3-4-2-1」を採用するケースがほとんどだったがこの日はMF本田拓をアンカーの位置で起用。その前にMF坂元とMF中村駿が並ぶ形になった。守備の要であるDF栗山はベンチスタート。右WBのMF三鬼も4試合連続欠場。守備的なポジションの選手に怪我人が出ている。

対するアウェイの水戸は「4-2-2-2」。GK松井。DF岸田、伊藤槙、細川、志知。MF白井永、前寛之、茂木駿、浅野雄。FW黒川、村田航。ボランチのMF前寛之は出場停止明け。DF細川は4試合ぶりのスタメンとなった。DFンドカ・ボニフェイスとMF平野佑はベンチスタート。17節の福岡戦(H)で2ゴールを挙げた大卒ルーキーのMF浅野雄は2試合連続スタメンとなった。ここまでの15試合で3ゴールを挙げている。

■　首位攻防戦を制したモンテディオ山形

試合の序盤はどちらかというと水戸ペースで進んでいく。山形はいつもとは少し異なるシステムを採用したがあまりうまくはまらなかった。前半8分にはFW黒川の突破から右SBのDF岸田がシュートチャンスを迎えたがGK櫛引がしっかりとセーブした。さらに前半21分にはFW黒川のスルーパスからMF茂木駿が抜け出して左足でシュートを放ったが惜しくも枠外。水戸は絶好の先制のチャンスを逃した。

0対0で迎えた後半はホームの山形が押し込む展開になった。後半15分にはFW大槻周に代えてFWジェフェルソン・バイアーノを投入。昨シーズンは水戸でプレーして11ゴールを記録した大型ストライカーを投入すると後半21分に右WBのMF柳のクロスからFW阪野が右足で合わせて先制ゴールを奪った。FW阪野は今シーズン5ゴール目。前節は2ゴールを挙げているのでここ2試合で3ゴールと結果を残している。

終盤は水戸が猛攻を仕掛けた。192センチのFWジョーを投入して高さを生かした攻撃にシフトチェンジしたが山形の最終ラインがしっかりと対応して1対0で山形が逃げ切った。これで山形は8試合負けなし。首位に再浮上した。水戸は3位に転落。自動昇格圏から転落するのは8節以来なので久しぶりとなる。首位の山形は勝ち点「36」、2位に浮上した大宮は勝ち点「34」、3位の水戸は勝ち点「33」となる。

■　決勝ゴールを決めたのはFW阪野

首位攻防戦を制した山形は16節以来となる首位浮上となった。3位の水戸との差は「3」、4位の甲府ならびに5位の京都との差は「6」、7位の柏との差は「8」まで広がった。今節は山形と大宮以外の上位チームは軒並み勝ち点を取りこぼしたので山形が頭半分ほど抜け出す形になった。J2はあと3試合で折り返し地点を迎えることになるが当面の目標は「首位で折り返し地点を迎えること」になるだろう。

どちらも失点数の少ないチームなのでロースコアの試合になることは十分に予想できたが値千金の決勝ゴールを決めたのはFW阪野だった。今シーズンはFWジェフェルソン・バイアーノが加入したのでスタメンから外れる試合も増えているがここ一番で大きなゴールを奪った。サイドからのクロスに対してうまく入り込んでしっかりとミートした。簡単なシュートではなかったがきちんと枠に飛ばすことができた。

守備陣は怪我のDF栗山がベンチスタート。先日、G大阪から獲得したDF野田裕が2試合連続スタメンとなったが3バックの中央という難しいポジションを上手くこなした。決勝ゴールをアシストしたのは右WBのMF柳だったが大きな存在感を発揮していたMF三鬼の穴を埋める働きを見せている。FWジェフェルソン・バイアーノやFW大槻周も結果を出しているので新加入選手の頑張りが目立つシーズンになっている。

■　スタメン起用のMF浅野雄也は不発

注目の集まった首位攻防戦で敗れた水戸は3位転落となった。前半はどちらかというと水戸の方がチャンスを作ったが仕留めることは出来ず。決勝ゴールの場面はゴール前の人数は揃っていたが相手のクロスとシュートの質が高くて開幕から神がかり的な活躍を続けているGK松井でもどうすることも出来なかった。失点シーンについては「相手のクオリティの高さを褒めるしかない。」というプレーになった。

水戸は開幕から12試合負けなしと突っ走ったが初黒星を喫した13節以降の6試合は2勝3敗1分けと低調。初のJ1昇格に向けて最初の正念場を迎えている。この日はMF前寛之やDF細川などがスタメンに復帰。17節の福岡戦(H)で2ゴールを挙げた大卒ルーキーのMF浅野雄に期待が集まったがほとんど見せ場を作れなかった。「スピードを生かせるようなスペースがないときにどうするのか？」が目下の課題と言える。

この点は兄であるFW浅野拓にも同じことが言える。「カウンターを繰り出す機会が多い試合」や「途中出場して自分だけが元気なとき」は持ち味を発揮しやすいと思うが堅い試合でスタメン起用されたときに消えてしまうと「スーパーサブとして起用するのがベター」と判断されてプレー時間が少なくなってしまう。10番のMF木村祐が離脱しているので「スタメンでも十分にやれる。」というところを示したい。