■ 「副審を責めることができるか?」オフサイドだったことはMF宮阪がクロスを上げる瞬間の静止画を見ると一目瞭然である。なので、「副審のジャッジが正しかったのか?」というと『No』である。ただ、その一方で、「副審を責めることができるか?」というと、それも『No』である。スロー再生ではなくて、普通に再生して映像を確認した場合は、「蹴った瞬間のMF山崎雅がオフサイドポジションだったのか、否か。」を判断するのはほぼ無理である。
当然のことながら、副審は「瞬時にオフサイドか、否か」を判断しなければならない。「オフサイドポジションにいるMF山崎雅が後ろに戻って来て、この後にヘディングシュートで決める。」ということが予め分かっているわけでもないし、何度でも繰り返して再生してそのシーンを確認できるわけでもないし、一時停止やスロー再生を使って選手たちの位置関係を気が済むまで確認できるわけではない。
もちろん、主審や副審は技術力アップに努めなければならないが、人間である以上は限界がある。映像や写真で見るとはっきりと分かることであっても、わずか3/30秒の出来事を全くミスするなくジャッジすることが可能なのかというと無理だと思う。この判定で不利を被った千葉には気の毒に思うが、千葉の選手も「絶対にオフサイドだった。」という確証はなかったはずで、受け入れるしかない。
■ どうやったら「誤審騒動」を減らすことができるか?オフサイドか、否かについては本当に微妙なシーンもあるので、「判別は不可能」というケースも稀にあるが、多くの場合、「オフサイドだったのか、否か。」については真横からの映像やスローVTRや写真などで容易に確認することができる。そのため、「このときの副審のジャッジが正しかったのか、否か。」についてもはっきりと判別することができるが、その精度を副審に求めるのは酷である。
もちろん、カウンターの場面などプレーに絡んでいる選手が3・4人程度で、副審が確認しなければならないポイントが限られるようなシーンでは「100%」を期待したいが、セットプレーなどで多くの選手がゴール前に入り乱れるシーンになるとなかなか難しい。副審がチェックしなければならない箇所が多くなるので、全ての選手の位置や動きを把握しつつ、「100%」のジャッジを下すのは不可能である。
Jリーグで「誤審騒動」が起こった場合、主審や副審の技術力不足を責める声が上がって来るが、『それって、そもそも誤審なのか?』と感じるケースが多い。今回も同様で、もちろん、単純に技術力不足によって生じる誤審もあるが、「人間の能力的な限界」が原因で起こるミスジャッジの割合が高くて、こういったものはいくら主審や副審が技術力をアップさせようとトレーニングを重ねたとしてもなくならない。
今後、Jリーグの上層部が「誤審騒動」を減らそうと思うのであれば、「このジャッジミスが起こった原因はどこにあるのか?」をきちんと説明して、ルールや解釈などを多くの人に知って貰える努力をするのが一番だと思う。それによって、それまでは「誤審だ。」と一方的に思い込んで、「主審や副審がミスをした。」、「下手くそだ。」とヒステリックに糾弾していた人もちょっと考え方を改めてくれるかもしれない。
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