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【山形×栃木SC】誰がMF坂元達裕(セレッソ大阪)の穴を埋めるか？最有力候補はMF渡邊凌磨。 | | |　

■　6月27日(土)に再開

約4か月ほど中断していたJ2がついに再開した。週末に全11試合が行われたがNDソフトスタジアム山形ではモンテディオ山形と栃木SCが対戦した。2019年はプレーオフの2回戦で徳島に敗れて「J1復帰」を逃した山形は木山監督がチームを離れて石丸監督が就任した。木山監督と石丸監督はともに愛媛FCを率いた経験がある。「奇跡の逆転残留」を果たした栃木SCは田坂監督が就任して2年目となる。

ホームの山形は「3-4-2-1」。GK櫛引。DF熊本、栗山、松本怜。MF本田拓、中村駿、末吉塁、山田拓、渡辺凌、山岸祐。FW大槻周。オフの選手の入れ替えが最小限にとどまったので基本的なメンバーは変わっておらず、システムも同じ「3-4-2-1」を採用しているがC大阪に個人昇格を果たしたMF坂元が抜けたシャドーにはMF渡辺凌が起用された。さらに右WBには大卒2年目となるMF末吉塁が抜擢された。

対するアウェイの栃木SCは「4-2-2-2」。GK塩田。DF溝渕、柳育崇、高杉、瀬川和。MF岩間、佐藤祥、明本、大崎淳。FWエスクデロ競飛王、矢野貴。開幕戦では鹿島からの期限付き移籍となる19歳のFW有馬幸太郎がスタメンで起用されたがこの日は京都から加入したFWエスクデロ競飛王がスタメン出場。元・日本代表のFW矢野貴と2トップを組む。大卒ルーキーのMF明本は2試合連続でスタメン出場となった。

■　初勝利を挙げたのはモンテディオ山形

試合の序盤はどちらかというとアウェイの栃木SCが優勢だったが前半18分に相手のクリアボールをうまく胸でコントロールした新加入のMF渡辺凌が豪快なハーフボレーを決めてホームの山形が先制に成功する。磐田との開幕戦は0対2で敗れた山形にとっては「今シーズンの初ゴール」となった。オフに新潟から加入したMF渡辺凌は2試合目でさっそく結果を残した。前半は1対0と山形がリードして折り返した。

1点を追う栃木SCは後半17分にMF大崎淳とFWエスクデロ競飛王を下げてMF森俊貴とFW韓勇太を投入する。高さのあるFW韓勇太を投入するとセットプレーの機会をたくさん獲得するようになった。サイド攻撃がまずまず機能した栃木SCは試合を通して何と13回もCKのチャンスを獲得しているがなかなかセットプレーの時に味方に合わせることが出来ない。DF栗山を中心とした山形の粘り強い守備も光った。

1点リードで終盤を迎えた山形はFWヴィニシウス・アラウージョ、MF南、MF加藤大などを投入。攻撃的な選手を次々に投入して逃げ切りに成功した。1対0で勝利した山形は今シーズン初勝利。1勝1敗となった。敗れた栃木SCは2試合連続で0対1の敗戦となった。2連敗スタートとなったのは栃木SC・北九州・群馬の3チームのみ。2試合を終えてゴールを奪えていないのは栃木SCと金沢の2チームのみとなった。

■　決勝ゴールを挙げたのはMF渡辺凌磨

石丸監督が愛媛FCを率いたのは2013年と2014年で、木山監督が愛媛FCを率いたのは2015年と2016年になる。2013年が17位、2014年が19位、2015年が5位、2016年が10位だったので、やはり、プレーオフ初出場を果たした木山体制の1年目の2015年の5位が際立つ。今回は逆に木山監督の後任として石丸監督が就任したが(木山監督と比べると)石丸監督は攻撃的なサッカーを志向するタイプの監督になる。

「観ていて面白いサッカー」になる可能性は高いが右WBに大卒2年目のMF末吉塁を起用したのが面白いかった。大阪体育大出身になるが2019年はJ2で1試合の出場のみ。怪我の影響もあって不本意な1年になったがJリーグ初スタメンで存在感を発揮した。クイックネスがあってドリブルで仕掛けられる選手なのでこの日の山形は右サイドから仕掛けるケースが多かった。クロスの精度が低かったのは残念だった。

「MF坂元の穴をどう埋めるのか？」が今シーズンの山形のテーマになるが期待の集まるMF渡辺凌が結果を残した。見事なコントロールから豪快にネットを揺らしたがゴラッソだった。前橋育英高の頃から「シュートの上手な選手」だったがスター性もある。MF坂元の存在をサポーターに忘れさせるほどの活躍が期待される。MF中村充、MF南、MF加藤大などもいるので1.5列目や2列目の層はかなり厚くなった。

スタメン11人の中で新加入選手はMF渡辺凌のみだった。選手の入れ替えが激しいJ2のクラブでここまで入れ替えが少ないチームというのは珍しい。監督は変わっているのでサッカー自体は少し変化すると思うがベースがしっかりと築けているのは今シーズンの山形の強みになるだろう。「メンバーがあまり変わっていない。」というのは山形のアドバンテージなので序盤戦で勝ち点を積み上げたいところである。

　→　2020/02/18 　【Jリーグ】 MF坂元達裕(モンテディオ山形→セレッソ大阪)がなかなかエグい。

■　2試合連続で0対1の敗戦・・・。

栃木SCは連敗スタートになった。シュート数は山形が8本で、栃木SCは7本。開幕戦と同様で内容的にはほぼ互角の展開になったがゴールは遠かった。先のとおり、セットプレーのチャンスはたくさん作れたがプレイスキックの精度はあまり高くなかった。FW矢野貴、DF柳育崇、FW韓勇太など空中戦に強い選手は何人もいるのでセットプレーは武器にしたい。右足の優秀なプレイスキッカーが欲しいところである。

次の3節がホームの東京V戦(H)になる。無観客試合ではあるがホーム開幕戦になる。流れを変えたいところである。この日のスタメン11人の平均年齢は30.36歳だったが「これは相当に高い数字」と言える。GK塩田、DF高杉、FW矢野貴が35歳を超えているが、25歳未満の選手は大卒ルーキーのMF明本のみ。20代前半の選手がたくさん台頭してこないと今シーズンも下位グループに巻き込まれる可能性は高い。

期待が集まるのは大卒ルーキーのMF明本とMF森俊貴の2人になる。どちらも大卒1年目になるが栃木SCの下部組織で育った生え抜きになる。ともにユースから大学に進学して栃木SCに戻ってきたが「下部組織出身の選手」がトップチームの主力に定着するようだとクラブは活気づく。特にMF明本はいきなり「8番」を託されているのでクラブの期待は大きい。右SHで起用されているが早い段階で結果を残したい。

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