栃木SC→ オフに守備的なポジションの主力だったGK竹重、DFパウロン、DF服部康などが流出した栃木SCは田坂監督を招聘。新しいスタートを切った。主力の流出が目立つオフになったので「最下位候補の筆頭」という立ち位置だったが16節を終えた時点では3勝6敗7分けで勝ち点「16」。21位の鹿児島との差は「2」なので残留争いに巻き込まれているが17位という順位は前評判の低さを考えると決して悪くないと言える。
16試合で14得点/20失点になる。奮闘しているのは不安視されていた守備陣になる。元韓国代表のGKユ・ヒョンは開幕からスーパーセーブを連発。目覚ましい活躍を続けている。彼のビッグセーブに助けられるシーンはたくさんある。「J2のキーパーの中で最も目立っているキーパーの1人」に挙げられる。Jリーグで実績のあるキーパーが誰もいない状況だったが34才のGKユ・ヒョンがチームの救世主になった。
徳島から加入したDF藤原広は守備の要として奮闘中。C大阪からの期限付き移籍となるDF森下怜はJ2初挑戦になるがCBの主力として活躍中。正確なフィードでも貢献している。ここに来てDF田代がスタメンで起用されるケースも多くなっているが全体的に高さのある選手が少ないチームなので185センチの高さは大きな武器となる。主力が大量に流出した中、16試合で20失点というのは十分な成績と言えるだろう。
「守備陣は予想以上に頑張っている。」と言えるが攻撃陣は「期待以下」と言える。元日本代表で39才になったFW大黒が5ゴールを挙げており、10番を背負っているMF西谷和が3ゴールを挙げているが、複数ゴールを記録しているのはこの2人のみ。ここ最近はMF浜下がシャドーの位置で起用されるケースが多くなっているが厚みのある攻撃が出来ない。得点力不足ならびに攻撃力不足は深刻なレベルである。
攻撃に関する各種のスタッツは軒並み低調。パス数は21位、シュート数は22位、枠内シュート数も22位となる。また、30mライン進入回数やペナルティエリア進入回数も22位。ボール支配率はわずか41.9%になる。何とか守備陣が踏ん張って勝ち点を積み上げているが防戦一方の展開になることも少なくない。このままだと残留争いから抜け出すのは難しいだろう。夏の補強で戦力をアップさせたい。
田坂監督は大分と清水と福島で指揮を執った経験を持っているが大分時代ならびに福島時代はパスをつなぐサッカーを志向した監督である。「なかなかボールが回らないこと」、「簡単にボールを失うケースが多いこと」にストレスを感じているだろう。ここ最近は引き分けが多くなっており、粘り強いサッカーは出来るようになってきたが、安定して勝ち点を積み上げるためにはボール支配率を高めないといけない。
補強ポイントとしては「ゲームをコントロールできるボランチ」になる。ベテランのMF寺田が今シーズンは怪我がなくプレーしており、14試合に出場しているが、彼にかかる負担が大きくなっている。「MF寺田の相方としてパスをつなげる選手」もしくは「MF寺田よりも守備の部分で貢献できるゲームメーカー系のボランチ」を獲得できるとボールを保持して攻め込む時間帯をより多く作れるようになるだろう。
先のとおり、シュート数がJ2最少となるが、FW大黒、MF西谷和、MF浜下などは力のある選手である。なかなかシュートまで持ち込めない理由は「前目のポジションの選手の力不足」ではなくて「前目のポジションの選手にいいボールを供給できていないこと」が最大の理由と考えられるので真っ先に補強すべきはボランチのところになる。ボランチからいいボールが出てくれば仕事の出来る選手は何人もいる。
フォワードはFW大黒にかかる負担が大きかったが5月中旬に韓国人のFWイ・レジュンを獲得。192センチとサイズのある選手なのでFW大黒とは全く違ったタイプのストライカーになる。J2で2試合に出場してまだゴールを奪えていないが特徴を持った選手を獲得できたのは良かった。彼が使えるようであればフォワードのさらなる補強は必要ないだろう。難しいようであれば夏にフォワードの補強に動く必要がある。
最終ラインはDF藤原広とDF森下怜が奮闘中。DF田代もいるので「今夏の最優先補強ポイント」とは言えないだろう。場合によってはMF岩間やMFヘニキを最終ラインで起用できることを考えると「CBは現有戦力のままで乗り切ろうとするのがベター」と言える。今シーズンのJ2の残留争いは大混戦になっており、現状の力を考えると栃木SCが残留争いから抜け出す可能性は低いが粘り強く勝ち点を積み上げていきたい。
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