しゅうへい:「イラク戦は終了間際の岡崎のゴールで1対0で勝利しました。23:30キックオフという日本のサッカーファンにはキツイ時間帯での試合となりましたが、どのように感じましたか?」
じじ:「イラクは『負けるとアウト』という大事な試合でしたが、日本にとっては消化試合でした。『ここでアピールしたい。』と考えている選手は何人かいましたが、観る側もこういう試合の評価は難しいですね。すぐにブラジル戦が待っているので、セーブしながらプレーしていた選手も何人かいたように感じます。」
しゅうへい:「昔は日本代表の試合で力をセーブするようなことは無かったと思うのですが、最近は、より大事な試合にエネルギーをつぎ込むために、親善試合や消化試合では、力をセーブすることも当たり前になってきました。」
じじ:「欧州の大きなクラブは、試合数が多いので、全ての試合に全力を尽くすことは難しいです。なので、自然とそうなってしまいます。観ている側は『常に全力プレー』を期待するかもしれませんが、仕方がないことです。」
しゅうへい:「イラク戦は消化試合になってしまいましたが、お隣の韓国は、生きるか、死ぬかの戦いを続けています。ウズベキスタンに勝利したことで、『突破はほぼ確実』と言えるところまで来ましたが、ギリギリの戦いができることはうらやましく感じませんか?」
じじ:「結局、今回の予選も余裕を持った状態で日本代表は突破を決めたので、『負けたらアウト』という試合はありませんでした。考えてみると、W杯予選でそういうシチュエーションになったことは、しばらくありませんね。」
しゅうへい:「韓国とウズベキスタンの試合もBS1で放送されていたので、視聴した人は多かったと思いますが、韓国代表は凄いですね。」
じじ:「ある意味凄いです。前の監督(=チョ・ガンレ監督)のときは、洗練されたモダンなフットボールを見せていましたが、結果が出ませんでした。その後、監督が交代となって、昔ながらのサッカーに戻っています。トップに背の高い選手を置いて、サイドに突破力のある選手を置いて、『ひたすらハイボール』というサッカーです。」
しゅうへい:「1990年代を思い出しました。完全に退化してしますね・・・。懐かしさを津感じた人は多かったと思います。」
じじ:「196センチの選手がハイボールはほとんど競り勝つので、チャンスは作れていますが、『あれでいいのか・・・。』というのは、傍から見ていても感じます。今の監督はアジア予選の後に監督を退くことになっているので、先のことを考える必要はないのかもしれませんが・・・。」
しゅうへい:「日本代表も『今のサッカーで本大会で通用するのか?』という議論がなされる機会が増えてきましたが、今の韓国代表のサッカーは完全にアジア仕様のサッカーですね。W杯の出場権を獲得できたとしても、後を引き継ぐ監督は大変です。ロンドン五輪は銅メダルを獲得しているので、タレントがいないわけではないと思いますが・・・。」
じじ:「韓国は中堅層(北京世代)がさっぱりです。日本は北京世代が中核を担っているので、好対照といえます。ロンドン五輪で活躍した選手たちは、フル代表で活躍していた選手が多いので、下からの突き上げも期待できません。本大会では厳しいと思います。」
しゅうへい:「さて、イラク戦ですが、前半から日本も決定機を作りましたが、イラクにも決定機がありました。寸でのところで守ったシーンもいくつかありました。」
じじ:「前半は風が強くてイラクは風をうまく利用したと思います。ただ、後半は風が弱まったのか、日本が風を生かして攻め込む場面はほとんどありませんでした。」
しゅうへい:「そうですね。」
じじ:「前半は日本のSBの位置がかなり高かったので、今野と伊野波のCBコンビが2人だけ残っているような感じで、2対2になりかけたシーンが何度かありました。」
しゅうへい:「結構、危なかったですね。」
じじ:「やられていてもおかしくないシーンはありました。ただ、2人とも1対1には強いので、うまくシュートブロックなどでピンチを防いでくれました。」
しゅうへい:「ブルガリア戦、オーストラリア戦、イラク戦と、今野の活躍が目立ちましたね。」
じじ:「イラク戦も凄かったですね。危ういところもありますが、積極的な守備ができていて、『行ける。』と思った時は、ガツッとチャージして、高確率でマイボールにできています。」
しゅうへい:「今シーズン、G大阪ではボランチで起用されることもあります。それがプラスに働いているのでしょうか?」
じじ:「そうかもしれませんね。パートナーの伊野波も悪くなかったと思います。」
しゅうへい:「ボランチコンビはどうでしょうか?長谷部が出場停止で細貝が起用されましたが・・・。」
じじ:「細貝はあまり良くなかったと思います。下手な選手ではありませんが、日本代表の中に入ると、足元の技術は低い方になるので、彼のところにボールが渡ると、流れが途切れてしまうこともありました。」
しゅうへい:「私は『長谷部の穴は大きいな。』と感じました。」
じじ:「同感です。イラク戦では5人の選手がスタメンのチャンスを得ましたが、細貝はアピールできませんでした。遠藤も良くなかったです。これだけミスの多い遠藤を見るのは久しぶりです。コンディションの問題なのか、最悪に近い出来だったと思います。」
しゅうへい:「アシストはしましたが、これほどイージーミスが多い遠藤というのは、珍しいですね。キャプテンマークのプレッシャーなんでしょうか・・・。」
じじ:「分かりません。グラウンド状態も良くなかったと思いますが、『遠藤でもこういう試合があるのか・・・。』と思うほど、良くなかったと思います。」
しゅうへい:「フォワード陣はどうでしょうか?マイクが先発で、後半途中から前田に代わりましたが・・・。」
じじ:「前田は途中出場で何かできるタイプとは言えません。一方のマイクも、先発では厳しいように感じました。2人とも代表に生き残るためにはコンフェデで猛アピールする必要があります。」
しゅうへい:「マイクの高さは武器になると思いますか?私は『違う選手を試してほしい。』と思っています。」
じじ:「相手の立場に立ってみると、194センチの選手がいると、警戒せざる得ないので、使い方次第では有効なカードになると思います。後半途中に大きい選手が入ってくると注意がそちらに向くので、相手の警戒を引き付けることはできると思います。」
しゅうへい:「ボールがなかなかおさまらないのが不満です。」
じじ:「これでも昔と比べると巧くなっています。26歳になったばかりですが、キャリアのピークはまだまだ先だと思います。ポストワークはもう少し巧くなると思います。」
しゅうへい:「そうですか・・・。フィテッセでは結果を出しているので、期待はせずに見守ることにします。」
じじ:「では、1トップは誰がベターだと思いますか?」
しゅうへい:「浦和の興梠はどうでしょうか?ペトロヴィッチ監督のサッカーにもすぐにフィットしました。移籍後のゴール数はちょっと寂しいですが、もともと得点力もあります。」
じじ:「面白いと思います。ポストワークはもちろんですが、世界と戦うためには、スピードも必要になってきます。アジア最終予選では、カウンターの機会は少なかったですが、トップに興梠のような選手がいると、カウンターも武器になりますね。」
しゅうへい:「その他にも、何人かの候補を挙げることができますが、どうやら時間のようです。続きはまたの機会にしましょう。」
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