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■　鳥栖のスポンサーを務めてきたサイゲームス

2015年の夏から約3年半に渡って鳥栖のスポンサーを務めてきたサイゲームスが2019年の1月末を持って鳥栖とのスポンサー契約を終了することが正式に発表された。サイゲームスは「サイバーエージェントグループのモバイル向けゲームアプリおよび家庭用ゲームソフト開発事業を主とする企業」になるがサイバーエージェントはJ2の町田の経営権を獲得しているのでそちらに本腰を入れることになるだろう。

「年間で5億円以上の大型契約を結んでいた。」と言われているので鳥栖にとっては大打撃となる。ここ数年、鳥栖はGK権田やFW金崎やMF小野裕やFWフェルナンド・トーレスを獲得しており豊富な資金力を生かして有力選手を獲得するケースが多かったがサイゲームスの撤退によって方針転換を強いられるのは確実と言える。J1に昇格して早くも9年目のシーズンになるが「試練の時期を迎えた。」と言える。

サイゲームスの撤退については昨秋に「サイバーエージェントが町田の経営権を獲得するらしい。」という話が浮上した時からメディアで報じられていたので規定路線と言えたが去就が注目されていたFWフェルナンド・トーレスの残留は確定。今シーズンも鳥栖でプレーすることになった。一方で左SBのDF吉田豊はJ1の名古屋への移籍が確定。さらにはクラブの期待の星だったFW田川の移籍も確実視されている。

■　DF吉田豊の流出もノーダメージではないが・・・。

「J1屈指の左SBだったDF吉田豊の流出」もダメージがないわけではないが左SBはDF三丸がいてDF安在もいる。もちろん、守備力ではDF吉田豊の方がはるかに上となるが攻撃力ではDF三丸やDF安在の方がかなり上になる。カレーラス監督が就任して攻撃的なサッカーにシフトチェンジする可能性が高まっていることや名古屋が移籍金を払うと報じられていることを考えると「致命的な流出」とは言えないだろう。

昨シーズンのDF吉田豊は怪我もあって本来のプレーができなかった。終盤戦になるとDF三丸が優先される試合もいくつかあったことを考えると「DF吉田豊の穴は十分に埋まるだろう。」と言えるが、FW田川の流出はいろいろな意味で痛手である。ユース出身で今シーズンが3年目になるが昨秋にはU-19アジア選手権を経験しており、U-20日本代表のエース格となる選手である。スター性の高さも魅力だった。

鳥栖の下部組織出身の選手でJリーグで活躍している選手はまだほとんどいないが育成年代の鳥栖U-15や鳥栖U-18はいい選手をたくさん輩出するようになってきた。昨秋のU-16アジア選手権の優勝メンバーであるDF中野伸(鳥栖U-15)も大きな期待を受けているが「ユース出身の先輩のFW田川がトップチームで存在感を発揮している。」というのは鳥栖U-15や鳥栖U-18の選手には大きな刺激になっていただろう。

■　取り返しがつかない流出

今オフもJリーグはあっと驚くような移籍が何件もあった。MF山口蛍(C大阪→神戸)やMF奥埜(仙台→C大阪)やMF米本(FC東京→名古屋)やFW都倉(札幌→C大阪)など「この選手は移籍しないだろう。」と思われていた選手が移籍を決断する例がいくつも発生したがFW田川(鳥栖→FC東京)の移籍が実現するのであれば今オフの中でも1番の『絶対に他クラブに出したらダメな選手が完全移籍を決断した例』になる。

U-18日本代表のFW石井快のトップ昇格は決まっているが、FW田川ほどのポテンシャルを持ったフォワードもしくはアタッカーはなかなか出てこない。順調に育ったとしたら五輪代表やフル代表のエースストライカーにもなれるだけの特大のポテンシャルを持った選手である。鳥栖U-18時代から大きな期待を受けてきた年代別の日本代表がプロ入り後にわずか2年で流出してしまうというのはショックが多い。

鳥栖はフォワードの層が厚いので「今オフ、出場機会を求めてFW田川が期限付き移籍を選択することは十分にあり得る。」と思っていたが、完全移籍で、しかも、J1のクラブに移籍するところは想像できなかった。FW金崎の去就ははっきりしないが、FWフェルナンド・トーレス、FWイバルボ、FWチョ・ドンゴン、FW豊田というフォワード陣の中で「一番、出してはいけない選手」と言えたのがFW田川だった。

もちろん、今シーズン、鳥栖に残ったとしてもFW田川が百戦錬磨のライバルたちを差し置いてたくさんの出場機会を得ることは考えにくかったがユース出身で生え抜きの選手がチームの顔として君臨しているか？否か？でチーム全体の印象や魅力度は大きく変わってくる。FW田川クラスのポテンシャルとスター性を持った選手は鳥栖の下部組織からはなかなか出てこない。「取り返しがつかない流出」だと考える。

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