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羽幌町羽幌砿

羽幌町羽幌砿(平成23年10月20日・平成25年6月9日・平成27年3月26日探訪)

羽幌町羽幌砿は築別炭砿、上羽幌と並んで炭鉱街を築いていた。

羽幌砿の開拓は築別炭砿と同様、築別御料に属し、明治35年より開拓が始まった。

大正2年 築別川本流奥地の新区画(後の鉄橋から金子町付近まで)の測設が行なわれ、大正3年より20数戸が入植したが離農者が出て、大正9年頃は17戸になっていた。

本格的な開発は昭和に入ってからであった。

「築別炭砿」でも取り上げたように、昭和6年 神戸の鈴木商店から、ここの鉱区を譲渡された太陽産業株式会社は調査・開発を進めた。(詳細は「築別炭砿」の項を参照)

築別炭砿地区の開発が進められていったが、戦時中の資材・労働力不足により戦後、昭和25年頃までは低迷期が続いていた。

低迷期の中、昭和23年より羽幌砿区の開発が始まった。
この時、本坑である羽幌砿区と二坑を合併し、羽幌鉱業所が置かれた。
これにより築別・羽幌両鉱業所による生産が確立した。

羽幌砿区は三毛別川の両岸に集落が形成された。

このうち中心街は睦町から稲穂町で、役場支所・郵便局・駐在所・公民館・保育所・消防団・会館・映画館・診療所・社員クラブ・砿友クラブ・生協・大五百貨店が集中していた。
また、旭町(旭丘)には羽幌鉱業所・旭ヶ丘小中学校・羽幌綜合建設(株)があった。

学校は昭和26年2月1日 羽幌町立曙小学校分教場として開校し、この年の12月1日 羽幌町立旭ヶ丘小学校として独立した。

羽幌炭砿の本砿として従業員の子弟が急増し、昭和28年4月には6学級編成になった。
昭和33年1月16日 中学校が新設され、小中併置校となった。

だが、6年後の昭和39年5月24日 原因不明の火災により中学校が焼失してしまった。

この年の9月30日 旭ヶ丘中学校は曙中学校と統合し、新築された統合学校である北辰中学校に移転、分離した。

しかし、炭鉱の閉山により児童の流出が著しく、昭和45年5月時点で13学級463名の児童がいたが、昭和46年5月 3学級47名にまで激減していた。

旭ヶ丘小学校は昭和46年5月31日 閉校した。

一方、統合先の北辰中学校も閉山の影響を受け、昭和45年度当初 8学級272名の生徒数がいたが、昭和46年4月には3学級 34名にまで激減した。

昭和46年5月10日 羽幌砿にあった三毛別地区からの通学生徒がいなくなったため、この年に廃校となった羽幌太陽高等学校校舎(後の曙小学校校舎)に移転した。

移転後の昭和48年4月 2学級編成 各学年3,4名という小規模校へとなってしまう。

昭和50年3月31日 羽幌中学校との統合により閉校となった。

一方、集落も炭鉱閉山により無人集落となってしまった。

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羽幌町曙より、炭鉱で栄えた羽幌砿へ行く途中に北辰中学校校舎はある。

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校門が片方、現存していた。

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校舎は朽ちつつもどうにか、残されている。

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教室は既に取り払われていた。

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しかし、2階へ上がると往時の面影が残されていた。

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卒業生の残した書き込み。

これ以外にも、「あの頃にタイムスリップしました」「なつかしい。校舎がだんだん草におおわれてく!」「思い出を大切にしていきます」等の卒業生の書き込みがあった。

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北辰中学校を後にして、羽幌炭鉱の立坑櫓が見えた。

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立坑櫓から程近いところに旭ヶ丘小学校はあった。
学校はこの先、左手にあった。

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外壁だけとなった炭住が残る。

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旭ヶ丘小学校の跡地は、ここの炭住の裏手にあったようだ。
探訪当時、生憎見つけることが出来なかった。

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かつての建物の基礎が随所に残る。

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これは「健保会館」と呼ばれていた建物の門である。

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その健保会館前には、住宅の煙突が倒れていた。

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傍には浴槽も残っている。

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所々に便槽があるので、足元には注意が必要である。

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羽幌炭鉱立坑櫓の屋上より。
炭鉱街を築き上げた羽幌炭鉱は、開発前の原野に戻ってしまった。

尚、現在は羽幌町の観光案内の一つとして取り上げられ、主要な箇所に案内板が立てられている。

これから紹介するのは、平成27年3月26日に再訪したときのものである。
前回は旭ヶ丘小学校を見つけることができなかったが、今回は航空写真や地形図、そしてSNSを通して知り合った知人と再訪した。

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道道はゲートで閉じられているので、ゲートの先から歩いて探訪した。
早春の羽幌炭鉱堅坑櫓が見えてきた。

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ガソリンスタンドも雪に埋もれていたが、原形を保っている。

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旧道がはっきりと分かる。
知人はかんじきを装着したが、私はツボ足で進む。

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建物の基礎は見ることができないが、人々が暮らしていた痕跡は鮮明に見ることができる。

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前回の調査は、ここで引き返した。
ピンクの外壁の炭鉱住宅の裏が、旭ヶ丘小学校跡地である。

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炭鉱住宅の裏へ廻って見る。
足が冷たくなりつつあるが先に進み、斜面を登る。

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斜面を登ると、右手に基礎が見えた。

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正面を見れば、校舎の基礎や煙突が姿を現した。
旭ヶ丘小学校の校舎跡地である。

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奥には、インターネットの画像検索で見た基礎が残されている。

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間近で見ると、正面玄関ではなさそうだが校舎の一部であることに変わりはない。

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煙突がそのまま残されている。
校舎からは、羽幌炭鉱堅坑櫓を見ることができる。

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正面に見えたこれは校門なのだろうか?

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グラウンドは潅木が生い茂っていた。

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校舎跡地より炭鉱住宅街を見下ろす。

すっかり自然に還ってしまったが、人々が暮らしていた営みを必死に伝えているように思えた。
今回の調査に際し、快く協力してくださった知人に感謝申し上げます。

コメントの投稿

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No title

きましたね。羽幌シリーズ最終章!

ここは残念でしたね。くまなく探しましたが跡地にたどり着くことができなかったので何とか再訪したいですよね。

ナルセさんが学校は炭住の裏にあったという情報をゲットしてくれてさらに例のブログで玄関跡が残っているとのようなので、次回は比較的すぐに見つかるかもですね♡

見つけたら記念にここでもバーベーキューやっちゃいますか!(^^)!

ナルセさんとA.Dさんともふんちゃんは塩ホルモン派のようですがボクは塩カルビで♪

あなたのラオウより♡

No title

>ラオウさま
コメント有難うございます。この時は見つけることが出来ず残念でしたが、来春、もし都合がついたら再訪してみたいものです。
羽幌炭鉱立坑櫓も一見の価値がありますが、此処も取り上げてしまうと収拾がつかなくなるので、今回は見送りました。
廃校跡地の焼肉、いつかできればいいですね。

便槽には落ちたくないもふんです(๑• ω •๑)ここでバーベキューしたいです♪あたし塩カルビも食べたいです٩( 'ω' )و野菜は玉ねぎがいいです♪

あなたのラオウさんのもふんより♡

No title

こんばんは。初コメントです。

最近は道北シリーズが多くて嬉しいです。

hopisukeも2年前に羽幌炭鉱を訪れました。
旭ヶ丘小学校を見つけることができなかったようですが、ちゃんとした道はありませんが、8枚目に写っている脇道を少し上がり、その道からみて右側の草薮をかきわけていくと、校舎の基礎と玄関の部分とプールが確認できます。

羽幌炭鉱に訪れる時期は5月頃がおすすめです。
草も邪魔になりませんし、雪の上を歩いてどこへでもいけます。

この記事を見るとついもう一度行きたくなってしまいますσ(^◇^;)

No title

>もふんさま
コメント有難うございます。便槽は草むらに隠れているので気をつけたいものです。
羽幌炭鉱の立坑櫓も、実物をご覧いただくと圧倒されますよ。

>hopisukeさま
コメント有難うございます。
校舎の基礎や玄関、プール跡は最近になって知りました。あの時知っていれば良かったのですが、仕方ありません。
ちょうどゴールデンウィークの頃は、探索にもってこいの時期ですね。来春にでももし、行けたら行ってみたいものです。

涙が出て来ました

今晩は
とても懐かしく拝見致しました。私の父は採用(炭鉱で働く人達を募集)の仕事をしておりました。私は学校が大好きで、今でも旭ヶ丘小学校の校歌が頭に浮かびます。そして小学校、街の風景も鮮明に覚えております。元気なうちにもう一度あの場所に行ってみたいです。
私が小学校1年生の時、隣接していた中学校が火事になったのも覚えております。
色々な事を思い出し、涙が出て来ました。
とても素敵な場所を有難うございました
プロフィール

成瀬健太

Author:成瀬健太
北海道旭川市出身。札幌市在住。
元陸上自衛官。
北海道の地方史や文芸を中心としたサークル『北海道郷土史研究会』主宰。

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