ネタニヤフの悩みに拍車をかけるコロナ流行とヒズボラ
2020年7月28日
Moon of Alabama
ベンジャミン・ネタニヤフ首相の下のイスラエル政府は二つの危機に直面している。レバノンの抵抗組織ヒズボラは、イスラエルが殺害した兵士の一人のため復讐すると表明した。政府のCovid-19流行対処失敗が多数の批判を受けている。にネタニヤフに対する刑事訴訟手続きとあいまって、このいずれかが彼の没落を招きかねない。
昨日イスラエルは、ヒズボラ兵が北部国境を越えたが、撃退したと主張した。
月曜日、イスラエル軍は、一触即発のイスラエル-レバノン国境に沿って、ヒズボラ過激派闘士と交戦し、ほぼ一年にわたる激しく対立する勢力間の最も激しい戦闘のさなか、区域に暮らすイスラエル国民は屋内に留まるよう命じられた。
戦闘は、1967年の中東戦争でイスラエルに占領され、レバノンが領有を主張するシェバー・ファームズとして知られる地域で起きた。国境の近くの南レバノン住民が、イスラエル砲撃は一時間以上継続したと報告している。
戦闘は、先週、シリアでのイスラエル空襲が、ヒズボラ戦士を殺害した後、イスラエルが想定されるヒズボラによる攻撃に対して厳重な警戒態勢にある中に起きた。近年、イスラエルは、レバノンのヒズボラ向けイラン武器出荷だと主張するものを標的に定め、シリアで、多数の空襲を実行している。
ヒズボラ指導者ハッサン・ナスルッラーフは、シリアでのイスラエル攻撃で亡くなった彼らの兵士のそれぞれに、彼の組織が報復することを誓っていた。何らかの攻撃が行われることを知って、イスラエル軍は厳重警戒態勢に置かれ、追加軍隊を国境地帯に向けて動員していた。
だが、ヒズボラの攻撃を待ちながら、長期間、緊張して国境を見張ることが、若干の幻覚を誘発したに違いない。そこにヒズボラはいなかったのだ。
ヒズボラは、戦士はイスラエル国境沿いの紛争に関与していないと言っている。
衝突後の声明で、ヒズボラは、イスラエル領内へのヒズボラによる侵入の試みに関する、あらゆるイスラエル・マスコミの主張は「全く真実ではなく、見せ掛けの勝利を発明する企みだ」と述べた。
ヒズボラは、イスラエル攻撃により、シリア国内で殺害されたメンバーのため、この集団の報復を「必ず実行する。シオニストは、彼らの犯罪に対する処罰を待ち受けるべきだ。」と述べている。
イスラエル軍は、事件の映像を持っていると主張している。
イスラエル防衛官僚が、侵入の試みは、軍の監視カメラに撮影されており、参加した要員が武装していたと言って、テロ集団の否認を一蹴した。イスラエル国防軍は、事件の映像公表を考えていると述べた。
だが事件の一日後、映像は公表されなかった。イスラエル報道機関は軍の主張に疑問を抱いている。
この攻撃未遂とされるものは、視界最高の昼日中に行われ、そこが常にイスラエル部隊に対するヒズボラ攻撃の場所なので、国境緊張が高まっていない時でさえ常時監視下にある区域で起きており、いくぶん奇妙だ。そうした条件下で、成功はありそうもない。軍によれば、ヒズボラ要員は、潜入中、決して発砲しなかった。
イスラエルは、何らかの理由で、少なくとも武装した男たちが本当にレバノンからイスラエル領域に潜入したことを証明する監視カメラのヒズボラ要員映像を公開して、ヒズボラの否認の誤りを証明しようとしなかった。
評論家たちは、自身の軍の宣言より、ヒズボラ声明を信じているように思える。
今時は、あらゆるものが撮影される。するとイスラエルに侵入する潜入者の映像はどこにあるのだろうか? 事件時点の、その区域のドローン映像は、どこにあるのか。
いずれの側も何も公表せず、イスラエル国民は今実際何が起きたか疑っている。月曜夜に既に現れた懐疑心に対応して、元イスラエル軍情報長官アモス・ヤドリンは、ヒズボラや、彼がうそつきと巧みな操り手と言うリーダー、ハッサン・ナスルッラーフよりも、彼はイスラエル軍を信じると述べた。
だがイスラエル軍は無罪放免になってはいない。イスラエル軍は過去、出来事を操作しており、月曜日に何が起きたか疑っているジャーナリストや国民は正しい。
起きた可能性が高いのは、一部の不安なイスラエル兵士が、いくつかの揺れる小枝に発砲したということだ。疑問は、誰が、あるいは何が、小枝を揺らせたかだ。
イスラエル軍を警戒態勢に置くのは、ヒズボラが有利な地位を得るのに安上がりな方法だ。
封鎖からの、制御できない再開後、イスラエルは、Covid-19の遥かに大きな第二波発生で打撃を受けている。
百万人あたり平均186人の新感染者という現在のレベルは、ほとんど現在のアメリカの数と同等の多さだ。
双方が共通の処置をとれるように、パレスチナ政府と調整しない限り、人種差別的なイスラエル政府は決してCovid-19流行を制御できるまい。だが、その代わりに、イスラエル政府はパレスチナ人が建てたCovid-19検査施設を破壊し、彼らが装置や薬を入手するのを妨げている。ユダヤ人国民とパレスチナ人間には毎日多くの接触がある。イスラエル政府は、国民の半分だけでは流行が制御できないのを理解できないように思われる。
イスラエル政府は新たな制約を巡って、今議会と交渉している。専門家は自暴自棄だ。国民はネタニヤフに激怒している。彼の家の前では、頻繁なデモや、警察との衝突がある。
現在のイスラエル連立政権は不安定で、容易に崩壊しかねない。
こうした状況下、時はヒズボラに味方をしている。おそらく、更に多くの小枝が揺れ、更に多くの不安な兵士が、それに発砲するだろう。ナスルッラーフがイスラエル軍を、そう呼んだように、「ハリウッド軍」は、更に多くの勝利を得ることができる。
だが数週間後、イスラエル軍兵士は警戒を緩めるだろう。彼らは一層不注意になり、誤りを犯すだろう。それが、報復に適切な時期だ。
ヒズボラは、それで戦争になるとは思っていない。
「雰囲気は戦争を示唆していない。今後数カ月、戦争の雰囲気はありそうもない」と[ヒズボラ副代表]シェイフ・ナイム・カッセム副書記長が、親ダマスカスのテレビ局、アル・マヤディンのインタビューで述べた。
「交戦規則は変わっておらず、イスラエルとの抑止力均衡は存在しており、我々はそれを変える計画はない」とカセムが述べた。
イスラエル政府は、ヒズボラに対して戦争をして、イスラエル軍に一日何百発も雨あられのごとく降り注ぐロケットに対処できる立場にない。それはネタニヤフ政府の終わりだろう。
そこで、ヒズボラには、最大の政治的効果のため、報復の種類と時期を選択する機会があるのだ。ナスルッラーフは一体何を心に思い描いているのだろう。
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国営放送の呆導番組はひどいが、LITERAはまとも。
緑のタヌキの駄弁など聞かないが、分科会委員長の意味不明のキモにも全く興味はない。彼らを見ていると、9年前の原発事故の際、でたらめを言いまくった原子力専門家連中を思い出す。『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語』も。『コロナ危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語』と改題し、増刷していただきたいくらい。
原発事故時、支配体制側「学者」連中、まともなことを言った人物は皆無。正論を主張したのは全員支配体制からはみだしたか、はじき出された方々だった。デジャブ。下記の翻訳記事の後書きに、延々書いた。ただし良い映像は、みられなくなっている。
東電福島第一原発メルトダウンの際、川村湊氏による『福島原発人災記――安全神話を騙った人々』を同感しながら拝読した。『新型コロナウイルス人災記: パンデミックの31日間』も同感しながら読了。テレビに登場する提灯持ちと、そうでない方を列記しておられるが、100%同意。それで、原発事故の際は作らなかったが、今回は、御用学者、タレントと、まともな方々のリストを作り、大本営広報部で御用リストの顔を見次第、音声を消したり、局を変えたり、テレビを消したりしている。(局を変えても、同じことを言う別の提灯持ちしか出さないので、正解はテレビを消すこと。)
正力と中曽根が日本に原発を導入した経緯は『原発・正力・CIA』で読んだ。そして、現在の日本の原発政策の実情は、下記番組が詳しい。
昨日のBS-TBSの番組「報道1930」、スタジオ出演は、鴨下一郎自民党衆議院議員と岡田晴恵教授。討論ではなく、真摯な話し合い。自民党にも、まともな議員がいる!政治にすりよる専門家の言動はあるまじき行為。学者は専門分野についての意見をエビデンスに基づいて発言すべきだと。彼は、東京都医師会会長の尾崎治夫会長の怒りを共有していた。
鴨下議員は医師。録画しておきたいくらいだった。
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