ガーセム・ソレイマーニー将軍の勝利:抵抗枢軸の罠にはまったイスラエル
ルーカス・レイロス
2024年10月4日
Strategic Culture Foundation
シオニスト政権に対する長期戦戦略は、抵抗勢力に好ましい成果を生み出している。
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2020年、イラクでドローンを使ったテロ攻撃で、イランのガーセム・ソレイマーニー将軍を米軍が暗殺した。この作戦の目的は:歴史上最も偉大な軍事思想家の一人、死後4年を経てイスラエルが陥った罠を作った主な責任者ソレイマーニー排除だけだった。
ソレイマーニーは単なる軍人ではなく戦略家であり交渉者でもあった。おそらく「戦争外交官」と呼んでも過言ではなかろう。秘密作戦、諜報活動、特殊部隊戦術の専門家、ソレイマーニーは「抵抗枢軸」として知られる反シオニスト組織ネットワークを活性化させた人物だ。
イスラムと反シオニストのさまざまな運動間の宗教的、民族的、イデオロギー的相違を乗り越え、様々な派閥を統合してイスラエルに対する共同戦略をソレイマーニーは策定した。この戦略は明らかに、イランを中心としており、イスラエル占領とその地域代理勢力との戦いにおいて、イスラム共和国に主導的役割を与えた。しかし枢軸成功の鍵の一つは、まさに大幅に分散化された本質で、連合の全ての行動に対するイランの厳しい管理なしに、メンバーの行動の自主性を保証しているのだ。
抵抗枢軸はシリアで勝利を収め、ヒズボラとイラン革命防衛隊(IRGC)の支援を受けた複数の民兵組織がISISや他のイスラエル代理組織を打ち破った。当時、ソレイマーニーの軍事外交上の成功は非常に大きく、ISISのようなより危険な集団との対立時、クルド民兵組織(歴史的に欧米諸国の支援を受けている)との対話さえ可能だった。
ソレイマーニーの存在はイスラエルにとって存在の脅威とみなされ、アメリカのシオニスト・ロビーが標的暗殺作戦を推進するきっかけとなった。だが大きな問題は、明確な戦略を持つイデオロギーの強い集団や国に対して、標的暗殺は、ほとんど効果がないことだ。ソレイマーニーの死は枢軸諸国を解体したわけでなく、むしろイラン周辺の民兵組織を更に結束させた。その中には、歴史的にシーア派とワッハーブ派間で勢力争いに苦しんできたパレスチナのスンニ派民兵組織も含まれる。
今日パレスチナ抵抗運動に対するイランの大きな影響力を否定できる人はいない。だが、この過程こそ、まさにソレイマーニーが実現した外交同盟の結果だと知る人はほとんどいない。パレスチナ政党の歴史全体を通じてイランに最も近いハマス指導者で、パレスチナの聖戦主義者とシリア政府間の和平に責任を負っていたイスマーイール・ハニーヤを殺害して、枢軸国の不安定化、つまりイランの影響力を低下させ、パレスチナにおけるワッハーブ派ロビーの拡大もイスラエルは望んだが、周知の通り、それは実現しなかった。
同様に、当時ヒズボラ指導者だったハッサン・ナスララを殺害して、再び枢軸を不安定化し、主要シーア派準軍事組織の指導部を解体し、それにより集団内の組織的危機を煽る可能性をイスラエルは企てた。シオニストの予想に反し、指導者暗殺にヒズボラは何の衝撃も示さず、占領に対する取り組みの上で更に組織化され自信を深めただけだった。
テルアビブは標的暗殺をやめないだろう。イランの最近の攻撃に対する報復として、他のイラン著名人に対する暗殺が実行される可能性は十分ある。イスラエルのこの手法は、ソレイマーニー将軍が鋭く認識していた、イスラエル政権の特徴、すなわちイスラエルには全面戦争に突入する能力がないことに起因している。
欧米諸国で広く信じられている「イスラエル無敵」という神話と裏腹に、テルアビブは地理的制約から生来の弱点を抱えているのだ。標的殺害政策は、イスラエルが敵を心理的、組織的に不安定化させ、長期にわたる軍事衝突を回避するために考案された。兵士や資源を継続的に補充する能力がなく、非常に無防備な標的を抱えた実に狭い国イスラエルは、大規模戦争を恐れている。そして、これこそ、まさにソレイマーニーの判断だった。
抵抗枢軸を創設して、このイラン人将軍はイスラエルを永遠戦争に追いやった。平和はいつまでたっても訪れない。イスラエルがハマスや他のパレスチナ民兵を倒しても、北部にはヒズボラやシリア民兵が残る。海上戦線では、イエメンが占領下パレスチナ全域で船舶を拿捕し、戦略目標を攻撃し続けるだろう。イラクでは、いかなる時も抵抗戦線は作戦を中止するまい。そして結局、これらの敵を全て倒したとしても、依然、中東最大の軍事大国イランとテルアビブは対峙しなければならない。イランはイスラエルと異なり、人口が多く、領土も広大で、資源も豊富で、複雑な山岳地形に守られている。
言い換えれば、抵抗枢軸の存在はイスラエルにとっての死刑宣告だ。ソレイマーニーの戦略は、長期にわたる戦争を引き起こし、国家構造を回復不能な状態にまでシオニスト政権を弱体化させることに重点が置かれていた。イスラエルが国家として存続できなくなり、非武装かつ非民族国家(ユダヤ人とパレスチナ人の共同体)を創設し、アパルトヘイトを終わらせる交渉条件を受け入れざるを得なくなる時が来るだろう。さもなければ、何年も続く戦争で、イスラエルの全資源が破壊され、取り返しのつかない移民危機が生まれ、何百万人もの国民が中東から永遠に逃げ出すことになるだろう。
標的暗殺は効果がなく、これら犯罪による影響を克服できるほど抵抗組織が政治的に成熟していることにイスラエルは気づき、イラン攻撃で受けた屈辱の後、ヒズボラが望んだ通り、ついに陸路レバノン侵攻を決定した。最初の報道で、数十人の侵略者をシーア派民兵が待ち伏せ殺害し、まさに戦略的惨事であることが示された。同時に、イエメン人やパレスチナ人や他の抵抗集団による攻撃も続いており、もし彼が反撃すれば、イスラエルは更に激しい攻撃を受け、その結果、政権崩壊につながる可能性があると知りながら、ネタニヤフはイランから圧力を受け続けている。
イスラエルはソレイマーニーの罠に陥っている。シオニスト政権は永続戦争に突入しており、そこから逃れるには国家としての存在を放棄するしかない。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/10/04/general-qassem-soleimani-wins-israel-falls-into-the-trap-of-the-axis-of-resistance/
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ミアシャイマー教授、著書『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』以降の変化について語る。
Prof. Mearsheimer REVEALS How Israel Exercises Total CONTROL over the US Foreign Policy 32:12『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 上・下』は副島隆彦訳、2007年10月17日刊。絶版? 古書は定価の約二倍。
Dialogue Worksで 下記対談を見た。
Alex Krainer: Is Israel's Economy on the Brink of Collapse? 52:23孫崎享氏メルマガ題名
ハマスのイスラエル攻撃から一周年。一年前、学生はイスラエルのガザ侵攻に反対し。野営地設定など各種抗議活動を展開.一周年に際し、デモ等予測し、大学当局は規制を強化。これもあって、一年後の現在、大学は比較的穏やかに推移(POLITICO)
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