■ 手倉森監督の招聘に成功した長崎J2の22クラブの中で「監督人事で成功したクラブ」というと長崎になるだろう。手倉森監督は仙台で実績を積んで、五輪代表でも結果を残した監督なので、「引く手あまた」だったと思うが、J2降格が決まった長崎の監督に就任した。「1年でのJ1復帰」を目標に掲げているが仙台時代にタフなJ2の戦いを経験している監督なのでチーム作りを大きく誤ることは考えにくい。「1年でのJ1復帰」の確率は一気に高まった。
今シーズンは大宮・甲府・新潟という降格組がJ2で苦戦を強いられた。ずっと長崎を率いてきた高木監督が退任することになったので「長崎は大変なシーズンになる可能性が高い。」と思っていが手倉森監督の招聘に成功したことで流れは大きく変わった。FW鈴木武蔵を筆頭にJ1で存在感を発揮した選手がたくさんいるので「主力がたくさん流出するのでは?」という不安もあったがその点でも大きな助けになるだろう。
一方、長崎の監督を退いた後の動向が注目されていた高木監督の招聘に成功した大宮も「監督人事で成功したクラブ」と言える。プレーオフの1回戦で東京Vに敗れて「1年でのJ1復帰」を逃したが、なおかつ、FW大前とMFマテウスがW流出する可能性も出てきた。序盤の流れは悪かったが実績十分の高木監督の招聘が確定したことで雰囲気はガラッと変わった。大宮も「昇格候補の1つ」として開幕を迎える可能性が高い。
2013年にJ2に昇格してからずっと高木監督が長崎を率いてきたので、今、長崎でプレーしている選手のほとんどは「高木監督のときに長崎に加入した選手」になる。MF翁長やMF中村慶やDF田上などは「高木チルドレン」とも言えるが、このあたりの選手を大宮が引き抜くことは十分にあり得る話になる。J1を経験して評価を高めた選手が長崎にはたくさんいるので彼らの動向は大いに注目したいところである。