■ GLで屈指の好カードロシアW杯は2日目に突入した。「2強2弱」と言われているB組の中で最大の注目カードであるポルトガルとスペインが激突した。FIFAランキングはポルトガルが4位、スペインが10位。2016年のユーロを制しているポルトガルの方がFIFAランキングでは上になる。ポルトガルは5大会連続で7回目のW杯出場となる。一方のスペインは11大会連続で15回目のW杯出場となる。優勝候補同士のビッグマッチとなった。
ポルトガルはGKパトリシオ。DFセドリク、DFペペ、DFフォンテ、DFゲレイロ。MFウィリアム、MFモウチーニョ、MFベルナルド・シルバ、MFブルーノ・フェルナンデス。FWクリスティアーノ・ロナウド、FWゲデス。大エースのFWクリスティアーノ・ロナウドは国際Aマッチは150試合で81得点を記録している。33才になったが6年連続でCLの得点王に輝くなど依然として世界最高レベルのクオリティを維持している。
対するスペインはGKデ・ヘア。DFナチョ、DFピケ、DFセルヒオ・ラモス、DFジョルディ・アルバ。MFブスケツ、MFコケ、MFイニエスタ、MFダビド・シルバ、MFイスコ。FWジエゴ・コスタ。ブラジル出身のFWジエゴ・コスタは2013年にはブラジル代表として国際Aマッチに出場した経験を持っている。4大会連続のW杯出場となるMFイニエスタはW杯終了後のヴィッセル神戸入りが正式に決定している。
■ ソチでの死闘は3対3のドローポルトガルとスペインというライバル同士の対決はGLとしては稀に見る激闘となった。前半3分にFWクリスティアーノ・ロナウドがエリア内でDFナチョに倒されてPKを獲得。自ら決めてポルトガルが先制に成功する。劣勢の展開になったスペインだったが前半24分にロングパスからボールをキープしたFWジエゴ・コスタが相手4人・5人に囲まれながら個人技で決めてスペインが1対1の同点に追いついた。
追いつかれたポルトガルは前半44分にFWクリスティアーノ・ロナウドの左足のシュートで勝ち越しに成功するがGKデ・ヘアであれば処理できるシュートだった。前半は2対1で折り返した。1点を追うスペインは後半10分にFKからMFブスケツが折り返したボールをFWジエゴ・コスタが押し込んで2対2の同点に追いついくと後半13分には右SBのDFナチョが強烈なシュートを決めて3対2と逆転に成功する。
終盤になるとスペインがボールを回し始めて逃げ切りを図ったが後半43分にゴールやや右寄りの絶好の位置でFKを獲得するとFWクリスティアーノ・ロナウドが鮮やかに決めてポルトガルが3対3の同点に追いついた。FWクリスティアーノ・ロナウドはいきなりハットトリックを達成する大活躍だった。試合は3対3のドロー。B組はイランが1勝、スペインとポルトガルが1分け、モロッコが1敗からのスタートになった。
■ CR7は圧巻のハットトリックGLの48試合の中では屈指の好カードだったが期待通りか、それ以上の熱戦になった。序盤はポルトガルが優勢。そのままの勢いで先制ゴールを奪うとその後もカウンターからチャンスを作った。スペインにとっては良くない流れだったが前半24分にFWジエゴ・コスタが独力で同点ゴールを奪うと流れが大きく変わった。1対1になった後はスペインが押し込む展開になったが最後の最後にドラマが待っていた。
後半35分あたりを過ぎるとスペインは攻めなくなった。途中出場したMFチアゴ・アルカンタラを中心にボールを保持して時間を潰す作戦に入ったのでポルトガルはボールを持てなくなった。スペインはテクニックのある選手が多いので「このままスペインが逃げ切るのだろう。」と多くの人が思ったと思うが終了間際に絶好の位置でFKを獲得。土壇場でFKを決めてしまうのだから「スターは違う。」と言うしかない。
モロッコならびにイランとの実力差は大きいので仮にスペインに敗れたとしても決勝T進出は果たせる可能性が高いが劇的な形で追いつけたことでポルトガルは勢いに乗ることができた。最後の数分間は捻挫をしたのか、足を引きずりながらプレーしていたのは気になるが「これぞ、千両役者」という働きだった。過去3大会のW杯は思ったほどの活躍ができなかったが4回目の出場にしてようやく真価を発揮した。
スポーツ界には「記録に残る選手」と「記憶に残る選手」がいるがFWクリスティアーノ・ロナウドは残している記録もスーパーで、その上で記憶にも残る選手である。世界のサッカー史を振り返ってみてもこれだけの選手は一握りである。4年後のカタールW杯の時は37才。常人ではないので4年後も十分に狙えるとは思うがさすがにピークは過ぎているだろう。W杯制覇を狙えるのは今大会が最後と考えられる。
■ FWジエゴ・コスタが2ゴールを挙げるも・・・。スペインは逃げ切り体制に入ったが失敗した。FWクリスティアーノ・ロナウドがいるので「ゴール前付近でファールを冒してはいけない。」というのは重々承知だったと思うがロングボールが入ってきてややパニックになった。2失点目はGKデ・ヘアのミスと言えたのでGKデ・ヘアは最後のFKの場面で取り返したかったがあまりにもシュートコースが良すぎたのでノーチャンスだった。相手を褒めるしかない。
目前まで迫っていた勝ち点「3」を逃したのでムードは良くないと思うが監督が交代したばかりでチームが混乱していたことを考えると「ポルトガル相手のドロー」という結果は悪くない。イエロ監督になって数十時間しか経過していないが誰が監督になってもスペインのやり方は変わらない。他の大半の国と比べると監督交代の影響は小さいと考えられる。イレギュラーな中、勝ち点「1」を得たことをプラスに考えたい。
収穫はFWジエゴ・コスタになるだろう。1トップの位置を誰にするのか?は興味の対象だったがFWジエゴ・コスタを抜擢。パワー系の選手でスペインの中では異質といえるが異質な選手がいるとマイナスになることもあるがプラスに働くことも多い。「中盤の選手と息が合っていない。」と言われることが多いがこの日はいいアクセントになった。不安要素の1つだったフォワードに軸ができそうなのは大きい。
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