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【なでしこジャパン】見事なアジア制覇!!!ヒロインになったのはクミーニョ!!! | | |　

■　耐えたなでしこジャパンが連覇達成

女子のアジアカップの決勝戦は2大会連続で日本とオーストラリアの対戦となった。日本は前回大会の2014年に続く連覇を目指してここ3試合勝ちなしと苦手意識を持ち始めているオーストラリアと対戦した。序盤からオーストラリアが優勢。前半14分にはDF熊谷のハンドでPKを献上。絶体絶命のピンチを迎えたが守護神のGK山下がビッグセーブを見せた。前半はオーストラリアが押し込んだが0対0で折り返す。

後半も同様に日本は押し込まれる展開になった。ほとんどシュートチャンスを作れなかったが後半39分に左サイドでボールを持ったMF長谷川がドリブルで仕掛けてから途中出場したFW横山久にパスを送るとドリブラーのFW横山久が華麗に相手をかわしてから右足でシュート。これがコース隅に豪快に決まって日本が先制に成功する。準決勝の中国戦で2ゴールを挙げたFW横山久は今大会4ゴール目となった。

アディショナルタイムの2分を含めた残りの8分ほどの時間をしっかり耐えた日本が1対0で勝利。見事に大会連覇を達成した。MVPにはFW岩渕が選出されて、日本はフェアプレー賞も受賞した。GLを突破した時点で来年にフランスで開催されるW杯への出場権を獲得していたがアジア女王として大会に参加することになった。フランスW杯は2019年6月7日から7月7日にかけてフランス各地で開催される予定になっている。

■　格上のオーストラリアに押し込まれたが・・・。

アジアの枠は「4.5」。男子と比べるとはるかにアジアのレベルは高いが大変なシチュエーションではなかった。北朝鮮が予選で敗退してアジアカップの出場権を逃したのも日本にとって好都合だった。オーストラリアと韓国に敗れてGLで3位に終わったとしても5位決定戦でタイやフィリピンやヨルダンに勝利すればW杯の出場権を獲得できる。よほどのことがない限りはW杯行きを逃すことは考えにくい状況だった。

それでもここ最近のなでしこジャパンの状態の悪さを考えると楽観視は出来ない状況だった。監督はもちろん、選手やスタッフは大きなプレッシャーを抱えていたので「GLで2位になってW杯の出場権を獲得できただけでOK」と言える状況だったが準決勝で中国、決勝でオーストラリアを下して大会連覇を達成。「決勝トーナメントはボーナス」と考えていたのでまさかの連覇達成と言える。選手はよく頑張った。

決勝戦も苦しい展開になった。総合力ではオーストラリアの方がかなり上だったように感じられた。FWカーを中心としたオーストラリアの攻撃陣は迫力満点。本気で世界一を狙えるだけの戦力を有しており、甘く見積もっても「オーストラリアと10試合したら2勝5敗3分け」程度の実力差は(現時点では)あると言える。普通に戦ったら劣勢の展開になるのは仕方がないくらいの差はあったが耐えてワンチャンスを生かした。

■　復活が期待されるなでしこジャパン

殊勲の決勝ゴールを奪ったのは途中出場したFW横山久だったが後半に日本が放ったシュートは1本のみ。ほとんどチャンスは無かった。押し込まれる展開になって前にボールを運ぶのも難しい状況になっていたが投入されて最初のチャンスを見事に生かした。FW横山久という選手をサブに置いておくことが出来た点は今大会のなでしこジャパンの強みの1つだった。得意の形から鮮やかなゴールを奪った。

なでしこジャパンにとってこの勝利はとてつもなく大きな意味を持つ。2016年の春に行われたリオ五輪のアジア予選で敗戦してから女子サッカーは冬の時代を迎えた。高倉監督になってからもなかなか結果を出せなく苦しんだ。若年層の代表はアジアの大会ならびに世界大会で結果を出したが小さく扱われただけ。ネガティブなニュースがほとんどで、ポジティブなニュースはほとんど流れなくなった。

大きなバッシングを浴びる厳しい流れだったが今回のアジア杯制覇で流れは大きく変わるだろう。相変わらず、MF阪口とDF熊谷という2011年のW杯の優勝メンバーが中心になっているがそれでもGK山下、DF市瀬、MF長谷川など若い選手も出てきている。今回は久々にMF川澄が代表に復帰してきたがDF鮫島やMF宇津木を含めたベテランとFW横山久やMF長谷川を中心とした若手がうまくかみ合って頂点に立った。

リオ予選が悪い流れを生み出すきっかけになったが今回の優勝は、再び、いい流れになっていくきっかけになるはずである。昨秋に行われたU-19アジア選手権はFW植木を中心にアジアの頂点に立っており、同じく昨秋に行われたにU-16アジア選手権も3位。W杯の出場権を獲得している。若い世代は以前として世界屈指のチーム力を持っているのでさらに若手が台頭してきて競争力が高まることが期待される。