浦和レッズ→ 浦和は開幕から5試合未勝利。最悪のスタートになったが監督交代によって蘇った。大槻監督になってからリーグ戦は3連勝中。3勝3敗2分けで10位まで急浮上した。慣れ親しんだ3バックへの変更は十分に予想された打開策の1つだったが、やはり、3バックの方がスムーズである。堀監督時代は攻め手が少なくてサイドを崩す場面も少なかったが監督交代後は多彩な攻撃を見せるようになっている印象はある。
8試合で10得点/10失点。先のとおり、監督交代でチームは大きく変わったが、「監督交代前(1節~5節)」と「監督交代前(6節~8節)」のスタッツを比較してみたいと思う。表4のようになるがボール支配率は57.0%→45.7%に大幅ダウンしており、ドリブル数、クロス数、シュート数、30mライン進入回数、ペナルティエリア進入回数もダウンしている。結局、攻撃に関するスタッツは堀監督時代の方が優れている。
堀監督時代は0勝3敗2分けで、大槻監督になってからは3連勝なので意外に感じるところである。攻撃面が改善されてスムーズなサッカーが出来るようになった印象はあるが数字で比較すると「堀監督時代の方がボールを保持するケースや攻め込む回数は多かった。」と言える。当然、まだ監督が交代して3試合のみ。オリベイラ監督の就任も噂されているがこれらのスタッツがこれからどう変わるのか?は興味深い。
表4. 監督交代前と監督交代後の比較
項目 | 自チーム | 相手チーム |
堀 (1節-5節) | 大槻 (6節-8節) | 堀 (1節-5節) | 大槻 (6節-8節) |
シュート | 11.60 | 11.33 | 9.40 | 10.00 |
枠内シュート | 4.60 | 4.67 | 4.40 | 2.33 |
枠内シュート率 | 39.7% | 41.2% | 46.8% | 23.3% |
パス | 591.20 | 477.67 | 382.00 | 594.33 |
クロス | 16.20 | 14.00 | 10.60 | 18.00 |
直接FK | 16.80 | 14.00 | 13.60 | 10.00 |
間接FK | 2.00 | 1.00 | 3.20 | 2.67 |
CK | 4.20 | 4.33 | 4.00 | 4.33 |
スローイン | 25.40 | 18.67 | 20.80 | 22.00 |
ドリブル | 15.20 | 13.33 | 13.00 | 13.00 |
タックル | 24.60 | 20.00 | 25.40 | 19.33 |
クリア | 18.40 | 24.67 | 21.00 | 20.00 |
インターセプト | 3.00 | 1.67 | 2.20 | 0.67 |
オフサイド | 3.20 | 2.67 | 2.20 | 1.00 |
警告 | 1.20 | 0.00 | 1.60 | 1.33 |
退場 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
30mライン進入 | 44.60 | 36.67 | 34.40 | 47.33 |
ペナルティエリア進入 | 14.60 | 12.00 | 10.80 | 10.67 |
総走行距離 | 113.20 | 117.22 | 117.88 | 115.87 |
スプリント | 172.80 | 150.00 | 174.40 | 151.33 |
攻撃回数 | 122.20 | 115.33 | 120.00 | 116.67 |
チャンス構築率 | 0.09 | 0.10 | 0.08 | 0.09 |
ボール支配率 | 57.0% | 45.7% | 43.0% | 54.3% |
柏レイソル→ 柏は8節を終えた時点で3勝3敗2分け。7位なので悪くない位置に付けているが好調とは言い難い状態である。上位進出が期待されたACLは5節を終えた時点で早くもGL敗退が確定するなどサポーターの期待に応える成績は残せていない。ここまでの8試合で10得点/9失点。W杯出場が期待されるMF伊東純は好調。高頻度でゴールに絡んでいるがFWクリスティアーノは昨シーズンほどの活躍は出来ていない。
表5はクロス数を示している。「自チームの1試合平均のクロス数」は17.38本。MF伊東純とDF小池龍で構成する右サイドからクロスを上げる場面は多い。右サイドからの攻撃は最大の武器になっているが気になるのは「相手チームの1試合平均のクロス数」が21.63本でJ1最多である点である。CB陣は空中戦に強い選手をたくさん抱えているが、やはり、簡単にクロスを上げられると失点につながりやすい。
もう1つの大きな課題と言えるのは終了間際の失点が多い点である。後半の終盤にゴールを許して勝ち点を取りこぼすケースが下平体制になってから頻繁に見られる。昨シーズンは元日本代表のMF細貝がクローザー役を担ったが「1点リードを守り切らないといけない。」という状況になったときの戦い方がはっきりしていない。選手層の厚いチームなので監督を含めたスタッフのベンチワークは重要になって来る。
表5. クロス数について
クラブ名 | ± | 自チーム | 相手チーム |
(本) | 順位 | (本) | 順位 | (本) | 順位 |
札幌 | 6.50 | 1 | 19.63 | 2 | 13.13 | 4 |
鳥栖 | 6.00 | 2 | 18.13 | 7 | 12.13 | 2 |
磐田 | 5.13 | 3 | 17.00 | 9 | 11.88 | 1 |
横浜FM | 4.13 | 4 | 19.88 | 1 | 15.75 | 9 |
仙台 | 4.00 | 5 | 18.88 | 4 | 14.88 | 6 |
浦和 | 2.00 | 6 | 15.38 | 11 | 13.38 | 5 |
G大阪 | 0.88 | 7 | 16.25 | 10 | 15.38 | 8 |
C大阪 | 0.50 | 8 | 18.75 | 6 | 18.25 | 14 |
川崎F | 0.00 | 9 | 12.88 | 15 | 12.88 | 3 |
神戸 | -1.38 | 10 | 19.00 | 3 | 20.38 | 16 |
清水 | -1.88 | 11 | 18.88 | 4 | 20.75 | 17 |
FC東京 | -2.38 | 12 | 13.88 | 14 | 16.25 | 10 |
湘南 | -2.38 | 12 | 15.25 | 12 | 17.63 | 13 |
長崎 | -2.38 | 12 | 14.38 | 13 | 16.75 | 12 |
鹿島 | -3.88 | 15 | 12.75 | 16 | 16.63 | 11 |
柏 | -4.25 | 16 | 17.38 | 8 | 21.63 | 18 |
名古屋 | -4.38 | 17 | 10.88 | 18 | 15.25 | 7 |
広島 | -6.25 | 18 | 12.13 | 17 | 18.38 | 15 |
FC東京→ 長谷川監督を招聘したFC東京は開幕から3試合未勝利。出だしは順調ではなかったが4節から4連勝。一気に勝ち点を積み上げて上位争いに顔を出して来た。8節のC大阪戦(A)は0対1で敗れて連勝が止まったが内容的にはFC東京が優勢だった。結果にはつながらなかったがC大阪との上位対決で「今シーズンのFC東京は一味違う。」というところを印象付けた。4勝3敗1分けで5位と好位置に付けている。
開幕前は「代表クラスが揃う守備陣は計算できるが攻撃陣が不安」と言われていたが8試合で12得点。得点数はJ1最多タイとなる。新エースのFWディエゴ・オリヴェイラが5得点とチームを引っ張っているがFW永井謙、MF東慶悟、MF大森の3人の活躍も目立っている。3人ともここ数年は力を出し切れていなかったがここまで見違えるような働きを見せている。攻撃陣に関してはうれしい誤算がたくさんある。
8試合で10失点の守備陣もまずまず頑張っているが、表6のとおり、相手チームのペナルティエリア進入回数は10.63回。2番目の少なさになる。「ペナルティエリア進入回数/30mライン進入回数」は25.8%でJ1最高。簡単にはエリア内に侵入させない守備が出来ている。MF大森とMF東慶悟のサイドハーフは攻撃面はもちろんのこと、守備面でもチームに大きく貢献している。この2人が新生・FC東京の象徴と言える。
表6. 相手チームの30mライン進入回数とペナルティエリア進入回数
クラブ名 | (相手の)30mライン進入回数 | (相手の)ペナルティエリア進入回数 | 確率 |
(回) | 順位 | (回) | 順位 | (回) | 順位 |
FC東京 | 41.25 | 10 | 10.63 | 2 | 25.8% | 1 |
浦和 | 39.25 | 7 | 10.75 | 3 | 27.4% | 2 |
広島 | 50.50 | 18 | 14.50 | 12 | 28.7% | 3 |
川崎F | 37.13 | 4 | 10.88 | 4 | 29.3% | 4 |
磐田 | 35.75 | 3 | 10.50 | 1 | 29.4% | 5 |
柏 | 46.75 | 14 | 14.00 | 10 | 29.9% | 6 |
神戸 | 45.63 | 13 | 13.75 | 8 | 30.1% | 7 |
G大阪 | 49.63 | 17 | 15.25 | 14 | 30.7% | 8 |
仙台 | 37.88 | 6 | 12.38 | 6 | 32.7% | 9 |
C大阪 | 44.38 | 12 | 14.50 | 12 | 32.7% | 9 |
鳥栖 | 34.63 | 1 | 11.38 | 5 | 32.9% | 11 |
清水 | 49.25 | 16 | 16.25 | 16 | 33.0% | 12 |
長崎 | 40.63 | 9 | 14.38 | 11 | 35.4% | 13 |
札幌 | 37.50 | 5 | 13.50 | 7 | 36.0% | 14 |
湘南 | 47.38 | 15 | 17.75 | 18 | 37.5% | 15 |
横浜FM | 35.63 | 2 | 13.75 | 8 | 38.6% | 16 |
鹿島 | 39.38 | 8 | 15.25 | 14 | 38.7% | 17 |
名古屋 | 42.00 | 11 | 16.25 | 16 | 38.7% | 17 |
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