■ J1の開幕戦2018年のJリーグがいよいよスタートした。Jリーグ史上初めて金曜日にJリーグの開幕戦が行われることになったが「フライデーナイトJリーグ」の一発目はサガン鳥栖とヴィッセル神戸の顔合わせになった。会場は鳥栖市にあるベストアメニティスタジアムとなった。Jリーグの開幕戦とはいっても平日の夜の試合であり、かつ、寒さの厳しい時期の試合なので客足が心配されたが19,633人という大観衆が集まった。
ホームの鳥栖は「4-3-1-2」。GK権田。DF小林祐、キム・ミンヒョク、チョン・スンヒョン、吉田豊。MF高橋秀、福田晃、原川。FW小野裕、チョ・ドンゴン、田川。スタメンが予想されていたFWイバルボは欠場。MF河野も欠場。フィッカデンティ監督はインフルエンザのためベンチに入ることもできなかった。MF高橋義はベンチスタート。新加入のMF高橋秀がアンカーで起用された。いきなり古巣との対戦となった。
対するアウェイの神戸は「4-2-1-3」。GKキム・スンギュ。DF藤谷、那須、渡部、橋本和。MF三原雅、松下佳、ポドルスキ。FW三田、ハーフナー・マイク、渡邉千。注目のMFポドルスキはトップ下の位置で起用された。今シーズンからチームのキャプテンを任されている。新加入のFWウェリントンとDFティーラトンはベンチスタート。韓国代表のMFチョン・ウヨンは欠場となった。MF藤田直はベンチスタートとなった。
■ 終盤に同点ゴールが生まれてドロー注目の開幕戦は開始早々の前半2分にエリア内で五輪代表のFW田川がベテランのDF那須に倒されてPKを獲得。これをFW田川が自ら決めてホームの鳥栖が先制に成功する。FW田川のゴールが2018年のJリーグ全体の初ゴールとなった。リードを奪った鳥栖はその後は何度もカウンターからチャンスを作る。数的同数に近い決定機もあったが生かせず。1対0と鳥栖がリードを奪ってハーフタイムに突入する。
後半の立ち上がりも鳥栖ペースとなる。劣勢の神戸は後半20分にFWウェリントンとDF小川慶を投入。さらに後半30分にタイ代表のDFティーラトンも投入。攻撃的な選手を次々に投入する。鳥栖も新加入のDF高橋祐を投入。5バックに近い布陣にシフトチェンジして逃げ切りを図ったが後半42分に途中出場したFWウェリントンのつないだボールをFWハーフナー・マイクが左足で決めて神戸が1対1の同点に追いついた。
同点に追いついた神戸は逆転ゴールを狙って攻め込んだが逆転まで持っていくことは出来ず。結局、試合は1対1のドローに終わった。鳥栖は前半にカウンターからたくさんのチャンスを作りながら生かせなかったことが響いた。テンポアップした状態で攻め込む回数が多かったのでこの時間帯に余分にスタミナを消費してしまったことが後半の半ば以降にガクッと動きが落ちてしまった要因の1つに挙げられる。
■ ファーストゴールはFW田川記念すべき2018年のJリーグのファーストゴールを決めたのは五輪代表での活躍も期待されるFW田川だった。持ち味であるスピードを生かして最終ラインの裏を取るとベテランのDF那須のファールを誘ってPKをゲット。自ら落ち着いて左足で決めた。攻撃の中心であるFWイバルボの欠場というのは鳥栖にとっては大きなマイナスだったが飛躍が期待されるFW田川がゴールゲット。幸先のいいスタートを切った。
(後半の途中までは)神戸の出来が良くなかったことにも助けられたが鳥栖はスピーディーなカウンターから何度もチャンスを作った。神戸は前がかりになり過ぎており、カウンターへの備えも十分ではなかったので鳥栖としてはカウンターを仕掛けやすい状況だったが、先のとおり、楽にカウンターを仕掛けることができていた時間帯に追加点を奪うことが出来なかったのがドローに終わった原因の1つに挙げられる。
鳥栖にとっては勿体ない試合になったがケガからの完全復活を目指すFW小野裕が持ち前のテクニックを生かして何度もチャンスを演出したのは大きな収穫と言える。また、左SBのDF吉田豊の力強い守備も目立った。東京世代のDF藤谷とマッチアップする機会が多かったが完封。「DF藤谷との1対1は全勝」と言ってもいいくらい完璧に封じた。スピードのあるDF藤谷とのスピード勝負でも負けなかった。
■ パワープレーは迫力満点神戸にとってアウェイでのドロー発進という悪くない結果と言えるが今シーズンも難しいシーズンになりそうだ。神戸は「バルサ・スタイルへの転換を図っている。」と報じられているがシステムは「4-1-2-3」。ポゼッションサッカーに適したシステムを採用しているがスピーディーにパスが回る場面はほぼ無かった。「何となくバルサっぽい。」と感じるシーンは90分を通して考えてみても一度もなかったように思う。
前半にFW渡邉千がミドルシュートを放って大きく枠を外したときに逆サイドにいた2人の選手が手を大きく上に上げて「何でそこでシュートを打つのか?」とアピールしたシーンが象徴的と言えるが選手のほとんどはフラストレーションを溜めながらプレーしていた。状況が一気に変わったのはFWウェリントンとDF小川慶を投入してからになる。FWウェリントンとFWハーフナー・マイクのツインタワーが威力を発揮した。
鳥栖はJ1の18クラブの中で「まあまあ高さのチーム」なので何とか神戸の強力なツインタワーに対抗することが出来たが並のチームになると相当に大変である。神戸にとってツインタワーは大きな武器になる可能性は高い。キックの精度が高い選手もたくさんいるのでシンプルなサッカーをされるのが一番相手にとっては厄介なことであるが「バルサ・スタイル」というワードが足枷になる可能性は現時点では高い。
三木谷社長とバルサのつながりは深いので「バルサスタイルは無理っぽいので諦める。」という道は選択しにくい。「長い目で見守る必要がある。」ということは関わっている人全てに共有されていると思うが「長い目で見守る必要があることは理解しているのでとりあえずとしてバルサ・スタイルで戦うべし。」となる可能性大。フロントと現場の選手の板挟みになるだろう吉田孝行監督は相当に大変な立場である。
注目のDFティーラトンは後半30分に登場したが後半34分にはゴール前の絶好の位置で獲得したFKのキッカーを任された。「MFポドルスキが狙いだろう位置」だったが譲ってもらうことが出来たので左足に関してはチームメイトからも相当に高い評価を受けているようだ。十分なデビュー戦となったが神戸が圧倒していたので守備のシーンがほぼ無かった。守備の部分がどの程度できるのか?が不安要素と言える。
【J1】 サガン鳥栖 vs ヴィッセル神戸で「出来が良かった」と思う選手は?
★ 現在の投票数 → 63票
→ 最大で8人まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2013/04/07 【鳥栖×清水】 3度目の鳥栖スタジアム(生観戦記) (上)
2013/04/08 【鳥栖×清水】 3度目の鳥栖スタジアム(生観戦記) (下)
2013/04/09 ベアスタで気になったところ
2018/01/07 【J1】 順位予想バトル 2018年版 受付終了 (参加者:590名)
2018/01/08 【J2】 順位予想バトル 2018年版 受付終了 (参加者:243名)
2018/01/11 【J3】 順位予想バトル 2018年版 受付開始 (現時点の参加者:63名)
2018/02/23 全記事一覧(2005年-2018年)
- 関連記事
-