■ 歴史的な大敗を喫した韓国戦ホーム開催のE-1 サッカー選手権に出場したハリルJAPANは2勝1敗で勝ち点「6」を獲得したが優勝がかかった最終戦で宿敵の韓国に1対4で敗れたのは印象的に非常に良くない。苦しみながらも北朝鮮と中国に2連勝したことはすっかり忘れ去られてしまった。韓国戦はスコアのみならず、内容的にも非常に厳しい試合になったのでハリルホジッチ監督に批判の声が集中するのは致し方ない話である。
もちろん、気の毒に感じるところもある。クラブW杯に出場した浦和の選手は招集できなかった。11月の欧州遠征の時はFW興梠、MF長澤、MF遠藤航、DF槙野、GK西川の5人を招集しているのでクラブW杯に出場しなかった場合は浦和から多くの選手が招集されていたのは確実である。この5人に加えてACLでMVPを受賞したMF柏木、アンカーで存在感を発揮しているMF青木拓あたりが選出された可能性がある。
また、J1で3位になってACLの出場権を獲得したC大阪のFW杉本健とMF清武は当初はメンバーに選出されていたがケガのため途中で辞退することになった。さらにケガの影響で33節と34節を欠場したMF山口蛍も招集できず。ケガがなければMF山口蛍が招集されていたのはほぼ間違いないので、結局、C大阪の3人はいずれもケガの影響でE-1 サッカー選手権に出場できなかった。大きな誤算だったと言える。
■ 使いたかったのに使えなかった選手さらにJ1のベストイレブンに選ばれたDF西大伍(鹿島)も最終節の磐田戦(A)でケガをして代表を辞退した。今大会の日本代表は組み立ての部分で大いに苦労したので「DF西大伍がいれば・・・。」と思った人は多いだろう。鹿島の選手がたくさん選ばれているのでコンビネーションという部分でも不安は少ない。クラブW杯とケガの関係で使いたかった選手を10人近く使えなくなると監督としては相当にきつい。
この点は同情しなければいけないが、やはり、ホームで韓国に1対4で大敗したことを擁護するのは難しい。監督ならびに選手に大きな批判が浴びせられても仕方がない状況になったが、もちろん、すべての選手の出来が悪かったわけではない。「国際試合では使えそうにない選手」が何人か判明しただけでなく、「国際試合でも使えそうな選手」が何人か出てきたのはロシアW杯に向けて1つの収穫と言えるだろう。
出場機会が与えられなかったGK権田とDF初瀬を除く21名が実際にE-1 サッカー選手権でプレーしたが3試合連続でスタメン起用されて2ゴールを挙げたFW小林悠(川崎F)はテストに合格したと言えるだろう。孤立する場面は多かったが気の利いたプレーを見せて前線で起点になった。エースとして大きな注目と期待が集まった中で2ゴールと結果を残したことは評価できる。CFならびに右SHの競争に入ってきた。
次の代表戦は3月に予定されている。国内になるのか?欧州になるのか?はまだはっきりしないが、MF井手口やGK東口やDF昌子といったここ最近はずっと招集されている選手以外から何人かは招集しないと「E-1 サッカー選手権はいったい何だったのか?」という話になる。状況的にも今大会で評価を高めた選手を2・3人程度は招集せざる得ないと思うが、最有力候補はやはりFW小林悠になるだろう。
■ 途中出場で存在感を発揮したFW川又他には北朝鮮戦でファインセーブを連発したGK中村航も「国際試合でも十分にやれるところ」を示した。ようやく国際Aマッチでプレーするチャンスを得たがやってくれそうな雰囲気を持っている点が大きな魅力と言える。3戦目の韓国戦の4失点は残念だったが4失点ともキーパーにとっては難しいシュートだったので大きな落ち度はない。代表定着どころか、正キーパーの有力候補に浮上してきたと言える。
チームメイトのMF伊東純も今大会でデビューを飾ったが長いプレーする機会を得たのは収穫と言える。持ち味のスピードが生きる場面もあったが、きっちりと封じられる場面も多かった。パフォーマンスに関しては本人は全く納得しておらず、「もっとやれたはず。」と感じていると思うが、スピードという突出した武器が国際試合でも大きな武器になり得ることは示した。必要なタイプの選手なのでまだチャンスはある。
3試合連続で途中出場になったが3試合とも存在感を発揮したFW川又についてはマイナス要素がほとんどない。今大会のFW川又にネガティブな評価を下す人はまずいないだろう。分かりやすい動きが出来る選手なのでFW川又が投入されると攻撃の流れは良くなった。ジョーカー役としていい働きを見せたが「もう少し長い時間プレーしてほしかった。」と思う。特に韓国戦はFW川又を投入するタイミングが遅すぎた。
■ 不合格だったのは誰か?不慣れなポジションである右SBでプレーしたDF植田直は2戦目の中国戦は非常にいいプレーを見せたが3戦目の韓国戦は大いに苦労した。2試合でいいところも悪いところも露になったが「対戦相手や試合展開によっては右SBにDF植田直をいれても面白い。」と感じるプレーを見せたのは間違いない。CBが本職なのでこの位置でプレーしているところも見たかったがそれなりにアピールは出来たと言える。
他には最終戦の韓国戦の後半途中に投入されたMF三竿健は悪くなかった。難しいシチュエーションで投入されて試合の流れを大きく変えることは出来なかったが1つ1つのプレーの質は高かった。「4-1-4-1」を採用する場合のアンカーのポジションはMF長谷部、MF山口蛍、MF井手口、MF今野、MF遠藤航などが起用されているが決め手には欠ける。今後、アンカーの競争に入ってきても不思議はない。
一方、初戦のみの出場に終わったMF高萩やFW金崎やDF室屋は厳しい立場になった。どちらかというと起用法に問題があったと思うがインパクトを残すことは出来なかったMF土居、韓国戦で2失点に絡むなど散々な出来だったDF車屋あたりも「高確率で次のチャンスはないだろう。」と言える。ケガで退くまではいいプレーを見せたMF大島僚に関しては「もう1度チャンスが与えられても不思議はない。」と言える。
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