■ 20年ぶりのコパ・アメリカ1999年以来なので20年ぶりにコパ・アメリカに出場に出場している日本代表は五輪世代中心のメンバー構成だったが初戦は2連覇中のチリに0対4で大敗した。決定機を生かせずに大量失点で敗れたが2戦目はFIFAランキングが8位のウルグアイを相手にドロー。MF三好(横浜FM)が2ゴールを挙げる大活躍を見せて勝ち点「1」をゲットした。FWスアレス&FWカバー二の2トップが中心のウルグアイを大いに苦しめた。
3戦目はエクアドルと対戦するが日本が0勝1敗1分けで勝ち点「1」、エクアドルは2連敗。現状の日本の得失点差が「-4」なので1勝1敗1分けになったとしても決勝Tに進出できない可能性はあるが、前日のB組の結果次第では決勝T進出の可能性が残る。3位通過となれば準々決勝で開催国のブラジルと対戦することが確定済み。大金星を獲得する可能性は非常に低いが若い選手にとっては素晴らしい経験になるだろう。
2戦目のウルグアイ戦はもちろん、大差で敗れた初戦のチリ戦もたくさんのチャンスを作れたので、世界的な強豪を相手にここまで若き日本代表は健闘しているが、「コパ・アメリカに日本やカタールのような招待国を参加させていること」ならびに「今回の日本代表が若手主体のメンバー構成でコパ・アメリカに参加していること」に対してベネズエラのドゥダメル監督が苦言を呈しており、大きな話題になっている。
■ 招待国を参加させることの是非先日はパラグアイのベリッソ監督も似たようなことを言っていたが、前者の「日本やカタールのような招待国を参加させていること」について当事者である南米の人が疑問に思うのはよく分かる。南米サッカー連盟に加盟しているのは10カ国のみなので「4チーム×3組」に分けるために他地域から2つの国を招待するのが基本の形になっているが南米王者を決める大会であることを考えると疑問の声が出るのも当然である。
「コパ・アメリカは南米サッカー連盟に所属する10カ国だけで開催するのがベストだ。」と個人的にも思うが、10カ国だと組み分けも難しくなって、全体の試合数も減ってしまう。今回はDAZNがコパ・アメリカの放映権を獲得しているが、日本向けのコパ・アメリカの放映権も決して裕福ではない南米サッカー連盟にとっては魅力なのだろう。「苦肉の策としてこういう形になっている。」というのも理解できる。
一方、「日本がベストメンバーを送ってこなかった。」という批判は筋違いである。「今さら、それを言われても知るか!!!」レベルの話になる。そして、そもそもとして「今の日本のベストメンバーがどんな選手たちなのか?」をパラグアイやベネズエラの監督が知っているのか?という疑問もある。MF長谷部やMF本田圭はすでに代表を引退しているがこのあたりの情報も、おそらく、知られてはいないだろう。
■ 選手招聘の難しさは知り尽くしているはず。ロシアW杯を区切りに日本代表はメンバーが大きく変わった。ロシアW杯の時に主力だった選手がほとんどいないことを持って「日本代表は本気ではない。」と言っているのであれば完全な筋違いであり、アジア杯のときにロシアW杯の時の主力が少なかったことから「日本は本気ではない。」と一部で批判されたことを考えると「いつもの森保JAPANの主力の大半」を招聘できたとしても似たような批判はあっただろう。
国内ならびに世界のサッカーの事情に疎い日本人の一部が「日本代表はコパ・アメリカに主力を送り出すべきだった。」、「日本代表はコパ・アメリカという大会を舐めている。」と批判するのは仕方がないと思うが、選手の拘束に関するサッカー界のルールについて知り尽くしているはずのベネズエラやパラグアイの代表監督がサッカー事情に疎い一部の日本人と同じようなことを述べるのはかなり残念に感じる。
1999年にコパ・アメリカに初参加した後も、日本代表は何度か同大会への出場を打診されているが、全て断って来た。記憶に新しいところでは2011年にも参加を打診されていたが東日本大震災の影響でJリーグのリーグ戦が大幅に変更になったこともあって辞退となった。Jリーグを含めた日本国内の日程もカツカツの状態なので「J1のリーグ戦を中断してコパ・アメリカに参加する。」というのは難しくなっている。
■ 招待をする側の態度としては最悪20年前の1999年大会のときはシドニー五輪の予選と日程が重なったので五輪世代の選手のほとんどは招集できなかったが、Jリーグでプレーする選手は問題なく召集できた。当時は海外組もほとんどいなかったので「あの時点ではベストに近いメンバー」をコパ・アメリカに送り出すことができたが、20年が経過して日本のサッカーは大きく変わった。精いっぱいの交渉を行った結果が今回のようなメンバーである。
これまで何度もコパ・アメリカの参加を断って来た最大の理由は「ベストメンバーを揃えるのは無理」という点になる。コパ・アメリカという大会に敬意を払っているからこそ「ベストメンバーで参加できないこと」を理由に参加を断ってきたが、「それでもいいので何とかコパ・アメリカに参加してほしい。」と言われて、「五輪世代中心のメンバー構成でよければ・・・。」と参加を決断したのがここまでの経緯である。
もちろん、「ベストメンバーとは程遠いメンバー構成であること。」は否定できないが、それでもFW岡崎慎やMF柴崎岳やMF中島翔やDF冨安などの招聘には成功。国内組に関してもJ1やJ2のリーグ戦ならびにACLのラウンド16が行われている最中であるにも関わらず、各クラブに無理を言って何人かを招集している。各クラブに負担をかけて苦労をして集めたメンバーを批判をされるというのは気分が良くない。
「今後もコパ・アメリカに招待国を呼ぶのか?否か?」は南米サッカーに携わる人が決めればいい話である。「今後、招待国はコパ・アメリカに呼ばない。」となっても他地域の人は誰も文句は言わないが、招待をしておいて、招待された国の立場や状況を考えずに公の場で批判をするというのは招待をする側の態度としては最悪である。本件に関するベネズエラやパラグアイの監督の日本批判はかなり不快に感じる。
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