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【J1】クラブ別のオフの移籍市場の序盤戦の雑感 (川崎フロンターレ・横浜Fマリノス・湘南ベルマーレ) (2017年-2018年) | | |　

川崎フロンターレ

→　大逆転で初のリーグタイトルを勝ち取った川崎Fは鬼木監督の続投が確実視されている。「風間監督の後釜」という難しい役割を見事にこなした鬼木監督の手腕は高く評価されるべきである。長期政権になる可能性もあるがいずれにしても「ようやくつかんだ初タイトル」は川崎Fというクラブを大きく発展させるだろう。タイトル争いの常連になってこれからの数年間にいくつかタイトルを積み上げる可能性は高い。

クラブとして大きな一歩を踏み出す初タイトルになったが現時点では補強に関するニュースは意外と少ない。「J1優勝」や「J2優勝」や「J1昇格」が決まった直後はオフの補強に関するニュースが続々と流れてくるのが普通。「J2昇格」を決めた長崎の補強に関するニュースはたくさん流れているが川崎Fはかなり静かである。多額のマネーを手に入れたが戦力は充実しているので補強は最小限にとどまる可能性もある。

新卒の選手の加入のニュースを除くと現時点で確定しているのは期限付き移籍だったMFハイネルの退団くらい。MFハイネルは攻撃的なスペックの高い選手だったがなかなか出場機会が伸びなかった。仕方がない。新卒の選手ではMF脇坂(阪南大)とMF守田(流通経済大)の加入が内定しているが共にユニバーシアードの日本代表。金メダルを獲得している選手なので即戦力になることが期待されている。

各ポジションにタレントを抱えているので補強ポイントは決して多くないがFW小林悠への負担が大きいフォワードが最優先補強ポイントと言える。FW阿部浩の1トップ起用がはまった時期もあったが基本はサイドの選手である。大卒2年目となるFW知念の成長と飛躍に期待したいが「まだJ1では難しい。」と判断された場合は即戦力のCFの獲得に動くだろう。ACLのことを考えるとサイズのあるCFを1人は抱えておきたい。

横浜Fマリノス

→　昨オフはフロントのゴタゴタ劇が大きな話題になった。MF中村俊やGK榎本哲といった主力が何人も流出したので前評判は非常に低かったが5位と好成績を残した。多くの人の予想を裏切る快進撃を見せたが就任3年目のモンバエルツ監督は今シーズン限りでの退任が決定している。後任監督として関塚監督や井原監督の名前が浮上しているが現時点ではポステコグルー監督が最有力候補と言われている。

長期離脱中のMF齋藤学は順調に回復したとしても復帰時期は5月下旬あたり。W杯の中断期間前に復帰できるかどうかは微妙なので12節～13節あたりまではプレーすることができない。その上、MFマルティノスは「浦和への移籍が濃厚」と報じられている。MFマルティノスとMF齋藤学という両翼の仕掛けがここ2年間の横浜FMの大きな武器だったのでMFマルティノスが流出すると大きな穴が空くことになる。

MF前田直、MF遠藤渓、MFイッペイ・シノヅカなど若手が控えているがいずれの選手も「横浜FMでスタメンを勝ち取るためにはレベルアップが必要」と言える選手である。監督が代わるのでスタイル自体が大きく変わる可能性もあるがアタッカーの補強は急務である。昨オフは「ポテンシャルの高い若手」を他クラブから引き抜くケースが多かったが今オフは「即戦力になれるアタッカー」にターゲットを絞りたい。

「DF中澤の後継者探し」は近年の横浜FMの重要なテーマの1つになるが昨オフに獲得に乗り出したDF岩波(神戸)は「浦和への移籍が濃厚」と報じられている。年齢的にも実力的にも経験値にも打ってつけの存在だったが獲得は難しい状況である。当然、全盛期と比べると力は落ちているが何だかんだでDF中澤の貢献度は高い。DF栗原もそろそろ年齢的に厳しくなってきたのでCBは悩みの種になっている。

湘南ベルマーレ

→　「J2優勝」が決まった後は勝ち点が伸び悩んだので最終的には2位の長崎との差が「3」に縮まったが秋以降はほぼ独走で無事に「1年でのJ1復帰」を果たした。10月28日(土)の時点で「J1復帰」が確定したので早いタイミングでJ1昇格を決めることが出来たというアドバンテージをオフの補強で最大限に活用したかったが現時点では新卒の選手(高卒・大卒)を除くと目立った補強のニュースは流れていない。

近年はMF菊地俊やDF三竿雄やDF杉岡など新卒の選手の活躍が目立っているが今オフはすでに7人のルーキーの加入が決定している。湘南ユースの選手が2人、大学生が4人で、あと1人は長野高のMF新井光になるが大卒の4人に関しては「1年目からある程度はやれる。」という目途が立っているのだろう。なかなか補強のニュースが流れてこないので「即戦力として期待できる大学生を獲得できた。」とも考えられる。

ただ、鳴り物入りで加入した大学生でも1年目は期待外れに終わるケースが多いのでJリーグで実績のある選手を何人かは加えないとJ1の舞台では苦戦は免れない。ケガでシーズンの大半を棒に振ったMF高山薫、23試合の出場にとどまったMF菊地俊がフル稼働できれば大きな戦力になるがここから補強の部分でフロントが相当に頑張らないと「降格候補の1つ」という立ち位置で開幕を迎えることになるだろう。

J2優勝に大きく貢献したMF山田直は浦和への復帰が確実視されているのでこの穴をどう埋めるのか？が最大の注目点になる。MF山田直を除くと主力の流出の噂が流れていない点はポジティブに考えられるが、運動量が多くて、かつ、技術の高いMF山田直の貢献度は相当に高かったので大きな穴になる可能性がある。2014年と比較するとJ2の戦いで圧倒できたわけではないので今オフは効果的な補強が期待される。