■ Jリーグの開幕まであと1週間Jリーグの開幕まであと1週間。恒例のゼロックス・スーパーカップが日産スタジアムで開催された。2016年のJリーグ王者で、かつ、天皇杯王者でもある鹿島アントラーズが浦和レッズと対戦した。鹿島がリーグ戦と天皇杯をダブル制覇したのでリーグ戦で2位だった浦和が棚ボタでゼロックスの出場権を獲得した。2月21日(火)にACLのGLが開幕するのでJリーグ代表の両チームの仕上がり具合は気になるところである。
鹿島は「4-2-2-2」。GKクォン・スンテ。DF西大伍、植田直、昌子、三竿雄。MF小笠原、レオ・シルバ、遠藤康、土居。FW金崎、ペドロ・ジュニオール。新戦力で2014年~2016年まで3年連続でKリーグのベストイレブンに選ばれているGKクォン・スンテに注目が集まる。ベテランのGK曽ヶ端とのポジション争いが見所になるが現時点ではGKクォン・スンテが正キーパー。GK曽ヶ端が2番手キーパーと考えられる。
対する浦和は「3-4-2-1」。GK西川。DF森脇、遠藤航、宇賀神。MF青木拓、阿部勇、駒井、菊池大、李忠成、武藤雄。FWズラタン。「現時点でのベストメンバー」と考えられる鹿島に対して浦和はDF槙野、MF柏木あたりがベンチ外。MF興梠もスタメンから外れたのでベストメンバーとは言えない11人がスタメンで起用された。新加入選手の中では湘南から加入したMF菊池大が左WBの位置でスタメン出場を果たした。
■ 3対2で競り勝った鹿島アントラーズ試合の立ち上がりこそ浦和が攻め込んだがその後は鹿島ペースとなる。鋭いカウンターを中心に浦和ゴールを脅かして何度も決定機を作る。3度ほど日本代表のGK西川の好セーブに防がれるなど先制ゴールが遠かったが前半39分にゴールやや右寄りの絶好の位置でFKを獲得するとMF遠藤康が得意の左足で鮮やかに決めて鹿島が先制に成功する。さらに前半43分にもMF遠藤康が右足で決めて貴重な追加点を奪った。
0対2となった浦和は後半開始からシャドーのMF李忠成に代えてMF興梠を投入。さらに後半19分にはMF関根貴とMF長澤を同時投入する。攻撃的な選手を次々に投入してくると後半27分にMF興梠がエリア内で倒されてPKを獲得。これを自ら決めて1点差に迫ると直後の後半30分には途中出場したMF関根貴のクロスから最後はこぼれ球をMF武藤雄が押し込んであっという間に浦和が2対2の同点に追いついた。
浦和ペースになるかに思えたが後半38分にDF遠藤航のキーパーへのバックパスが短くなったところを途中出場のFW鈴木優が押し込んで鹿島が3対2と勝ち越しに成功する。プレシーズンで結果を残しているFW鈴木優はこの日もゴールという形でアピールに成功した。試合はそのまま3対2で鹿島が勝利。最初のタイトルを獲得した。優勝した鹿島は賞金として3,000万円を獲得。敗れた浦和も賞金2,000万円を手にした。
■ 攻守両面で存在感を発揮したMFレオ・シルバ2点ビハインドの浦和が2ゴールを奪って一時は2対2の同点に追いついたので接戦になったが全体を通してみると鹿島の強さが目立つ試合になった。最終スコアこそ3対2だったが点差以上の差を感じる内容だった。もちろん、ほぼベストメンバーと言えるスタメンを組んだ鹿島に対して浦和は主力数名が温存された。ゼロックスに対する意識の差は考慮する必要があるが鹿島の充実ぶりが印象に残る試合になった。
中でもボランチのMFレオ・シルバの存在感は際立っていた。前半40分にイエローカードが受けた後、後半の立ち上がりにもあわやのシーンがあったので「2枚目のイエローカードを受けて退場になること」を恐れて後半24分という早い段階でベンチに下がったが彼が退いた後、浦和が優勢になった。極めて影響力の大きい選手なので「上手くチームに溶け込めるのか?」が心配されたが全く問題なさそうだ。
不用意なキープからボールを奪われて相手にカウンターの機会を与える場面もあったが「ボール奪取力」と「ボールを奪った後の最初のプレーの精度」はJリーグの中では際立っている。スムーズで奇麗にボールを刈り取ることが出来るのでカウンターのチャンスにつながりやすい。ボランチはMF柴崎岳がスペイン2部のテネリフェに移籍することになったがMF柴崎岳の穴を補って余りある活躍ができる選手と言える。
その他では2ゴールを決めたMF遠藤康の活躍も目立った。FWペドロ・ジュニオールやMF金森やMFレアンドロが加入したので攻撃的なポジションの層は厚いがMF遠藤康を外すことはできない。左利きというのも大きな武器で抜群のキープ力は欠かせない。FW金崎とFWペドロ・ジュニオールとMF遠藤康の3人はレギュラー確定。残り1枠をFW鈴木優、MF土居、MF中村充、MFレアンドロなどで争う形になりそうだ。
注目のGKクォン・スンテはそこまで見せ場は無かった。ニューイヤーカップのときも鹿島が攻め込む展開になることが多かったのでまだ華々しい活躍は出来ていないが性格的にも良さそうな選手でチームに溶け込めているように見える。ずっとGK曽ヶ端がゴールを守って来たのでGK曽ヶ端がベンチに座っている姿を見るのはちょっと寂しい気もするがレベルの高い競争が出来ることはチームにとって良いことである。
■ ACLに向けて不安いっぱいの浦和レッズ敗れた浦和は先の通りでメンバーを落として戦ったところを考慮する必要があるが新戦力が上手くチームに馴染んでいて大きなプラスαをもたらしそうな鹿島と比べると物足りなさは否めず。大きなプラスの効果を生み出せる新戦力のFWラファエル・シルバがベンチ外だったことも関係しているとは思うが昨シーズンからさらにパワーアップした鹿島と比較すると現状維持がせいぜいとなる。差が広がった印象になる。
1週間前に行われたFCソウルとの親善試合も内容的にはあまり良くなかったので仕上がり具合は気になるところである。比較的、組み合わせに恵まれた鹿島やG大阪とは対照的に浦和はACLで「死のグループ」と呼ばれるF組に入ったのでACLは初戦から負けられない戦いが始まる。GL突破が期待されるが不安の残る形でACLの初戦となるウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦(A)を迎えることになりそうだ。
ピリッとしない内容だったのは気になるところである。3失点目はDF遠藤航のバックパスが短くなったところをかっさらわれたがキーパーと最終ラインの連携がスムーズではなくて危ういシーンになった場面が3度あった。1回目と2回目は何とか失点にはつながらなかったが同じようなミスを3回繰り返すと鹿島クラスの相手と対戦するときは致命傷になる。理由は定かではないが最終ラインとキーパーの関係が良くなかった。
ネガティブな結果および内容だったが0対2から2ゴールを奪ったところには自力を感じる。選手交代が上手くいかなかった鹿島に対して浦和は選手交代がヒットした。特に後半19分にMF関根貴とMF長澤を同時投入したことが2ゴールに結びついた。MF駒井の右サイドからの仕掛けもまずまず良かったが疲れている時間帯にMF関根貴が投入されると相手は大変である。MF関根貴はキレのあるプレーを連発した。
新加入でボランチのMF長澤が存在感を発揮しているのはプレシーズンの収穫と言える。1週間前のFCソウル戦では同点ゴールを奪ったが現時点では岡山から戻って来たMF矢島慎よりも評価が高い模様。豊富な運動量と高い技術で中盤を活性化させた。Jリーグ制覇とアジア制覇を狙うチームということを考えると最終ラインは質も量も物足りなさを感じるが中盤から前目のポジションに関しては充実している。
2017/01/07 【J1】 順位予想バトル 2017年版 受付終了 (参加者数:493名)
2017/01/08 【J2】 順位予想バトル 2017年版 受付終了 (参加者数:242名)
2017/01/09 【J3】 順位予想バトル 2017年版 受付終了 (参加者数:88名)
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