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【J1】データで見る最も空中戦の強いJリーガーは誰か？ (2016年・攻撃編) | | |　

■　敵陣での空中戦回数の1位はFW豊田(鳥栖)

今度は2016年シーズンのJ1の敵陣での空中戦回数と敵陣での空中戦勝率に注目してみた。まず最初の表1は敵陣での空中戦回数のベスト30となる。当然のことながら、センターフォワードの選手がほとんどになるが、1位になったのはやはりFW豊田(鳥栖)。436回というのはJ1で断トツの1位である。2位はFWウェリントン(福岡)で371回。3位のFWシモビッチ(名古屋)が267回なので3位以下の選手との差は大きい。

4位はFWハモン・ロペス(仙台)、5位はFWジェイ(磐田)、6位はMFアダイウトン(磐田)、7位はFWレアンドロ(神戸)、8位はFW前田遼(FC東京)、9位はFWパトリック(G大阪)、10位はFW大槻周(湘南)と続いていくが、2位～7位までは全て外国人選手なのでCFタイプの日本人選手が少ないことが良く分かるランキングになっている。195センチのFW指宿(新潟)、192センチのFW長沢駿(G大阪)あたりの飛躍に期待したい。

表1. 敵陣での空中戦回数のベスト30 (2016年)

順位	名前	所属	試合数	出場時間(分)	得点	アシスト	敵陣空中戦(回数)	敵陣空中戦/90分
1	豊田　陽平	鳥栖	33	2,970	13	3	436	13.21
2	ウェリントン	福岡	29	2,085	5	3	371	16.01
3	シモビッチ	名古屋	29	2,278	11	2	267	10.55
4	ハモン　ロペス	仙台	32	2,418	10	5	259	9.64
5	ジェイ	磐田	22	1,765	14	2	229	11.68
6	アダイウトン	磐田	34	2,852	6	2	207	6.53
7	レアンドロ	神戸	31	2,711	19	3	194	6.44
8	前田　遼一	FC東京	29	2,050	6	2	185	8.12
9	パトリック	G大阪	20	1,023	2	4	178	15.66
10	大槻　周平	湘南	27	1,672	2	0	136	7.32
11	長沢　駿	G大阪	22	1,152	9	0	134	10.47
12	小林　悠	川崎F	32	2,818	15	11	128	4.09
13	李　忠成	浦和	32	2,137	10	4	123	5.18
14	金崎　夢生	鹿島	30	2,647	10	7	119	4.05
14	オリヴェイラ	柏	30	2,482	12	4	119	4.32
16	渡邉　千真	神戸	33	2,938	12	2	113	3.46
16	城後　寿	福岡	33	2,755	6	1	113	3.69
18	江坂　任	大宮	31	2,091	8	1	107	4.61
19	クリスティアーノ	柏	17	1,484	9	7	105	6.37
20	指宿　洋史	新潟	21	1,286	1	1	101	7.07
21	鈴木　優磨	鹿島	31	1,103	8	2	100	8.16
22	クリスティアーノ	甲府	17	1,504	7	1	94	5.63
23	藤田　祥史	湘南	12	723	1	0	90	11.20
24	永井　謙佑	名古屋	31	2,696	7	3	85	2.84
25	ペチュニク	大宮	21	1,061	1	0	83	7.04
26	平山　相太	FC東京	15	513	5	0	81	14.21
26	ムルジャ	大宮	27	1,989	6	2	81	3.67
28	高山　薫	湘南	33	2,840	4	0	78	2.47
29	伊藤　翔	横浜FM	32	1,311	5	1	71	4.87
30	ジネイ	湘南	10	508	2	2	68	12.05

■　90分あたりの敵陣での空中戦回数の1位はFWウェリントン(福岡)

表2は「90分あたりの敵陣での空中戦回数のベスト30」となるが、1位になったのはFWウェリントン(福岡)で16.01回/90分。2位はFWパトリック(G大阪)で15.66回/90分、3位はFW平山(FC東京)で14.21回/90分、4位はFW豊田(鳥栖)で13.21回/90分、5位はFWジネイ(湘南)で12.05回/90分だった。FW豊田は2015年は16.37回/90分だったのでフィッカデンティ監督になって空中戦を競る回数は減っている。

日本人選手ではFW平山(FC東京)が14.21回/90分で1番上。2位がFW豊田(鳥栖)、3位がFW藤田祥(湘南)、4位がFW長沢駿(G大阪)、5位がFW鈴木優(鹿島)となった。クラブW杯でも活躍したFW鈴木優はサイドハーフでプレーする機会も多いが空中戦は強い。ストライカーというイメージが強いが意外とスルーパスを出す回数も多くてマルチな才能を持った選手である。8.16回/90分というのはかなり多い数字である。

MFクリスティアーノ(柏)は前半戦は甲府、後半戦は甲府でプレーしたが、柏時代が18位、甲府時代が19位にランクインしている。柏時代が6.37回/90分で、甲府時代が5.63回/90分なので柏在籍時の方が空中戦を競るケースが多くなっている。1.5列目や2列目でプレーする機会が多かった選手の中ではMF江坂(大宮)が23位、MF城後(福岡)が27位、MF渡邉千(神戸)が29位、MF永井謙(名古屋)が30位にランクインした。

表2. 90分あたりの敵陣での空中戦回数のベスト30 (2016年)

順位	名前	所属	試合数	出場時間(分)	得点	アシスト	敵陣空中戦(回数)	敵陣空中戦/90分
1	ウェリントン	福岡	29	2,085	5	3	371	16.01
2	パトリック	G大阪	20	1,023	2	4	178	15.66
3	平山　相太	FC東京	15	513	5	0	81	14.21
4	豊田　陽平	鳥栖	33	2,970	13	3	436	13.21
5	ジネイ	湘南	10	508	2	2	68	12.05
6	ジェイ	磐田	22	1,765	14	2	229	11.68
7	藤田　祥史	湘南	12	723	1	0	90	11.20
8	シモビッチ	名古屋	29	2,278	11	2	267	10.55
9	長沢　駿	G大阪	22	1,152	9	0	134	10.47
10	ハモン　ロペス	仙台	32	2,418	10	5	259	9.64
11	鈴木　優磨	鹿島	31	1,103	8	2	100	8.16
12	前田　遼一	FC東京	29	2,050	6	2	185	8.12
13	大槻　周平	湘南	27	1,672	2	0	136	7.32
14	指宿　洋史	新潟	21	1,286	1	1	101	7.07
15	ネイツ　ペチュニク	大宮	21	1,061	1	0	83	7.04
16	アダイウトン	磐田	34	2,852	6	2	207	6.53
17	レアンドロ	神戸	31	2,711	19	3	194	6.44
18	クリスティアーノ	柏	17	1,484	9	7	105	6.37
19	クリスティアーノ	甲府	17	1,504	7	1	94	5.63
20	李　忠成	浦和	32	2,137	10	4	123	5.18
21	伊藤　翔	横浜FM	32	1,311	5	1	71	4.87
22	端戸　仁	湘南	20	1,270	4	1	65	4.61
23	江坂　任	大宮	31	2,091	8	1	107	4.61
24	オリヴェイラ	柏	30	2,482	12	4	119	4.32
25	小林　悠	川崎F	32	2,818	15	11	128	4.09
26	金崎　夢生	鹿島	30	2,647	10	7	119	4.05
27	城後　寿	福岡	33	2,755	6	1	113	3.69
28	ムルジャ	大宮	27	1,989	6	2	81	3.67
29	渡邉　千真	神戸	33	2,938	12	2	113	3.46
30	永井　謙佑	名古屋	31	2,696	7	3	85	2.84

■　敵陣での空中戦勝率の1位はFWジェイ(磐田)

最後は「敵陣での空中戦勝率のベスト30」を示しているがこれは興味深いデータである。1位になったのはFWジェイ(磐田)で68.6%。言うまでもなく、CBの選手とCFの選手が空中戦を競ったときはCBの選手が圧倒的に有利である。敵陣での空中戦勝率に関しては50%を超えると相当に高い勝率と言えるが、FWジェイは68.6%。2015年には20ゴールを挙げてJ2の得点王に輝いたが規格外の選手だったことが分かる。

2位はFWパトリック(G大阪)で64.6％。FWジェイには及ばないがこの数字もなかなかスーパーな数字である。FW長沢駿(G大阪)は43.3%で19位。20%以上の差がある。怪我で長期中なのでG大阪はFWパトリックを欠いた状態でシーズンを戦うことになるが結構なマイナスである。昨シーズンは20試合で2ゴールのみと大不振だったが高さや強さはアクセントになっていた。FWパトリックの穴も決して小さくはない。

3位はFWシモビッチ(名古屋)で60.3％。気温の高い時期にパフォーマンスを落としたがやはり199センチの高さは大きな武器になった。4位はMFジネイ(湘南)で58.8%。来日してから怪我に苦しんでおり、湘南では10試合で2ゴール2アシスト。救世主になることはできなかったがCFとしてのポテンシャルは高いことが良く分かる。仮に怪我なくシーズンを戦うことが出来るとJ2で15ゴール程度を記録してもおかしくない。

■　背が高いのに空中戦に強くない選手は？？？

日本人選手ではFW前田遼(FC東京)が58.1%で1位。2位はFW平山(FC東京)で55.6％となる。ヘラクレスや反町JAPANでプレーしていた頃から「サイズの割には空中戦に強くない選手」と言われることが多いが実際には高確率で空中戦を制している。高さもあるが跳躍力もあるので相手にとっては厄介な選手である。3位はFW小林悠(川崎F)で52.3%。177センチはJリーガーとしては標準的なサイズであるが空中戦に強い。

4番目はFW鈴木優(鹿島)で52.0％、5番目はFW豊田(鳥栖)で50.7％となる。FW豊田は2015年の勝率は56.0％だったので勝率も少し下がっている。ただし、50％以上を超えているので依然として空中戦には強い。結局、勝率が50％以上だったのは12名。日本人選手は5名だけ。FW前田遼(FC東京)、FW平山(FC東京)、FW小林悠(川崎F)、FW鈴木優(鹿島)、FW豊田(鳥栖)は文句なしで空中戦に強い選手と言える。

一方、13位のMF江坂(大宮)や14位のMF永井謙(名古屋)あたりは「そこまで身長が高くないけれども跳躍力があって競り勝つ確率が高い選手」と言える。MFアダイウトン(磐田)は36.2%なので意外と低確率である。また、MFネイツ・ペチュニク(大宮)、MF渡邉千(神戸)、FW藤田祥(湘南)、FW伊藤翔(横浜FM)、FWディエゴ・オリヴェイラ(柏)などは「身長は高いけれども空中戦に強くない選手」の代表例に挙げられる。

表3. 敵陣での空中戦勝率のベスト30 (2016年)

順位	名前	所属	試合数	出場時間(分)	得点	アシスト	敵陣空中戦(回数)	敵陣空中戦/90分	敵陣空中戦(勝率)
1	ジェイ	磐田	22	1,765	14	2	229	11.68	68.6%
2	パトリック	G大阪	20	1,023	2	4	178	15.66	64.6%
3	シモビッチ	名古屋	29	2,278	11	2	267	10.55	60.3%
4	ジネイ	湘南	10	508	2	2	68	12.05	58.8%
5	前田　遼一	FC東京	29	2,050	6	2	185	8.12	58.1%
6	クリスティアーノ	柏	17	1,484	9	7	105	6.37	57.6%
7	平山　相太	FC東京	15	513	5	0	81	14.21	55.6%
8	ウェリントン	福岡	29	2,085	5	3	371	16.01	55.5%
9	小林　悠	川崎F	32	2,818	15	11	128	4.09	52.3%
10	鈴木　優磨	鹿島	31	1,103	8	2	100	8.16	52.0%
11	豊田　陽平	鳥栖	33	2,970	13	3	436	13.21	50.7%
12	クリスティアーノ	甲府	17	1,504	7	1	94	5.63	50.0%
13	江坂　任	大宮	31	2,091	8	1	107	4.61	48.6%
14	永井　謙佑	名古屋	31	2,696	7	3	85	2.84	47.1%
15	大槻　周平	湘南	27	1,672	2	0	136	7.32	46.3%
16	城後　寿	福岡	33	2,755	6	1	113	3.69	46.0%
17	ハモン　ロペス	仙台	32	2,418	10	5	259	9.64	45.9%
18	指宿　洋史	新潟	21	1,286	1	1	101	7.07	44.6%
19	長沢　駿	G大阪	22	1,152	9	0	134	10.47	43.3%
20	李　忠成	浦和	32	2,137	10	4	123	5.18	40.7%
21	金崎　夢生	鹿島	30	2,647	10	7	119	4.05	40.3%
22	ペチュニク	大宮	21	1,061	1	0	83	7.04	39.8%
22	渡邉　千真	神戸	33	2,938	12	2	113	3.46	39.8%
24	藤田　祥史	湘南	12	723	1	0	90	11.20	37.8%
25	アダイウトン	磐田	34	2,852	6	2	207	6.53	36.2%
26	高山　薫	湘南	33	2,840	4	0	78	2.47	35.9%
27	奥埜　博亮	仙台	34	2,437	4	3	66	2.44	34.8%
28	レアンドロ	神戸	31	2,711	19	3	194	6.44	33.0%
29	伊藤　翔	横浜FM	32	1,311	5	1	71	4.87	32.4%
30	オリヴェイラ	柏	30	2,482	12	4	119	4.32	31.1%