サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

最近のエントリー (20記事)

　2024/01/14 【J1：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：342名)
　2024/01/09 【J2：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：172名)
　2024/01/10 【J3：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：83名)

お勧めしたいエントリー (15記事)

【J2】残留争いの展望 (2016年の後半戦)～ザスパクサツ群馬とツエーゲン金沢が軸か～ | | |　

■　稀に見る混戦になっている残留争い

J2は22節が終了した。「22チームによる2回戦総当たり方式のリーグ戦」となるので各チームは年間で42試合を戦うことになる。よって「折り返し地点を少し過ぎた段階」と言えるが今シーズンも残留争いは熾烈を極める。昨シーズンは大分が21位になって入替戦に進んだが町田に敗れて「J3降格」が決定した。さらに22位の栃木SCが「自動降格」となったが今シーズンも思わぬチームが残留争いに巻き込まれている。

上位の札幌や松本山雅やC大阪などが順調に勝ち点を伸ばしているので「それ以外のクラブ」の勝ち点は全体的に伸び悩んでいる。地震の影響で熊本は3試合、札幌と愛媛FCと長崎と水戸と横浜FCの5チームは1試合消化が少ないが、9位の千葉から20位の群馬までは「10差」。勝ち点「24」のチームが3つ、勝ち点「23」のチームが4つもある。13位の長崎から19位の東京Vまでが勝ち点「1」の差の中に入っている。

稀に見る大混戦と言えるが北九州が残留争いに巻き込まれている点が一番の驚きと言える。開幕前は「J1昇格候補の1つ」と言われていたがここまで5勝12敗5分けで20位。残留圏ギリギリと低迷している。序盤でダブルエースのFW小松塁とFW原一樹を揃って欠く試合が多かったのは一番の誤算で、さらには最終ラインも怪我人が続出した。替えの利かない選手だった右SBのDF星原が怪我で抜けた穴を埋めきれなかった。

しかしながら徐々に怪我人が戻ってきており、18節からの4試合は3勝1敗。アウェイで千葉に勝利するなど持ち直したかに思えたが直近の22節はアウェイで山口に1対5の完敗。「関門海峡ダービー」で惨敗を喫した。21位で入替戦圏内となる群馬との差は「1」。来年の春には新スタジアムが完成するが「初年度をJ3で迎えることになる。」というのはクラブにとっては大ダメージである。残留は至上命題と言える。

順位	チーム名	勝点	試合数	勝数	引分数	敗数	得点	失点	得失点差
1	コンサドーレ札幌	46	21	14	4	3	33	15	18
2	松本山雅FC	44	22	13	5	4	34	18	16
3	セレッソ大阪	44	22	13	5	4	31	20	11
4	ファジアーノ岡山	39	22	11	6	5	34	24	10
5	京都サンガ	38	22	10	8	4	29	20	9
6	清水エスパルス	37	22	10	7	5	41	18	23
7	町田ゼルビア	36	22	10	6	6	25	18	7
8	レノファ山口	34	22	10	4	8	33	34	-1
9	ジェフ千葉	29	22	7	8	7	28	26	2
10	モンテディオ山形	28	22	7	7	8	24	24	0
11	愛媛FC	27	21	6	9	6	16	19	-3
12	徳島ヴォルティス	25	22	7	4	11	20	25	-5
13	V・ファーレン長崎	24	21	5	9	7	24	29	-5
14	ロアッソ熊本	24	19	7	3	9	22	31	-9
15	FC岐阜	24	22	7	3	12	26	36	-10
16	水戸ホーリーホック	23	21	5	8	8	20	21	-1
17	横浜FC	23	21	6	5	10	22	27	-5
18	カマタマーレ讃岐	23	22	5	8	9	22	28	-6
19	東京ヴェルディ	23	22	5	8	9	19	29	-10
20	ギラヴァンツ北九州	20	22	5	5	12	20	36	-16
21	ザスパクサツ群馬	19	22	4	7	11	24	34	-10
22	ツエーゲン金沢	16	22	3	7	12	21	36	-15

■　もっとも苦しい立場なのはツエーゲン金沢

入替戦圏内となる21位の群馬は4勝11敗7分け。開幕2連勝と好スタートを切ったがその後は苦しんでいる。ただ、大卒ルーキーのFW瀬川祐を2トップの一角で起用するようになってからコンスタントに点が取れるようになっている。夏の移籍市場でFW田代容(神戸)とDFパク・ゴン(長野)の獲得に成功。GK清水慶、DF坪内、MF松下裕、FW瀬川祐とセンターラインの軸がしっかりしているのが群馬の強みになっている。

最下位の金沢は3勝12敗7分けと苦しい戦いが続いているが直近の4試合は1勝1敗2分け。19節はホームで岡山と引き分けて、20節はアウェイで徳島に勝利している。22節の松本山雅戦(A)は2対4で敗れたが2点ビハインドから一時は2対2の同点に追いつくなど開幕直後と比べるとチーム状態は良くなってきている。松本山雅との試合は4失点を喫したが課題の守備陣がここ最近は頑張っていて失点数は減ってきている。

ポジティブな要素がいくつかあるがそうは言っても現段階では金沢が最も苦しい立場にいるのは確かである。「自動降格の可能性が最も高いのは金沢である。」と言わざる得ない状況であるが夏の移籍市場MF中美(鳥栖)を獲得。一番の課題だった2列目の補強が出来ている。金沢が勝ち点を伸ばし始めると多くのチームにプレッシャーがかかってくる。MF熊谷アンドリューやMF古田などの活躍に期待がかかる。

■　群馬と金沢が残留争いの中心か。

16位が水戸、17位が横浜FC、18位が讃岐、19位が東京Vとなっているが、この中では讃岐の状態が良くない。開幕7試合は4勝2敗1分けとスタートダッシュに成功したが8節以降は1勝7敗7分け。16節はアウェイでC大阪に勝利しているがここ15試合で勝利したのはこの試合のみ。自慢の堅守が失われており、攻撃陣も開幕当初と比べると攻めきれない試合が増えている。降格ゾーンが気になるところまで落ちてきた。

16位の水戸は「15節から7試合勝ちなし」と苦しんだ時期もあったが22節はアウェイで千葉に1対0で勝利。8試合ぶりの勝利を手にした。ただし、勝てなかった時期も引き分けが多くて7試合で0勝2敗5分け。それなりに勝ち点は取れている。21試合で21失点というのはリーグ8番目。8位以下の15チームの中では愛媛FCに次いで2番目に少ない数字となる。DF細川とDF宋株熏を中心とした守備陣はよく頑張っている。

17位の横浜FCはここ10試合で1勝6敗3分けと低調。ミロシュ・ルス監督が体調不良で辞任するなど慌しいシーズンになっている。FWイバとFW大久保哲哉の2人はともに5ゴールを上げているが同時起用されることはほとんどない。ともに190センチの長身であるが足元の技術の高いFWイバに対してFW大久保哲哉は高さと強さが武器。FW大久保哲哉は献身性もあるので「2トップの人選」が大きなポイントになるだろう。

19位の東京Vは直近の6試合は2勝2敗2分け。千葉・京都・C大阪・岡山と上位との対戦が多かったことを考えるとまずまずの成績を残している。22節の岡山戦(H)は怪我で負傷交代となったが18歳のMF井上潮が台頭。21歳のMF澤井が攻撃に絡めるようになっており、FWドウグラス・ヴィエイラがチームに馴染んできたのも大きい。DF井林を中心とした守備陣がどこまで失点を最小限に抑えることが出来るかがカギとなる。

残りはまだ20試合もある。これだけ混戦になっているので展開を予想するのは難しいが、もともとの戦力や調子を考えると21位の群馬と22位の金沢の2チームが残留争いの中心になりそうだ。15位のFC岐阜、16位の水戸、18位の讃岐あたりは終盤まで残留争いに巻き込まれるのではないか。13位の長崎、19位の東京V、20位の北九州については攻撃陣にタレントがいるので早い時期に残留争いから抜け出す可能性がある。