■ 東京五輪の中心となることが期待されるMF堂安律大成するためには「ある程度以上のサイズ」が必須の条件となるキーパーやセンターバックのポジションはアッと驚くような選手が台頭してくる可能性は他のポジションと比べるとかなり低くなる。その一方でサイズや身体的な能力に恵まれなかったとしてもプレースタイル等によっては大成できる可能性もある攻撃的MFの選手は「数年前まではほとんど期待されていなかった選手が大飛躍するケース」が珍しくはない。
前回のエントリーで名前を挙げたMF武藤雄(浦和)やMF茶島(広島)などが代表例に挙げられるが、彼らはここ1年ほどあるいはここ半年ほどで評価を急上昇させることができた。その一方で「10代の頃は期待されていたのに意外と伸びなかった。」という選手も多いポジションなので将来を見通すことがもっとも難しいポジションの筆頭が攻撃的MFとなるが、それでも現段階である程度は見通しを立てることができる。
ここでは「1995年1月1日以降に生まれた選手」に限定して話を進めていきたいと思うが、1998年生まれで東京世代となるMF堂安(G大阪)は要注目の若手アタッカーである。現在は高校3年生。4年後に迫った2020年の東京五輪のときの五輪代表の主力になることが期待されているが今シーズンはJ3リーグで7試合に出場して4ゴールを記録。J3ではあるが得点ランキングは2位タイと目覚ましい活躍を見せている。
同じG大阪ユース出身のMF宇佐美と比較されることが多くなっているがタイプ的には同じくG大阪ユースの先輩にあたるMF家長(大宮)によく似ている。強靭なフィジカルを持っていて、当たり負けしない体の強さと高度な技術を兼ね備えている。MF宇佐美やMF家長と比較すると運動量が多い点も魅力で欠点は少ない。高校2年生の段階でJ1デビューを果たしているがU-19日本代表での活躍も期待されている。
■ 期待を集める東京世代のアタッカーたち東京世代の選手ではMF三好(川崎F)、MF遠藤渓(横浜FM)、MF森晃太(甲府)などもJ1で出場機会をすでに獲得している有望株である。MF三好は川崎F、MF遠藤渓は横浜FMでプレーしているが、日本代表クラスの選手がたくさんいるチームで存在感を発揮できているのは能力の高さの証明と言える。MF三好は狭いスペースでも生きる技術を持っていて、MF遠藤渓はスピードを含めた走力も大きな武器となる。
名古屋U18から甲府に進んだMF森晃太は早くも切り札的な存在になっている。175センチ/69キロなのでアタッカーの選手としてはごく標準的なサイズとなるがフィジカルが強くてゴールへ向かう積極性も高く評価されている。性格的にもプロ向きと言えるだろう。甲府はDF山本英を中心にベテランがチームを引っ張っているがここに来て若手がノビノビとプレーできる環境になってきた。若手の台頭も目立つ。
リオ世代ではMF鎌田(鳥栖)には期待せざる得ない。スルーパスを得意にしていることもあって「中田英寿・2世」と言われることが多くなっているが、全盛期のMF中田英と同様で非常に運動量が多い。ボールを受けるために絶えず動き回っていることもあって90分換算の走行距離はリーグでもトップクラス。天才肌の若手にありがちな「運動量や守備意識が課題」という選手では全くない点が注目ポイントと言えるだろう。
MF鎌田と同様で手倉森JAPANに招集された経験のあるMF鈴木優(鹿島)も将来が嘱望される選手である。日本代表のFW金崎(鹿島)をお手本にしているというが、がつがつ行くところなどプレースタイルはよく似ている。FW金崎も大分や名古屋のときはチャンスメーカーだったのでMF鈴木優が2列目で大成するのか、フォワードで大成するのかは分からないが、これだけ貪欲にプレーできる日本人の若手は本当に珍しい。
■ 「ベトナムのメッシ」の実力は・・・。J2でプレーする若手の攻撃的MFで、今、もっとも注目を集めているのはMF汰木(山形)である。開幕から8試合勝ちなしと苦しんだ山形を救ったのはプロ3年目で左サイドハーフで起用されたMF汰木だった。ここに来て山形は3連勝。V字回復を果たしたが独特のリズムを持っている20歳のMF汰木の貢献度は高い。横浜FMユースの頃から将来を期待されていたが183センチと日本人のドリブラーにしては大柄である。
同じく20歳のMF嶋田慎(熊本)は早くもチームの攻撃の中心として活躍している。2015年は38試合で6ゴール。飛躍のシーズンになったが人とは違った感性を持っており、中でも左足のキックは絶品。昨シーズンのJ2の第26節の千葉戦(@フクダ電子アリーナ)で決めたロングシュートは圧巻だったが、ストレート系の伸びていくようなキックは一番の武器であり、彼の代名詞になりつつある。創造的なプレーができる。
期限付き移籍先のドルトムントで経験を積んでC大阪に戻ってきたMF丸岡満(C大阪)も大きな期待を集めている。今シーズンは怪我で出遅れたこともあって、C大阪U-23で試合に出場できるようになってから1か月ほどしか経過していない。J3でも大きなインパクトを残す活躍は出来ていないが世界でも上位クラスのクラブであるドルトムントで得たものはたくさんあるはず。J3で結果を残してトップチームに絡みたい。
同じ怪我で出遅れていたFWグエン・コンフォン(水戸)は5月7日(土)に行われた12節の北九州戦(H)でJリーグデビューを飾ったが、「ベトナムのメッシ」と呼ばれるほど突破力に優れている。1月に行われたU-23アジア選手権のときもベトナムの絶対的な攻撃の中心として活躍したが、日本ならびにJリーグの環境にアジャストできるかどうか。ドリブルやパスを含めた攻撃の部分でのセンスは目を見張るものがある。
「特に有望な選手だ。」と思う攻撃的MF・10人(1995年1月1日以降に生まれた選手に限定) MF 堂安律 (ガンバ大阪)
MF 三好康児 (川崎フロンターレ)
MF 遠藤渓太 (横浜Fマリノス)
MF 森晃太 (ヴァンフォーレ甲府)
MF 鎌田大地 (サガン鳥栖)
MF 鈴木優磨 (鹿島アントラーズ)
MF 汰木康也 (モンテディオ山形)
MF 嶋田慎太郎 (ロアッソ熊本)
MF 丸岡満 (セレッソ大阪)
MF グエン・コンフォン (水戸ホーリーホック)
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