■ 未勝利なのはアビスパ福岡&湘南ベルマーレJ1は1stステージの8節が終了したが九州地方を襲った地震の影響で7節に行われる予定だった鳥栖 vs 神戸、福岡 vs 名古屋が延期になった。(8節*9試合-2試合)なのでカウントしてみると1年間に行われるJ1のリーグ戦の全日程の22.9%が終了したことになる。4月29日(金)と4月30日(土)に行われる9節が終了すると全日程の1/4強が終了したことになるので4月末の段階ではあるがそろそろ中盤戦に差し掛かっている。
ここまでのところ、未勝利なのは福岡と湘南。福岡は0勝4敗3分け、湘南は0勝6敗2分け。1勝のみなのは鳥栖で1勝4敗2分け。16位の鳥栖、17位の福岡、18位の湘南の3チームが降格圏に位置する。鳥栖と福岡に関しては1試合消化が少ない点を考慮する必要はあるが(まだ8試合 or 9試合の段階とは言っても)降格圏に位置するのは気持ちの悪い話である。言うまでもなく一日でも早く降格圏を脱出したいところである。
この中で意外なのは鳥栖である。開幕の福岡戦(H)は2対1で勝利して好スタートを切ったが2節以降は勝ちなし。ナビスコカップを含めると9試合勝ちなしで直近の9試合は0勝6敗3分け。厳しい序盤戦になっているが2失点したのはJ1の4節の横浜FM戦(A)のみ。無失点の試合はゼロ。2対1で勝利した開幕の福岡戦(H)を含めると10試合中9試合が1失点。0対1で負けた試合が5試合もあるので単純に点が取れていない。
■ 9試合勝ちなしで降格圏のサガン鳥栖今シーズンからフィッカデンティ監督が就任したがパスは回っている。FC東京のときは主にFW武藤嘉の走力を全面に押し出すサッカーだったが一転して鳥栖では特定の誰かに頼ったサッカーではなくてボールを回して攻め込む場面が多いがそれもあって一番の武器であるFW豊田を生かし切れていない。ここまで2ゴール。何よりも気になるのは表情である。欲しいタイミングでボールが出てこないで常にイライラしている。
ただ、スタッツを見るとゴール前にクロスが上がっていないわけではない。新加入の右SBのDF藤田優は7節終了時点でクロス数がMFミキッチ(広島)に次いでリーグ2位。怪我で数試合を欠場した左SBのDF吉田豊も結構な数のクロスを上げているはずなのでボールを保持しながらサイドに展開してクロスを上げるところまでは持ち込めているがその割には「全然、FW豊田にいいボールが入ってこない。」という印象が強い。
フィッカデンティ監督はFC東京の監督に就任した2014年も春先はあまりいいサッカーが出来なくて結果も出なかった。「4-4-2」という大半の選手にとっては不慣れなシステムを採用していることも絡んで「慣れるまでに時間がかかる。」というのは確かだと思うが、FC東京のときに見せていた守備の堅さはほとんど見られず。試合中に臨機応変にシステムを変えて流れを呼び込むような試合も今のところは見られない。
■ 厳しい戦いが続く湘南ベルマーレ鳥栖は10位前後に予想する人が多かったので予期せぬ低迷と言えるが、福岡と湘南は開幕前からあまり評価が高くなかった。現段階では低評価を覆すことができずにいるがより深刻なのは湘南。開幕の新潟戦(H)、2節の川崎F戦(A)、3節の広島戦(A)の内容は非常に良くて、実際に川崎F戦(A)と広島(A)は後半のアディショナルタイムまでリードを奪っていたが終了間際に失点。勝てる試合で引き分けたのは痛かった。
4節の浦和戦(H)からJ1では5連敗中。「内容が良かったのに勝てなかった。」というのは最初の3試合のみ。5連敗中は内容もあまり良くない。攻守両面でアグレッシブにプレーすることがベースとなるチームであるがこれだけ結果が出ないと疑心暗鬼になってくる。湘南のようなスタイルのチームは結果が出ないとアグレッシブさが無くなってきて余計に結果が出にくくなるのは仕方がない。とにかく早く初勝利が欲しい。
悪い流れを変えるきっかけが必要になってくるが高校3年生になったばかりで17歳のボランチのMF齊藤未は面白い。湘南ユース所属で年代別代表にも選ばれている期待の星であるが積極的にプレーに関与することができる。165センチ/61キロと小柄な選手であるがボール奪取力が高くて推進力もある。青森山田高出身の高卒ルーキーのMF神谷も面白いプレーができる選手なので若い選手に期待したい。
福岡は0勝4敗3分け。最終的には敗れた試合も接戦になることがほとんど。守備に関しては大崩れはしていない。J2で武器になった「堅守」はある程度は通用しているが7試合で4ゴールのみ。得点力に不安を抱えている。守備陣は集中を切らすことなく最少失点で抑えているがこういう展開がずっと続くようだと集中力が切れてくる。今のところは大丈夫であるが、3失点や4失点で敗れる試合が出てくると危険信号である。
■ 危うい雰囲気があるのはアルビレックス新潟13位の甲府が2勝3敗3分け、14位の新潟が2勝5敗1分け、15位の仙台が2勝5敗1分けとなっている。8節終了時点で2勝以下のチームは13位の甲府より下の6チームだけ。今の段階では甲府・新潟・仙台・鳥栖・福岡・湘南の6チームが残留争いの中心になっているが6チームの中で最上位となる甲府は何人のキープレーヤーが抜けたにもかかわらず、エースのMFクリスティアーノを中心にいい戦いを見せている。
メンバーが変わっても基本となるスタイルは変わらない。城福監督ならびに佐久間監督が作ってきた「甲府スタイル」がある程度は確立されているので今シーズンも負けにくいチームになっている。MFクリスティアーノという絶対的なエースを抱えているのも強みなので開幕前の低評価を覆して中位争いに加わる可能性はある。新戦力でナイジェリア出身のFWチュカも面白い選手なので意外とポジティブ要素は多い。
仙台は4節から4連敗。8節の神戸戦(A)は2対1とリードしたまま後半のアディショナルタイムを迎えたがMF渡邉千に同点ゴールを許した。5試合勝ちなしと危うい雰囲気が出てきたが、それ以上に危険な香りを漂わせているのが新潟である。ナビスコカップを含めると公式戦は4連敗中。吉田監督が就任して後方からパスをつなぐサッカーにチャレンジしているが組み立ての途中でボールを失ってピンチを招く場面が多い。
1対2で敗れた8節の名古屋戦(A)の試合後はふがいない戦いに怒りを露わにするコアなサポーターの姿が目立ったが「昨シーズンまでは当たり前のようにできていたものが出来なくなっている。」という部分に不信感を持つサポーターは多いのではないか?と想像できる。新潟は10節から鹿島(A)→G大阪(H)→浦和(A)→川崎F(H)という強豪との4連戦が待っている。次の甲府戦(H)は絶対に勝たなければならない。
表1. 各クラブの残り9試合 or 10試合の対戦相手と平均の順位
順位 | チーム名 | 残り試合の対戦相手の平均順位 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ |
2015年の順位 | 2016年の順位 |
1 | 浦和レッズ | 8.33 | 9.33 | 名古屋 | 大宮 | 新潟 | FC東京 | 鳥栖 | 鹿島 | G大阪 | 広島 | 神戸 | |
2 | 川崎フロンターレ | 12.33 | 10.11 | G大阪 | 仙台 | 柏 | 神戸 | 新潟 | 磐田 | 横浜FM | 福岡 | 大宮 | |
3 | 鹿島アントラーズ | 12.22 | 9.56 | 大宮 | 新潟 | 磐田 | 横浜FM | 名古屋 | 甲府 | 浦和 | 神戸 | 福岡 | |
4 | サンフレッチェ広島 | 10.00 | 10.33 | 磐田 | 鳥栖 | 柏 | G大阪 | 福岡 | 神戸 | FC東京 | 浦和 | 甲府 | |
5 | 横浜F・マリノス | 9.22 | 9.11 | 湘南 | 名古屋 | 甲府 | 鹿島 | 神戸 | 柏 | 川崎F | 大宮 | FC東京 | |
6 | 大宮アルディージャ | 10.11 | 9.22 | 鹿島 | 福岡 | 浦和 | 仙台 | 鳥栖 | 神戸 | 新潟 | 横浜FM | 川崎F | |
7 | 柏レイソル | 9.78 | 10.56 | 神戸 | 甲府 | 川崎F | 広島 | 福岡 | 横浜FM | 仙台 | 名古屋 | 湘南 | |
8 | ガンバ大阪 | 8.22 | 9.67 | 川崎F | 新潟 | 磐田 | 広島 | FC東京 | 湘南 | 浦和 | 鳥栖 | 名古屋 | |
9 | ジュビロ磐田 | 7.22 | 9.44 | 広島 | 神戸 | 鹿島 | G大阪 | 甲府 | 川崎F | FC東京 | 湘南 | 仙台 | |
10 | ヴィッセル神戸 | 8.50 | 6.40 | 鳥栖 | 柏 | 磐田 | 名古屋 | 川崎F | 横浜FM | 大宮 | 広島 | 鹿島 | 浦和 |
11 | 名古屋グランパス | 8.90 | 9.80 | 福岡 | 浦和 | 横浜FM | 神戸 | 甲府 | 鹿島 | 湘南 | 鳥栖 | 柏 | G大阪 |
12 | FC東京 | 9.11 | 10.22 | 福岡 | 湘南 | 鳥栖 | 浦和 | G大阪 | 磐田 | 広島 | 新潟 | 横浜FM | |
13 | ヴァンフォーレ甲府 | 10.67 | 9.44 | 新潟 | 柏 | 横浜FM | 名古屋 | 磐田 | 鹿島 | 福岡 | 仙台 | 広島 | |
14 | アルビレックス新潟 | 8.22 | 8.44 | 甲府 | 鹿島 | G大阪 | 浦和 | 川崎F | 仙台 | 大宮 | FC東京 | 鳥栖 | |
15 | ベガルタ仙台 | 12.67 | 11.33 | 鳥栖 | 川崎F | 福岡 | 大宮 | 湘南 | 新潟 | 柏 | 甲府 | 磐田 | |
16 | サガン鳥栖 | 8.40 | 9.90 | 神戸 | 仙台 | 湘南 | 広島 | FC東京 | 大宮 | 浦和 | 名古屋 | G大阪 | 新潟 |
17 | アビスパ福岡 | 8.60 | 9.10 | 名古屋 | FC東京 | 大宮 | 仙台 | 湘南 | 柏 | 広島 | 甲府 | 川崎F | 鹿島 |
18 | 湘南ベルマーレ | 10.22 | 11.11 | 横浜FM | 鳥栖 | FC東京 | 福岡 | 仙台 | 名古屋 | G大阪 | 磐田 | 柏 | |
2015年の順位→大宮:16位、磐田:17位、福岡:18位とする。 |
★ 現在の投票数 → 155票
→ 投票したいチームを選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で10チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
→ 記事内容に関係のないコメント(政治的な内容も含む。)はご遠慮ください。
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (GK編) → 304票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (右SB/WB編) → 229票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (左SB/WB編) → 114票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (CB編) → 233票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (ボランチ編) → 329票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (攻撃的MF編) → 372票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (フォワード編) → 279票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (GK編) → 176票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (右SB/WB編) → 83票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (左SB/WB編) → 97票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (CB編) → 85票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (ボランチ編) → 117票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (攻撃的MF編) → 218票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (フォワード編) → 184票
- 関連記事
-