攻撃的MF編 → 「GK編」、「右SB/WB編」、「CB編」、「左SB/WB編」、「ボランチ編」、「攻撃的MF編」、「フォワード編」と7つのポジションに分けて1位から10位までランキングを考えて来たが、もっとも手薄感があるのは攻撃的MFのポジションである。その他のポジションには「完全な上位候補」と言える選手が何人かいるが、攻撃的MFのポジションで誰しもが認める突出した活躍を見せている選手は少ない。
「ランク付けするのがもっとも難しいポジション」と言えるが、上位にランクされる可能性があるのは浦和のMF武藤雄、川崎FのMFレナト、横浜FMのMF齋藤学の3人だろうか。この中で1位に選んだのは浦和のMF武藤雄。オフに仙台から浦和に移籍したときは「攻撃的なポジションの中で6番手あるいは7番手くらい」、「本当に出場機会を得られるのか・・・。」と思ったが、新天地で見事な活躍を見せている。
「ペトロヴィッチ監督のサッカーは馴染むまでに時間がかかる。」と言われることが多いが、MF武藤雄はプレシーズンの段階からチームに馴染んでいた。浦和はシーズンの序盤は前線の3枚の組み合わせを固定できなかったが、FWズラタンとMF武藤雄とMF梅崎のトライアングルである程度は固定できるようになってからチームが落ち着くようになった。印象的なゴールも決めており、予想を大きく上回る活躍と言える。
2位には川崎FのMFレナトを選出する。2013年はスーパーな活躍を見せてACLの出場権獲得に大きく貢献したMFレナトも2014年はやや低調。キレがあまり感じられなかったが、今シーズンは春先から好調。「これは止めようがない。」という試合がすでにいくつかある。突破力があって、シュートの威力があって、Jリーグの中ではもっとも優れたアタッカーの1人であり、もっとも対戦したくない選手の1人と言える。
3位は横浜FMのMF齋藤学。シーズン序盤の横浜FMは1トップのレギュラーが定まらなくて、MF齋藤学を最前線で起用した時期もあったが、本来のサイドハーフに移ってからパフォーマンスが良くなった。「昨シーズンと比べると5キロほど減量している。」という話で、顔つきなどは大きく変わっているが、体が軽くなったことが関係しているのか、軽快さが増している印象。ゴール数が伸びていないのはマイナス要素。
次に位置するのは松本山雅のMF岩上、山形のMFディエゴ、神戸のMF小川慶、広島のMF柴崎晃とMFドウグラス、柏のMF武富、鹿島のMF土居とMF遠藤康、清水のMF大前、G大阪のMF大森とMF阿部浩、湘南のMF高山薫。松本山雅はエースのMF船山貴が抜けたため「得点力ダウン」が心配されたが、J2でも武器となったMF岩上のプレイスキックはJ1の舞台でも必殺の武器になっている。運動量も多い。
山形のMFディエゴはシーズン当初は昨シーズンと同じ1トップの位置でプレーしていたが、0対3のビハインドからドローに持ち込んだ8節の清水戦(A)で途中から1トップの位置に入ったFW林陵が好プレーを見せてスタメンに定着したため、以後、シャドーの位置で起用されている。アタッカータイプなので、下がり目の方が持ち味を出しやすい。シーズン当初はやや低調だったが、徐々に調子を上げて来た。
同様に神戸のMF小川慶も最前線の1トップの位置でプレーした試合がいくつかあるが、彼も2列目で生きるタイプである。13節を終えた時点でリーグ6位タイとなる4ゴール。神戸は攻撃的なポジションはタレントが豊富なので、「スタメンが確約されていない。」という状態からスタートしたが、大事なところでゴールを決めてネルシーニョ監督の信頼を勝ち取った。彼も過小評価されている選手の1人と言える。
4位から10位を決める作業は非常に難しいが、4位は松本山雅のMF岩上、5位は山形のMFディエゴ、6位は神戸のMF小川慶を選出して、7位は広島のMF柴崎晃とする。当初はMF浅野拓とMF森崎浩がレギュラーだったが、MF浅野拓の五輪代表招集とMF森崎浩の怪我の影響もあって、ここ最近はMF柴崎晃とMFドウグラスがファーストチョイス。MF柴崎晃は頻繁にゴールに絡んでおり、好調の原動力の1人になっている。
移籍2年目のMF柴崎晃は昨シーズンはボランチの位置でプレーすることが多かったが、2列目とボランチの両方を高いレベルでこなすことができるのが武器の1つ。MF高萩ほどの創造性は無いが、安定感ははるかに上である。正確な技術でボールを落ち着かせる仕事を見事にこなしており、右足のキックも冴えている。控えに回っているMF野津田も好調なので、今シーズンの広島の2列目はいい競争ができている。
8位は柏のMF武富。ずっとレンタル移籍で修行に出ており、柏でプレーするのはプロ2年目の2010年以来。実に4シーズンもレンタル移籍で外に出ていたが、久々にチームに復帰してきて攻撃の中心として存在感を発揮している。「4-1-2-3」のインサイドハーフでプレーする機会が多くなっており、攻守両面で活動量が求められる難しいポジションと言えるが、持ち前の技術の高さを発揮してアクセントを加えている。
続く9位は広島のMFドウグラス。先のとおり、開幕当初は控え組だったが、結果を出したことでポジションを勝ち取った。典型的なストライカーで、ボックス付近でプレーした時に力を発揮するタイプなので、「コンビネーションが重要となる広島のシャドーのポジションで本当に生きるのか?」と思われたが、MFドウグラスは問題なくフィットしている。彼の空中戦の強さは新しい広島の武器になっている。
最後の10位は鹿島のMF土居、G大阪のMF大森とMF阿部浩なども候補と言えるが、13節を終えた段階でリーグ4位となる6ゴールを記録している清水のMF大前を選ぶのがベターだろう。MF大前も今シーズンはポジションが定まらなくて、下がり目の位置でプレーする機会も増えている。力を出し切れているとは言い難いが、何だかんだで肝心なところでゴールを決めている。11節の神戸戦(A)の決勝FKは鮮やかだった。
独断と偏見で選んだここまでの1位から10位まで(攻撃的MF部門) 01位 : 武藤雄樹 (浦和レッズ)
02位 : レナト (川崎フロンターレ)
03位 : 齋藤学 (横浜Fマリノス)
04位 : 岩上祐三 (松本山雅)
05位 : ディエゴ (モンテディオ山形)
06位 : 小川慶治朗 (ヴィッセル神戸)
07位 : 柴崎晃誠 (サンフレッチェ広島)
08位 : 武富孝介 (柏レイソル)
09位 : ドウグラス (サンフレッチェ広島)
10位 : 大前元紀 (清水エスパルス)
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