■ 絶好調の横浜FMJ1は5節を終了して、樋口監督率いる横浜FMが開幕5連勝で首位を走っている。横浜FMがベテラン勢がチームの中心になっているが、中堅世代のボランチのMF中町がいいプレーを見せている。福岡から加入して2年目となるが、すっかりチームになじんでいて、5節の広島戦では決勝ゴールをマークした。技術の高い選手であるが、なおかつ、頭もいいので、欠かせない存在になっている。
ACLでは勝ち点を伸ばせずにいるが、リーグ戦は順調なスタートを切った浦和は、21歳のMF原口が別人のようなプレーを見せている。2012年は1トップで起用されることがほとんどだったが、今シーズンは、MFマルシオ・リシャルデスからポジションを奪って、2列目でイキイキとしたプレーを見せている。昨年まではセルフィッシュなプレーが目立ったが、チームプレーが出来るようになってプレーの幅が広がった。
3勝2分けと好調の大宮は、昨年の9月から負けなしが続いているが、ボランチのMF青木が存在感を増している。2010年あたりからコンスタントに出場機会を得ているが、正直なところ、インパクトを受けるプレーは多くなかったが、攻撃力が増して、ゴール前でチャンスに絡むプレーが増えている。ロンドン五輪の本選のメンバーには選ばれなかったが、ザックジャパン入りが夢ではないところまで来ている。
■ 昇格組で目立つのは?昇格組の中では、大分のMF松本怜が鮮烈な印象を残している。4節の柏戦では豪快なミドルシュートを決めているが、対面した韓国代表のDFキム・チャンスを圧倒した。横浜FM時代からスピードが大きな注目を集めていたが、田坂監督は右WBや左WBで起用しており、抜群のスピードがサイドで生きている。J1でもこれだけのスピードを持った選手はいないので、大きな武器となる。
同じく大分では、左ストッパーで起用されているDF安川も印象的なプレーを見せている。左WBで起用されることもあるが、危機察知能力が高くて、危ないシーンを体を張って防ぐシーンが目立っている。183センチの長身で、左利きというのも魅力で、初のJ1の舞台でも堂々とプレーしている。大卒3年目で経験の豊富な選手ではないが、不足しているのは、経験値くらいである。
2位でJ1昇格を果たした湘南では、東京Vから加入のMF梶川がいいプレーを続けている。湘南は2列目の層が厚いので、ポジション争いは熾烈であるが、先発で出場した時も、途中出場の時も、しっかりと試合に入って、攻撃にアクセントを加えている。164センチなのでサイズには恵まれていないが、狭いスペースでもボールを受ける勇気があって、J1の舞台でここまでできるとは思わなかった。
甲府は1勝2敗2分けとまずまずのスタートを切ったが、いいプレーを見せているのが、大卒4年目のMF柏である。もちろん、2012年もJ2でベストイレブン級の活躍を見せたが、FWダヴィに注目が集まっていたので、スポットライトを浴びる機会は多くなかった。しかし、FWダヴィがいなくなった今シーズンは、攻撃の軸としてフル回転している。圧倒的なスピードと最後まで落ちない運動量は脅威である。
■ 健在ぶりを示すベテラン若手や中堅の選手だけでなくて、今シーズンはベテランの活躍も目立っているが、甲府のDF土屋とDF盛田の大ベテラン2人が印象的なプレーを続けている。DF土屋は5節の大分戦では決勝ゴールを決めているが、38歳になっても、身体能力が落ちていない。アスリートタイプのCBというのは、選手寿命が短いのが通常であるが、この選手に関しては、それが当てはまらない。
かつては「大学ナンバーワンのストライカー」と言われたDF盛田も36歳になったが、昨年の途中にCBのレギュラーポジションを奪って、今シーズンも、スタメンで起用されるケースが増えている。189センチ/86キロなので、サイズがあって、幅もあるが、体の使い方が上手で、体の寄せ方については「熟練の技」といえるレベルである。3節は名古屋のDF闘莉王とマッチアップしたが、彼に仕事をさせなかった。
その他では、31歳になった大分のFW高松も存在感を発揮している。元日本代表のストライカーも、近年は怪我が多くて出場機会を減らしており、スタメンで出場する機会も少なかったが、2節の川崎F戦から先発で起用されるようになって、3節の浦和戦はゴールも決めている。J1昇格の立役者であるFW森島康をベンチに追いやってスタメンを続けているが、いいプレーを見せている。
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