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【J2】 2014年のリーグMVPは永木亮太か?ウェリントンか?船山貴之か?田中隼磨か？　→　57票 | | |　

■　J2 Most Exciting Playerはあるが・・・。

J1のリーグMVPは12月9日(火)に横浜アリーナで開催されるJリーグアウォーズの中で発表される。対して、J2の方はJリーグアウォーズに来場するファンやサポーターの投票によって「J2 Most Exciting Player」が選出されるが、あくまでもファンやサポーターの投票であり、正式な個人賞ではない。「人気投票」になりがちで、知名度の高い選手や人気クラブに所属する選手が圧倒的に有利である。

ということで、J2の場合、正式にJリーグから「MVP受賞者」であったり、「J2のベストイレブン」が選出されるわけではない。個人的にはJ1と同様に監督や選手たちの投票によってこれらの賞を選定したほうがいいと思うが、仕方がない。当サイトでは、毎年、「J2のMVP」や「J2のベストイレブン」を独自に選出しているが、入替戦と昇格プレーオフも終了したので、このタイミングで「J2のMVP」を考えてみたい。

まず、候補に挙がるのは湘南のMF永木である。実は、6月21日(土)に行われたJ2の第19節の磐田戦(A)をピックアップしたエントリーの中で、『「J2の優勝は湘南で決まり。」、「今シーズンのJ2のMVPはMF永木。」、「今シーズンのJ2の最優秀監督は曺貴裁監督。」、「今シーズンのJ2の新人王はDF三竿。」と断言しても差し障りがないほどの圧倒的な状況になっている。』と記述している。

■　有力候補の1人は湘南のMF永木

この時点では「今シーズンのJ2のMVPはMF永木で決まり。」と思っていたが、この直後の20節の北九州戦(H)からMF永木は怪我で離脱して、結局、約2カ月半ほどリーグ戦を欠場することになった。20節から29節までちょうど10試合を欠場しているが、MF永木が離脱している時期も湘南は全く負けなかった。しかしながら、引き分けが多くなったので、彼が怪我でチームを離れた影響は大きかった。

今シーズンの湘南の最終成績は31勝3敗8分けで勝ち点「101」だったが、MF永木が欠場した11試合の成績は6勝1敗4分けで、MF永木が出場した31試合の成績は25勝2敗4分けだった。MF永木が欠場した11試合の平均の勝ち点は「2.00」で、MF永木が出場した31試合の平均の勝ち点は「2.54」だったので、やはり、チームリーダーであるMF永木がいるか、いないかで大きな差が生じている。

ちなみに、2位で自動昇格を果たした松本山雅の1試合平均の勝ち点は「1.98」だったので、MF永木が欠場したときの「2.00」というのもかなりのペースと言えるが、やはり、MF永木が出場した試合の「2.54」と比べると見劣りする。もちろん、こういった数字を出すまでもなく、実際に試合を観るとどれほどの差があったのかは明らかで、11試合欠場ということを考えてもMF永木はMVPの有力候補に挙げられる。

■　リーグ2位の20ゴールを挙げたFWウェリントン

MF永木といい勝負になるのは湘南のエースのFWウェリントンである。38試合に出場して20ゴールを挙げているが、これは42試合で26ゴールを挙げてJ2の得点王に輝いた京都のFW大黒に次ぐリーグ2位のゴール数で、エースにふさわしい働きを見せた。高さがあるのでヘディングシュートも上手な選手であるが、右足のシュートも強烈で、いろいろな形からネットを揺らすことができる万能型である。

しかも、FWウェリントンは点を取るだけの選手ではない。運動量が多くて、守備も献身的で、かつ、ポストワークも正確である。足元に入って来たボールでも、ハイボールでも、どちらも高確率でマイボールにすることができる。ポストワークの技術はJ2のCFの中では頭2つほど抜けており、キープしてから味方選手に決定的なスルーパスを出すこともできる。欠点の少ない素晴らしいCFである。

湘南はGK秋元、DF遠藤航、DF丸山、DF三竿、MF永木、MF菊池大、FWウェリントンの7人がコアメンバーで、怪我等がなければ順当にスタメンで起用されたが、一番、抜けられると困る選手がFWウェリントンだった。もちろん、MF永木が抜けた場合も結構なダメージになったが、CFに関しては2番手以下の選手との差は非常に大きくて、FWウェリントンが欠けた場合は大幅な戦力ダウンとなった。

当然のことながら、GK秋元、DF遠藤航、DF丸山、DF三竿、MF菊池大、MF岡田翔らの貢献度も非常に高かったが、「2014年シーズンのJ2のMVP候補」となると、湘南の中ではMF永木とFWウェリントンの2人になるだろう。「MF永木の欠場数」をどのように捉えるか？がポイントの1つになるが、ロケットダッシュの原動力になったのはMF永木である。「甲乙つけがたい。」というのはまさにこのことである。

■　その他のMVP候補は？

今シーズンは湘南が記録が記録的な強さでJ2優勝を果たした。2位の松本山雅も頑張ったが、やはり、優勝した湘南に敬意を表して、MF永木か、FWウェリントンのどちらかを今シーズンのJ2のMVPに選ぶのが自然だと思うが、松本山雅の中にも「MVP候補」と言える選手が何人かいる。GK村山やMF岩間らの貢献度も高かったが、やはり、MF船山貴、MF岩上、MF田中隼、DF飯田の4人である。

その中でも、一番上にランクされるのはMF船山貴だろう。42試合で19ゴールを挙げたが、これはJ2で3番目となる。もともと運動量が多くて、献身的なプレーも得意としていたが、とにかく、今シーズンは勝負強さが光った。J1昇格を決めた39節の福岡戦(A)でも先制ゴールを決めているが、「欲しいところでゴールを決めてくれた。」というのが今シーズンのMF船山貴で、「これぞエース」という働きを見せた。

J1の名古屋から移籍してきたMF田中隼をMVPに挙げる人もいるだろう。右WBというポジションなので、ゴール数やアシスト数といった分かりやい数字で貢献度を表すことは難しいが、経験豊富なMF田中隼がチームに落ち着きをもたらした。「J1でもトップレベル」と言える運動量の多さは32歳になった今でも変わらない。松本山雅を大きく変えたMF田中隼への支持が集まっても不思議はない。

3位以下のチームであっても、突出した活躍を見せた選手は「J2のMVP候補」に挙げる必要があるが、今シーズンに関しては、山形のFWディエゴと京都のFW大黒の2人である。FWディエゴはプレーオフの決勝戦には出場できなかったが、攻撃の要として大車輪の活躍を見せた。一方のFW大黒はチーム成績は奮わなかったが、「ポジショニングの良さ」と「得点感覚の鋭さ」と「勝負強さ」は抜群だった。