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【湘南×松本山雅】 2部リーグの試合とは思えない雰囲気の中で・・・ (生観戦記) (後編) | | |　

　→　【湘南×松本山雅】 2部リーグの試合とは思えない雰囲気の中で・・・ (生観戦記) (前編) の続き。

■　試合は1対1の引き分け

1位の湘南と2位の松本山雅という注目の首位攻防戦は前半11分に11試合ぶりの出場となる大黒柱のMF永木の左CKからニアサイドに入ってきたDF遠藤航が得意のヘディングシュートを決めてホームの湘南が先制する。間もなく開幕するアジア大会のU-21日本代表に選出されているDF遠藤航はディフェンダーながら早くも今シーズン7ゴール目となった。

しかし、前半18分に松本山雅は右サイドでFKを獲得すると、古巣対決となるMF岩上がファーサイドに蹴ったボールをDF多々良が折り返して、最後はゴール前のDF犬飼が高い打点からヘディングシュートを決めてすぐさま1対1の同点に追いつく。得点力の高さに定評のあるDF犬飼は今シーズン5ゴール目となった。前半は1対1で終了する。

後半は湘南ペースとなる。松本山雅も何度かカウンターでチャンスを作りかけたが、基本的には湘南が主導権を握っていくつか決定機を作った。しかしながら、シュート精度を欠いて2点目のゴールを奪うことはできない。結局、13,049人の大観衆で埋まった注目の上位対決は1対1の引き分けに終わったが、両チームともJ1昇格に一歩前進したといえる。

　#15　コンコースの売店 (バックスタンド側)

　#16　松本山雅のゴール裏

　#17　美女揃いのベルマーレ・クイーン

■　J1初昇格に近づく松本山雅

湘南は久々にMF永木が戻ってきたが、またしても引き分けに終わった。23節を終えた時点では22勝1敗だったが、以降の7試合は2勝5分け。無敗記録は続いており、これで「15試合負けなし」となったが、勝ち点ペースはかなり落ちてきている。そろそろJ1昇格のカウントダウンが始まる時期に入っているが、「苦しんでいる。」と言えるのは確かである。

湘南は2列目の選手がもう一頑張りする必要がある。この日はMF武富とMF岡田翔が起用されたが、なかなか相手に恐さを与えることができなかった。それ以外のポジションの選手のほとんどは自分が持っている力の100%近くをコンスタントに発揮できていると思うので、余力があるとしたら、2シャドーのところである。彼らの活躍に期待したい。

一方の松本山雅はアウェーということを考えると引き分けという結果は悪くない。いきなり前半11分に先制ゴールを許したが、すぐに得意のセットプレーから同点に追いつくことができたのが大きかった。3位の磐田は今節も引き分けだったので、2位の松本山雅と3位の磐田の差は「10」のまま。「J1初昇格」の可能性が少しずつ大きくなってきている。

　#18　きれいに見えた？？？コレオ・グラフィー

　#19　試合終了の直後

　#20　HIDE GATE

■　16年目のシーズンを迎えたJ2リーグ

ということで、2008年10月以来で約6年ぶりの平塚競技場だったが、盛り上がりは凄まじかった。首位と2位の対決ということで、普段の試合よりもヒートアップする要素があったのは確かだが、湘南の応援は迫力があって、アウェーの松本山雅の応援も迫力があった。試合前の緊迫感と試合中の盛り上がり具合については最高クラスだったと言える。

平塚競技場というのは、言うなれば「ごく普通の陸上競技場」である。新しいスタジアムではないし、サッカー専用あるいは球技専用のスタジアムでもない。この点は大きなハンディとなるが、スタンドは9割ほどが埋まっており、これだけお客さんが入って、満員に近い状態となるとスタジアム内は何とも言えない雰囲気になってくる。

もちろん、自治体の援助を受けて最新鋭のスタジアムを建設できるようになるのが一番で、近代的なサッカー専用スタジアムで試合を開催できるようになるのがベストと言えるが、今のご時世ではなかなか難しい。そうなると、ごく普通の陸上競技場を「劇場」に思わせる工夫や演出が必要になってくるが、湘南はある程度は実現できている。

「試合内容」や「試合のレベル」というのもリピーターを生み出す要因の1つだと思うが、はっきり言うと、1回や2回、スタジアムで観戦しただけで「内容」や「レベル」を判断するのはほぼ無理で、結局のところは「スタジアムの雰囲気」というのがサッカー観戦歴の浅い人をリピーターにするための重要なポイントになってくると個人的には思う。

そういう意味では平塚競技場の雰囲気というのは相当なものがある。J2リーグがスタートしたのは1999年で、今年で16年目のシーズンとなるが、創設時には想像することができなかったほど様々な部分でレベルアップしている。目立つ部分だけに着目していると気が付きにくいが、日本サッカー界は着実に、そして、しっかりとした土台が築かれつつある。

　#21　試合が終わって帰路に着く。