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【J1】 2014年のリーグMVPは遠藤保仁か？東口順昭か？今野泰幸か？　→　180票 | | |　

■　12月9日にJリーグアウォーズが開催

2014年のJリーグアウォーズは12月9日(火)に横浜アリーナで開催される。このときに「ベストヤングプレーヤー賞」、「ベストイレブン」、「フェアプレー個人賞」、「最優秀監督賞」、「最優秀主審賞」、「最優秀育成クラブ賞」、「最優秀ゴール賞」、「J2 Most Exciting Player」などが順番に発表されていくが、もっとも注目を集めるのは「最優秀選手賞」である。野球などと比較するとサッカーにおける個人賞は少ないが、MVPはJリーガーにとっては「もっとも名誉ある個人賞」であり、大きな勲章と言える。

JリーグのMVPの選出方式であるが、話し合いによって決まるわけではない。『Jリーグの全試合終了後に発表される「優秀選手賞」受賞者から選出される「ベストイレブン」の投票結果(※ これはJリーグの監督や選手が投票を行う。)に基づいて、ベストイレブンの投票における各ポジションの最高得票者4名(優勝クラブであるG大阪に所属する選手を除く)と優勝したG大阪に所属するベストイレブン受賞者による2次投票を行って、その上位2名による最終投票にて決定する。』と決められている。

Jリーグは今年で22年目のシーズンとなるが、これまでの21回の中で、複数回、JリーグのMVPに選出されているのは横浜FMのMF中村俊(2000年と2013年)のみ。リーグ優勝を逃したチームから選出されたのは1995年の名古屋のFWストイコビッチ、2003年の浦和のFWエメルソン、2007年の浦和のMFポンテ、2013年の横浜FMのMF中村俊の4人だけ。文字どおり、最優秀選手賞なので、「最も活躍した選手」が選ばれる賞であるが、やはり、チームを優勝に導いた選手の評価は高くなる。

■　MVP候補と言えるのは・・・。

ベストイレブン投票における「(優勝クラブであるG大阪の選手を除いた)各ポジションの最高得票者4名」の候補と考えられるのは、キーパー部門では浦和のGK西川で、ディフェンダー部門ではFC東京のDF森重や広島のDF塩谷、フォワード部門では川崎FのFW大久保や鳥栖のFW豊田など。彼らは「最高得票者」となって「2次投票」にノミネートされる可能性はあるが、常識的に考えると、DF森重やDF塩谷やFW大久保やFW豊田がリーグMVPに選ばれる可能性は限りなくゼロに近いと言える。

唯一、リーグ戦の終盤まで首位を走っていた浦和のGK西川には幾分かの可能性がある。あのまま浦和がリーグ制覇を達成していたら、GK西川がリーグMVPの最有力候補に挙げられたと思うが、最後に失速して優勝を逃してしまった。こうなるとイメージは悪くなる。(※ ちなみに、GK西川は広島時代の2013年もリーグMVPの有力候補の1人だった。)今シーズンもGK西川はMVP候補の1人に挙げることができるが、やはり、「G大阪の選手の中からMVP受賞者が出てくるだろう。」と考えるのが自然である。

今シーズンもJリーグは大混戦になった。先に記したとおり、残り3試合の時点で「自力優勝」の可能性があった浦和が最後に失速したことでG大阪に優勝のチャンスが巡って来たのは確かだが、W杯の中断明け以降のG大阪のリーグ戦の成績は20試合で15勝2敗3分け。1試合平均の勝ち点は「2.40」。これはとんでもないペースである。頂点にたどり着いたナビスコカップと決勝進出を決めている天皇杯の好成績を見ても明らかであるが、7月以降のG大阪には抜きん出た強さがあった。

シーズン終了後のJ1の順位表だけを眺めると、「今年もJ1は混戦だった。」、「(G大阪にも)圧倒的な強さがあったわけではない。」、「浦和や鹿島や川崎Fなどライバルチームが失速しただけ。」と思う人もいるだろう。最終結果だけを見て、このように考える人が出てくるのは仕方がないと思うが、これらは過程を見ていない人の戯言に過ぎない。FW宇佐美が不在だった3月・4月は大きく出遅れたが、FWパトリックが加わった7月以降の充実ぶりは、他クラブと比較するとワンランクも、ツーランクも上だった。

■　GK東口か、MF遠藤か、MF今野か。

途中加入ながら19試合で9ゴールを挙げたFWパトリック、開幕から怪我で8試合を欠場したにも関わらず26試合で10ゴールを挙げたFW宇佐美のフォワード2人もG大阪のリーグ優勝に大きく貢献した選手と言えるが、試合数や出場時間が少ないため、MVP候補には挙げにくい。G大阪の選手の中で、フルタイムか、それに近い出場時間を得ているのはGK東口とMF遠藤とDF岩下とMF今野の4人だけ。現実的にはGK東口か、MF遠藤か、MF今野のうちの誰かがMVPに選ばれるだろう。

G大阪の長谷川監督は『GK東口がチーム内のMVPだ。』と語っているが、彼が今年のJリーグのMVPに選出される可能性はある。長年、「キーパーがG大阪の最大の弱点」と言われてきたが、J1の新潟から日本代表クラスのGK東口を獲得したことで、一転してG大阪のストロングポイントの1つになった。安定感、爆発力、フィード力のいずれもが申し分ない国内最高クラスの守護神で、2010年の名古屋のGK楢崎以来となる史上2人目のキーパーのMVPにGK東口が選ばれても不思議はない。

ネックになるのは、先のとおりで浦和のGK西川がいる点である。GK東口がベストイレブンに選ばれるかどうかがまず微妙で、ベストイレブンに選出されないとノーチャンスである。過去の投票結果を振り返ってみると、「イメージ」に大きく左右される傾向がある。注目を集めやすいビッグクラブや人気クラブに所属する選手が有利で、日本代表の選手も有利で、知名度の高い中堅からベテランの選手も有利である。これらを考慮するとGK西川の方にベストイレブンの票が集まるのではないかと思われる。

何の制約もなく、「今シーズンのJ1のリーグ戦で優れたパフォーマンスを見せた選手」を1位から3位まで選出するとしたら、1位にGK東口、2位にMF遠藤、3位にMF今野を選びたいと思うが、GK東口の場合、GK西川とベストイレブンを争うときも、チームメイトのMF遠藤とMVPを争うときも、先に挙げた理由から「ちょっと不利」である。結局、これまでのJリーグアウォーズの傾向を加味すると34歳の大ベテランのMF遠藤がJリーグのMVPに選出されるのではないかと思うが、果たしてどうなるだろうか…。