■ あと何回チャンスがあるか?日本代表にとって5回目となるW杯の舞台はわずか3試合で終了して、日本代表にとって区切りとなる4年間がこの日をもって終了した。3年前にドイツで行われた女子W杯でなでしこジャパンが初の世界一に輝いたのは記憶に新しいが、男子の日本代表がW杯を制覇する日はやって来るのだろうか。そして、その日は自分の寿命が尽きるまでにやって来るのだろうか。
日本人の平均寿命は男性が79.94歳で、女性が86.41歳だという。男女で結構な差があることに驚くが、W杯は4年に1度である。となると、あとどれくらいチャンスが残っているのか。普通に考えると10回程度であるが、11回や12回になる可能性もあるし、8回や9回になることもあり得る。まだたくさんチャンスがあるような気もするが、あまりチャンスは残っていないような気もする。
当然のことながら、4年に1度のW杯を制覇するのは難しいことである。優勝を経験している国はごくわずかで、オランダやポルトガルといった強豪国でさえ未経験である。FWクライフでも、FWエウゼビオでも世界一には届かなかった。FWメッシがいても、MFクリスティアーノ・ロナウドがいても、W杯制覇が約束されないどころか「準決勝にたどりつくのも大変」というのが現実である。
■ 日本サッカーはもっと良くなるはず。0勝2敗1分けで勝ち点「1」。これが2014年の今の現実である。ただ、何度やってもこの結果に終わるというわけではないし、勝敗は紙一重のところで変わってくる。「やっぱり日本人にはサッカーが向いていない。」、「日本代表は弱すぎる。」と卑下する必要があるかというとそうとは思えないし、極端に悲観的になる意味はないし、ネガティブになってもプラスになることは何もない。
個人的にはもっと日本サッカーは良くなると思う。20年後になるか、40年後になるか分からないが、生きているうちにW杯で優勝できるチャンスが訪れると思うし、そうなって欲しいと願う。選手も、指導者も、施設も、スタジアムも、メディアも、サポーターも、「これ以上良くなるのは無理。」という領域に達しているかというと全くそうではない。良くなる余地は存分に残されている。
そのためにはどうすればいいのか。兎にも角にも、国内サッカーを盛り上げていくことである。Jリーグを中心とした国内サッカーの注目度が高くなって、資金が集まるようになって、お客さんがたくさん集まるようになったら、間違いなく、何年か後、今以上に高いポテンシャルを持った選手が続々と出てきて、Jリーグだけでなく、日本サッカー界ならびに日本代表チームに還元されるだろう。
■ 日本代表には関心があるが・・・。Jリーグは数年前まで「イレブンミリオン・プロジェクト」と銘打って年間で1100万人の観客を集めることを目標にしていたが、クリアすることはできなかった。もう少しのところで達成できなかったので、年間では延べ人数で1000万人ほどの人がJリーグの試合に足を運んでいると思うが、よく言われている通り、リピーターが非常に多い。年に10試合程度を観戦する人が多いと言われている。
となると、日常的にJリーグの試合を観戦する人は100万人前後と推測できるが、1億2500万人という日本の人口を考えるとその割合は決して高くない。むしろ非常に低いと言えるだろう。単純計算では1%以下になる。「1%以下の人が国内サッカーを支えている。」と表現するとちょっとオーバーかもしれないが、こういう人たちが自分の時間やお金を使ってサポートしてきたのは間違いない。
国民の多くがサッカーという競技自体に全く関心がないのであればどうすることも出来ないが、決してそういうわけではない。「日本代表には期待していたのにがっかりだ。」、「MF本田圭のコンディションはどうなのか?」、「○○が決定機に決めていれば・・・。」、「あの選手交代はおかしい。」、「なぜ○○をメンバーに選ばなかったのか?」などなど日本代表は話題の中心になっている。
南アフリカW杯の躍進と海外組の活躍によって日本代表に関心を持っている人はここ何年かで劇的に増えたが、一方で、「日本代表には関心があるけれども、Jリーグには興味は無い。」という人もたくさんいる。これが日本サッカー界の現実と言えるが、4年後のロシアW杯で決勝トーナメントに進出するためにはこういう人たちの協力というか、サポートが是非とも必要になってくる。
■ 30人に1人でもOK日本代表の試合はテレビ視聴率が20%を超えるのが当たり前になっている。これも単純に計算すると3,000万人程度の日本国民は日本代表チームに関心を寄せていると推測できるが、Jリーグの試合に足を運ぶのは、先のとおり100万人程度で、1/30程度になってしまう。これはあまりにも寂しい数字であり、この落差は何とかしたい部分であり、何とかしなければならない部分である。
もちろん、「たまに行われる日本代表の試合にだけ注目する。」、「4年に1度、日本代表に期待して、そしてがっかりする。」というのもサッカーの楽しみ方の1つだと思うが、それだけでは勿体ないと思うし、「こういう人が大半」という今の状態が続くようだと、20年後のW杯も、40年後のW杯も、頂点にたどりつくのは非常に難しい。1億2500万人というポテンシャルを全く生かせていない。
全員とは言わないし、2人に1人とも言わないし、10人に1人とも言わない。30人に1人でOKである。今の時点で「代表には関心があるけれども、Jリーグには興味は無い。」、「でも、代表には強くなって欲しい。」と考えている人が定期的にJリーグの試合に足を運んでもらえるようになると日本サッカー界は劇的に変わるだろうし、数年先のW杯で同じ悔しさを味わわずに済むかもしれない。
W杯に出場すること自体が夢だった時代もあったが、W杯に出場することが当たり前の時代になった。今回は残念ながらGL敗退となったが、この4年間は「いつかW杯で優勝すること」を夢として掲げてもいいのかな?と思えるときがあった。本当に30人に1人で十分である。自分が死ぬまでに一度は日本代表チームのキャプテンがW杯を掲げている姿を見たいと思いませんか?
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