■ 吉田のパートナーは誰?ザックジャパンになってからの36試合のうち、スタートから4バックを採用したのは32試合で、3バックを採用したのは4試合あるが、4バックのときのCBコンビでもっとも多いのは、DF吉田とDF今野の組み合わせで20回(最多)となっている。ザッケローニ監督の評価は高くて、コンビネーションも悪くは無いので、怪我や守備停止が無い限り、基本的には、この2人がスタメンに名を連ねることになる。
普通に考えると、プレミアリーグのサウサンプトンでレギュラーとして活躍しているDF吉田がスタメンから外れることは考えにくいので、「DF吉田のパートナーをどうするか?」がテーマとなるが、DF今野に関しては、178センチなので、高さの面で不安がある。本大会で大型フォワードのいるチームと対戦することが決まった場合、「178センチのDF今野で大丈夫なのか?」という話が出てくることは十分に考えられる。
また、「守備力の高い今野をボランチで起用したらどうか?」という意見も増えている。CBとしてのDF今野のプレーがダメというよりは、「ボランチでプレーする方に魅力を感じる。」という人もいて、そうなった場合はCBのポジションに空きが出る。この場合は、ザッケローニ監督からの評価が高くて、日本代表としての試合経験も積んでおり、所属の横浜FMでも好プレーを見せているDF栗原がレギュラーの有力候補となる。
■ 闘莉王の復帰はあるのか?DF吉田という選手はフィード力が高くて、足元の技術は高い。189センチと高さがあって、空中戦も強いが、スピードは不足している。そのため、先日のブラジル戦の3失点目のように相手選手に裏を取られると、かなり苦しくなる。そのため、パートナーを組む選手には「スピードタイプの選手にも対応できる選手」が必要となってくるので、1対1の強いDF今野や身体能力の高いDF伊野波が優先的に起用されてきた。
CBというと、2004年から9年連続でJ1のベストイレブンに選出されているDF闘莉王がいる。「DF闘莉王をなぜ、日本代表に召集しないのか?」という議論はこれまで散々されてきたが、ザッケローニ監督になってからは、一度も日本代表でプレーしていない。「日本代表から引退した。」という話はないので、本人は代表でプレーする意思はあると思うが、実現には至っていない。
「闘莉王待望論」は根強いものがあったが、残念ながら、今シーズンはパフォーマンスを落としており、名古屋も14位と低迷している。DF闘莉王も主にスピード面での衰えが顕著で、昨年までのDF闘莉王と今のDF闘莉王は全く違っているので、今のDF闘莉王を日本代表に呼ぶのは、相当にリスキーである。晩節を汚すことにもつながりかねないので、注意が必要である。
ブラジルW杯のときは33歳になる。年齢的な衰えがあることも見越してザッケローニ監督はそれほど実績の無かったDF吉田を日本代表のレギュラーに据えてきたが、ここ最近のDF闘莉王のプレーを観ると、DF闘莉王を最終ラインの軸にしてチームを作ってDF吉田ら若手CBに経験を積ませることなく時間を過ごしてきていたら、大変なことになっていたので、ザッケローニ監督に先見性があったと言えるだろう。
もちろん、空中戦の強さであったり、得点力に関しては、今の時点でも日本人のCBの中では上位レベルなので、ラインを下げて、中盤をコンパクトすることを諦めて、「引いて守ってカウンター」というやり方にシフトチェンジするのであれば、日本代表に復帰する可能性もゼロではないと思うが、これまでの戦い方を大きく変えることになるので、現実的ではない。
■ その他の候補は・・・ザッケローニ監督は「フィード力」もCBの選手に期待しているが、DF吉田、DF今野、DF伊野波などは、フィード力は高い。一方で、DF栗原については、それほどフィードが得意とは言えないが、「近くにDF吉田やDF内田がいれば何とかなるだろう。」という考え方もできる。万能型のCBは世界でもほとんどいないので、「フィード力」を妥協するならば、広島のDF水本なども候補に挙がってくる。
ザックジャパンに召集された経験もあるが、スピードがあって、1対1の対応能力は高い。千葉でも、広島でも、3バックでプレーすることが多かったので、4バックの経験はそれほど多くは無いが、堅実な守備ができる選手で、安定感もある。また、パスサッカーを標榜する広島でプレーして3年目となるので、攻撃で全く貢献できない選手というわけでもない。
その他では、FC東京のDF森重はフィード力が高くて、ザッケローニ監督が好みそうなタイプのCBである。集中力が持続しないタイプで、以前はポカミスが多かったが、最近は、致命的なミスも減って来て、安定感が出てきた。大分とFC東京でプレーした経験があるが、今の日本代表は大分あるいはFC東京で一緒にプレーした経験のある選手がたくさんいるので、その点はアドバンテージとなる。
■ 若手の有望株J1で首位を走る大宮は13試合で9失点と堅い守備を見せているが、DF菊地とDF高橋祥の2人は自身の価値を高める活躍を続けている。大宮はDFラインを高く設定するチームであるが、ともに裏のスペースを管理する能力も長けている。DF菊地は抜群の身体能力を持っていて空中戦に滅法強い選手であるが、フィードもできるDF高橋祥もザッケローニ監督が好みそうなタイプのCBと言える。
DF高橋祥と同じロンドン世代の中では、ロンドン五輪の本大会でDF吉田とCBを組んでベスト4入りに大きく貢献したDF鈴木大がいるが、移籍先の柏ではポジションを確保できずに苦しんでいる。2人のコンビネーションは良かったので、早期の代表入りが期待されていたが、まずは所属クラブでレギュラーポジションを確保して、日本代表に値するパフォーマンスが見せることが重要になってくる。
さらに若いリオ世代の中では、神戸のDF岩波が開幕からレギュラーポジションを守っている。186センチと高さがあって、フィード力も抜群なので、近い将来、日本代表の最終ラインの軸になる選手だと思うが、6月18日に19歳になったばかりなので、経験は不足している。また、最近はやや調子を落としているが、本大会まであと1年あるので、レギュラー争いに絡んできて欲しい選手の1人である。
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