■ J2の開幕戦J2がいよいよ開幕した。霜田監督になって2年目のレノファ山口はホームの維新みらいふスタジアムで柏レイソルと対戦した。山口は2017年は20位と低迷したが2018年は8位までジャンプアップした。初のJ1昇格を目指すシーズンになる。一方の柏は2018年の開幕前はJ1の上位候補に挙げられながら17位と低迷。まさかのJ2降格となった。MF伊東純とDF中山雄が退団したが「1年でのJ1復帰」が至上命題と言える。
ホームの山口は「4-1-2-3」。GK吉満。DF前貴之、ドストン、楠本、瀬川和。MF三幸、吉濱、佐々木匠。FW田中パウロ淳一、山下敬、高井。期待の新戦力のFW工藤壮は骨折の影響で「復帰まで6週間程度の加療予定」とリリースされていたが手の怪我ということもあってベンチ入りを果たした。柏U-18出身のFW工藤壮にとっては古巣対決となる。大卒2年目となるFW山下敬がCFの位置でスタメン起用された。
対するアウェイの柏は「4-2-1-3」。GK中村航。DF小池龍、染谷、鎌田、菊池大。MFヒシャルジソン、大谷、手塚。FWガブリエル、クリスティアーノ、瀬川祐。右SBのDF小池龍はJFL時代の2014年に山口に加入。キャリアをスタートさせた古巣との初対決となった。ちばぎんカップのときはDF古賀とDF高木利がスタメンで起用されたがDF鎌田とDF菊池大が起用された。怪我が心配されたFWオルンガはベンチ入り。
■ 2ゴールを奪ったFWクリスティアーノ試合の序盤はホームの山口がペースを握った。前半8分に右サイドでスローインを獲得するとエリア内でFW山下敬がキープして時間を作るとMF吉濱にパス。エリア内でボールを受けたMF吉濱が左足で決めてホームの山口が先制に成功する。新加入のMF吉濱は移籍後初ゴールとなった。前半13分にはFW高井のクロスからFW山下敬がヘディングシュートを放ったが代表復帰を目指すGK中村航がビッグセーブで防いだ。
1点を追う柏は前半36分にボランチのMFヒシャルジソンのスルーパスから裏を取った右SBのDF小池龍が倒されてPKを獲得。これをエースのFWクリスティアーノが右足で豪快に決めて1対1の同点に追いついた。前半は1対1で折り返した。迎えた後半3分に山口は波状攻撃から最後は右SBのDF前貴之が決定機を迎えたが左足のシュートはクリーンヒットせず。1対1のスコアのままで終盤戦に突入する。
柏は後半34分に途中出場したMF山崎亮のパスを受けたFWクリスティアーノがゴール前にシュート性のクロスを入れるとこれがそのまま決まって2対1と逆転に成功する。FWクリスティアーノは2ゴールの活躍だった。2対1と逆転勝利を飾った柏は白星スタートを切った。山口は早い時間帯に先制ゴールを奪ったがその後はイージーなミスが多発してリズムをつかめなかった。勿体ない試合になったと言える。
■ 安定感には欠けた新戦力のDFドストン初のJ1昇格を目指す山口は開幕戦で「2019年のJ2の大本命」である柏をホームで下すことが出来たら勢いに乗ることが出来たが逆転負け。前半8分に先制ゴールを奪いながら勝ち点を獲得することは出来なかった。前半は1対1で折り返したが、先のとおり、前半の山口はミスが多かった。しかも、単純なパスミスなど防ぐことができる種類のミスが多かった。自らのミスで流れを手放すことになったのは残念だった。
新加入選手はDFドストン、MF吉濱、MF佐々木匠、FW田中パウロ淳一の4人がスタメンで起用されたがインサイドハーフで起用されたMF吉濱が先制ゴールをゲット。得意の左足で鮮やかなシュートを決めた。隣でプレーしたMF佐々木匠にも同じことが言えるが技術が高くてアイディアを持った選手である。インサイドハーフの2人が攻撃をリードできるようだと多くのチャンスを作ることができるようになるはず。
ウズベキスタン代表のDFドストンは安定感がなかった。いいプレーもあったが、良くないプレーも目立った。187センチとサイズがあって能力が高い選手であることは間違いないがCBの選手にとって大事なのは「90分を通して、ならびに、シーズンを通して安定したプレーが出来るか?否か?」である。彼がどのくらいの活躍が出来るのか?が今シーズンの山口のポイントになるが評価を下すのは時期尚早である。
大きな注目が集まるFW工藤壮は骨折をしているにも関わらずベンチメンバーに入った。フォワードの選手なので手の骨折であれば完治していない状態でも大きな問題なくプレーできる可能性はある。「復帰まで6週間程度の加療予定」とリリースしたのは情報戦だった可能性はあるが後半42分に登場した。後半34分に失点して逆転されたことを考えると投入のタイミングは遅かった。見せ場はなかったと言える。
■ ターニングポイントになったビッグセーブ一方の柏にとっては大きな逆転勝利となった。いきなり出鼻をくじかれる形になったが、その後、2ゴールをゲット。相手のミスにも助けられたが大事な開幕戦で勝ち点「3」を獲得できたのは大きい。先制された後の前半13分にFW山下敬が決定的なヘディングシュートを放ったがGK中村航がビッグセーブ。0対2になっていたら柏と言えども相当に苦しくなった。GK中村航のセーブがターニングポイントになった。
勝利の立役者になったのは2ゴールのFWクリスティアーノだった。前半39分にPKで同点ゴールを奪うと後半34分には逆転ゴールをゲット。中央にMF手塚がいたので「シュートではなくてクロスだった。」と思うがいいコースに飛んで行った。キーパーにとっては対応しにくい軌道のクロスになったのでGK吉満は対応しきれなかった。「シュート性のクロスをゴール前に上げる。」というアイディアの勝利と言える。
過去を振り返ってみてもJ1昇格を果たしたチームのほとんどは「絶対的な得点源」を擁していた。1人で20ゴール程度を計算できる選手がJ1昇格のためには必要になってくるが柏でその可能性があるのは、やはり、FWクリスティアーノになる。J2でプレーするのは栃木SC時代の2013年以来となるがこの年は40試合で16ゴールを記録している。J2の戦い方を知っている選手なのでチームを牽引する可能性は高い。
DF染谷、DF菊池大、MFヒシャルジソン、FWガブリエルの4人が新加入ながらスタメンで起用された。FWガブリエルは先日のちばぎんカップに続いて良さを出しきれなかったがボランチのMFヒシャルジソンはこの日も気の利いたプレーを見せた。PKにつながったスルーパスを出したのもMFヒシャルジソンだったが急所を突くパスを出せる選手である。中盤の底で攻守両面でいい仕事ができる。大きな戦力になるだろう。
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