■ 10年ぶりの勝利を目指すここ5試合で3勝2分け。4試合連続無失点中のサンフレッチェ広島がリーグ戦で5連敗中の浦和レッズと対戦。リーグ戦に限定すると1999年シーズン以来の浦和戦の勝利を目指す。
広島は<3-6-1>。GK中林。DF森脇、ストヤノフ、槙野。MF中島、高柳、ミキッチ、服部、高萩、柏木。FW佐藤寿。MF青山敏が出場停止。
対する浦和は<4-2-3-1>。GK都築。DF山田暢、坪井、阿部、平川。MF鈴木、細貝、エスクデロ、ポンテ、原口。FWエジミウソン。6試合ゴールの無いFW高原がスタメン落ち。怪我でコンディションが万全ではないMF闘莉王はベンチスタート。MF山田直はベンチ外。
■ 槙野の先制ゴール試合の立ち上がりはアウェーの浦和が優勢で進む。しかしながら、ゴール前でアイディアを欠き、なかなか決定機は作れず。そんな中、広島が前半26分に先制に成功。中央でボールを持った
MF柏木DF森脇から左サイドで待つDF槙野に展開。DF槙野はFWエジミウソンのマークを外して中央に切れ込んで思い切ったミドルシュート。これがネットに突き刺さって広島が先制。DF槙野は今シーズン5ゴール目。
さらに、後半42分に追加点。右サイドの裏のスペースに走り込んだMFミキッチがうまくボールをコントロールして中央にラストパス。DF坪井が何とかクリアしようと試みるが完全にはクリアしきれず、MF柏木の目の前にこぼれる。MF柏木が難なく決めて2対0とリードを広げる。MF柏木は今シーズン6ゴール目。前半は広島が2対0で折り返す。
後半開始から浦和はDF平川とMFポンテに代えて、FW高原とMF闘莉王を投入。MF闘莉王をボランチに入れて、DF細貝を左足サイドバックに下げる。これでポゼッション力の高まった浦和は、後半23分にMFエスクデロのフリーキックからMF闘莉王がDF槙野のマークを振り切って、得意のヘッドで決めて1点差に迫る。2試合連続ゴールのMF闘莉王は今シーズン4ゴール目。
しかし、その後は広島が堅く試合を締めて2対1で終了。実に10年ぶりの対浦和戦のリーグ戦勝利。勝ち点を「37」に伸ばした。
■ 見えたACL出場権序盤は押され気味だった広島だが、前半26分にDF槙野が得意の左からカットインから素晴らしいミドルシュートを突き刺して先制。連敗が続いていて何としても先制ゴールが欲しかった浦和は、この失点でモチベーションがダウンした。
広島は、リーグ戦の後半に入ってややモデルチェンジを行っていて、DF森脇とDF槙野の両ストッパーがオーバーラップする回数は減っているが、ここというタイミングでは両者が攻撃参加して攻撃に厚みを加える。
この勝利で広島は暫定4位に浮上。来シーズンのACL出場も見えてきた。
■ キープレーヤーを欠く中・・・広島はキープレーヤーのMF森崎兄弟を欠いた試合が続いているが、代役の選手が穴を埋めていて、現状では森崎兄弟不在の影響を感じさせない。
特にチームバランスを保つ上で最も重要な選手であるはずのMF森崎和幸を12節以降、欠いた状態での試合が続いているにもかかわらず、チームのパフォーマンスがほとんど落ちていないのは驚きである。
しかも、この日はMF青山敏も出場停止で、MF中島とMF高柳がダブルボランチを組んだが、誰が出てきても一定レベルのパフォーマンスが出来るのが強みであり、チームの武器である。
■ ストヤノフのロングキック広島のサッカーの特徴は「ボールも人も動くサッカー」ということになるが、DFストヤノフからのロングボール1本も大きな武器。彼の左右両足から繰り出されるロングキックは攻撃の起点になる。
ただ、前線に大きな選手がいないので、本当にいいパスでないとチャンスにはつながらず、高い精度が要求される。また、苦しくなると、DFストヤノフのロングパスに頼るケースが増えていく。リスクヘッジを考えると、DFストヤノフからのロングボール一本というのは悪くないが、単調になり過ぎると本来の広島の良さが出にくくなる。
■ 転機を迎えたレッズとフィンケ監督①一方の浦和はリーグ戦は6連敗。ナビスコカップの清水戦を含めると7連敗となった。MF山田直とDF闘莉王が怪我でスタメンを外れる形になっているが、他クラブと比べても極端に怪我人が多いわけではないが、MFポンテを含めてコンディションの悪い選手が多く、チームが目指すサッカーが体現出来ていない。
今シーズンは新しくフィンケ新監督が就任。昨シーズンまでのような守備的なサッカーからの転換を目指してチーム作りを進めてきたが、ここに来て大きな転機を迎えている。
なかなか難しい話になってしまうが、攻撃的なサッカーでも点が取れなければ仕方がないし、逆に、守備的なサッカーでも点が取れるのであればそれで問題ないともいえる。リーグ戦は23試合で26ゴールのみ。少なくとも、守備的なサッカーといわれた昨シーズンまでのオジェック監督やエンゲルス監督時代の方が得点は取れていた。
■ 転機を迎えたレッズとフィンケ監督②連敗が続くとどうしても不協和音が出始めてしまうものだが、浦和は特に名前のある選手が多いので、内粉につながりやすい。さっそく、闘莉王から現状への不満の声が出始めている。
確かに、ウイークポイントといえる左サイドバックの人選に苦しんでいるわりには、あっさりとDF三都主とDF野田を放出したりと、フロントの対応はやや疑問符がつく。
ここまで来ると、ここからはクラブと選手とサポーターの問題となる。結果と内容を両立させる事は簡単なことではなく、世界レベル的なビッグクラブの中でも、フォワードの能力に大きく依存した非スペクタクルなサッカーを見せているチームは少なくない。
浦和クラスのチームであれば、一発で試合を決めらる事の出来るストライカーを獲得することはそれほど難しい作業ではないはずであり、クラブとして、内容は二の次で結果のみを追求するというのであれば、それも1つの進む道である。
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