■ 開幕から16試合無敗でステージ制覇J1は6月20日(土)に1stステージの第16節が行われたが、ステージ制覇に王手をかけていた浦和がアウェイで神戸と引き分けたため、2004年の2ndステージ以来となるステージ制覇を決めた。ステージ優勝がタイトルに含まれるのか否か?は意見が分かれるところであるが、タイトルに含むと仮定すると、2007年のACL制覇以来のタイトル獲得となる。浦和にとってはかなり久々となる悲願のタイトル獲得となった。
浦和はノエビアスタジアムを苦手としており、ここ最近は5連敗中。鬼門の1つだったが、この日はスタジアムの半数ほどは浦和サポーターで占められており、スタジアムの半分ほどは真っ赤だった。「レッズが優勝するところを生で観たい。」というサポーターの支えもあって見事に開幕から無敗のまま、2位以下に大きな差をつけてステージ制覇を成し遂げた。「独走で優勝を決めた。」と言ってもおかしくないだろう。
16試合で11勝5分け。34得点/15失点。この数字は文句なしと言える。昨シーズンや一昨シーズンと比べるとやや守備を重視する手堅いサッカーになっているが、得点数はリーグ最多。エンターテイメント性という観点から考えてもリーグでトップクラス。リーグ戦の戦いぶりでケチを付けられる要素はほとんどない。期待されながらも「ACLでグループリーグ敗退に終わったこと。」がここまでの唯一の汚点と言えるだろう。
ただ、大幅にメンバーを落としてACLを戦うなど、「リーグ戦を重視してACLを軽視した戦い」を今シーズンの浦和がやって来たわけではない。シーズンの序盤はなかなかベストメンバーが定まらず。連敗スタートになったことがACLで決勝トーナメントに進めなかった大きな理由と言えるが、この時期はリーグ戦の方もしっくりこない試合が多かった。短期決戦なのか?長丁場の戦いなのか?の差とも言える。
■ MVP候補に挙げられるのは次の8名したがって、これだけの戦力を持ちながらACLでふがいない成績に終わったことは批判されても仕方がないが、限りなく全力を出して戦った上で出て来た結果なので、ある部分では仕方がないと言える。ACLでの活躍は来シーズン以降に期待したいが、J1のリーグ戦に話を戻すと、中盤戦以降は隙が無かった。11節の仙台戦(A)の4対4のドローなどやや失点数が増えた時期もあるが、勝負強さも付いてきた。
4月中旬あたりからスタメンが固定できるようになった点が大きかったが、ステージ優勝が決まって「1stステージのMVPは誰か?」を考えてみたが、GK西川、DF槙野、MF阿部勇、MF柏木、MF関根貴、MF梅崎、MF武藤雄、FW興梠あたりがMVP候補に挙がってくる。当然、レギュラーメンバーのほとんどは好パフォーマンスを見せたが、篩に掛けるとこのあたりの選手が1stステージのMVP候補として残るだろう。
この8人の中では中期離脱した時期があるFW興梠はやや劣るか。怪我の影響で4節からの6試合を欠場している。15節の清水戦(H)の決勝ゴールを含めて10試合で5ゴール。スタメンで出場した試合のパフォーマンスは高くて巧みなポストワークも光ったが、GK西川やDF槙野やMF阿部勇などフル稼働あるいはフル稼働に近いくらいピッチに立ち続けて来た選手と比べるとチームへの貢献度で見劣りするのは否めない。
■ 最大の殊勲者は新加入の武藤雄樹か。残った7人の中で誰をより高く評価するのか。このあたりはどこにウエイトを置いて評価するか?など、評価する人の見方や考え方で大きく違ってくるが、MVP投票を実施すると仮定して1位から5位まで選ぶと以下のような順位になった。もちろん、1stステージのMVPというのは浦和の選手だけが候補というわけではないが、これだけ他を圧倒した成績を残しているので、浦和の選手の中から選ぶのが無難と言える。
1位 : MF 武藤雄樹 (浦和レッズ)
2位 : DF 槙野智章 (浦和レッズ)
3位 : GK 西川周作 (浦和レッズ)
4位 : MF 関根貴大 (浦和レッズ)
5位 : MF 阿部勇樹 (浦和レッズ)
まず5位に選んだのはボランチのMF阿部勇。近年はずっと安定したプレーを見せているが、今シーズンの1stステージも同様だった。替えの利かない選手である。4位はこの間、20歳になったばかりのMF関根貴。シーズンの途中から右WBのレギュラーに定着したが、彼が右WBに定着したのは大きかった。攻撃力アップに貢献したのはもちろんのこと、生え抜きの若手がスタメンに定着したことで勢いが生まれた。
3位はGK西川。11節の仙台戦(A)の4対4、延期分の10節の柏戦(A)の3対3の2試合が原因でトータルで見ると少し失点数は多くなったが、ステージ優勝を決めた16節の神戸戦(A)でもいくつかファインセーブを見せてチームを救った。同様に替えの利かない選手である。2位はDF槙野。ハリルジャパンでもレギュラーとして起用されているが、今シーズンの充実ぶりは見事。チームを引っ張る統率力も評価されるべきである。
そして、栄えある1位に選んだのはMF武藤雄。正直なところ、開幕前は「これだけのタレントがいるチームなので、ベンチ入りを果たすのも難しいだろう。」と考えていた。どう考えても浦和の豪華な2列目の中で6番手あるいは7番手くらいの位置からのスタートだったが、予想以上に早い段階でチームにフィット。13節の鹿島戦(H)や10節の柏戦(A)など大事な時間帯に価値あるゴールを決めている点もポイントが高い。
大卒でプロ入りして5年目。4シーズンプレーした仙台時代もドリブルやテクニックは評価されていたが、好不調の波があった。そして、ここまで試合の中でゴールに絡む活躍は出来ていなかったので、「J1の中では屈指のビッグクラブ」と言える浦和でこれほどの存在感を示すとは全く予想はできなかった。したがって、1stステージのMVPとして1人だけを選ぶとしたら、新加入のMF武藤雄を推したいところである。
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