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【Jリーグ】 2020年の夏の移籍市場の総括 (中)～最大の衝撃はFWイバ、磐田と福岡も即戦力補強に成功～ | | |　

■　最大の衝撃はFWイバ(横浜FC→大宮)

FW前田大(CSマリティモ→横浜FM)やFW鄭大世(清水→新潟)の移籍も大きな話題になったが今夏に実現したJリーグの移籍話の中で最も大きな衝撃をもたらしたのはFWイバ(横浜FC→大宮)の移籍だったと言える。事前に情報は漏れておらず、いきなり大宮への完全移籍が発表された。このクラスの選手の移籍話が全く漏れることなく公式サイトからの情報で初めてそういう動きがあったことが判明するのは珍しい。

大宮は開幕4連勝を達成したが5節以降は2勝5敗2分けと苦しんでいる。13試合でわずか13得点のみ。極度の得点力不足に苦しんでいる。大きな期待を受けたFWネルミン・ハスキッチがここまでノーゴール。FW戸島ならびにFW富山は奮闘しているが巻き返しのためにはCFの補強は不可欠だった。「どんな選手を大宮が獲得するのか？」は注目点だったがまさかのFWイバだった。実績十分の点取り屋を手に入れた。

「ドンピシャの補強」と言える。2列目にはMF黒川、MF奥抜、MF近藤貴、MFイッペイ・シノヅカなどいい選手をたくさん擁しているが、CFが固定できずに2列目の選手も持ち味を出し切れていない。是が非でも軸になれるCFを獲得したかったが「これ以上ないほどの実力者を手に入れた。」と言える。実績は抜群で、日本のサッカーに慣れており、J2のサッカーにも慣れており、人間的にも優れているストライカーである。

当然、今シーズンは横浜FCで出場機会がほとんどなかったのでコンディション面が不安視される。いきなり万全の状態で戦うのは難しいと思うがほとんど出場機会が無かったので逆に考えると「ほとんど疲弊していない状態」と言える。今シーズンのJリーグは超・過密日程なので多くの選手は疲れているがFWイバは疲労は全くない。2位の北九州との差は「11」なので大きな差が付いたが救世主になれるだろうか？

■　「優勝候補の筆頭」に挙げられた磐田

大宮と同様で「優勝候補の一角」に挙げられながら6勝4敗4分けで勝ち点「22」。4位に位置する磐田は長身CBのDF山本義(横浜FM)の獲得に成功した。昨シーズンは金沢でブレイクした空中戦に強いCBの獲得に成功した。今シーズンの磐田はDF大井が出遅れてDF藤田義とDF伊藤洋の2人でCBを組むことが多くなっているが最近は3バックを採用しており、DF山本義の加入で最終ラインの選択肢は増えた。

先日の町田戦(A)では高校3年生のDF鈴木海を初めてスタメンで起用したがまずまずのプレーを見せた。年代別代表の中心として活躍しているDF鈴木海にかかる期待も大きいが若いCBがベテランのDF藤田義やDF大井などを上回ってたくさんの出場機会を得ることが出来ると最終ラインの世代交代は一気に進む。2位の北九州との差は「9」なのでこれ以上離されると「1年でのJ1復帰」はかなり難しくなる。

福岡は5勝5敗3分けで勝ち点「18」。13位というのは前評判の高さを考えるとかなり不本意である。攻守の要になることが期待されたMF前寛之が怪我ならびに新型コロナの影響で4試合の出場にとどまっているのは痛すぎるが五輪代表のボランチのMF松本泰の獲得に成功した。14節の栃木SC戦(A)で早速スタメン起用されてフル出場を果たしたがJリーグで最高クラスの運動量を誇るMF松本泰にかかる期待は大きい。

降格1年目の松本山雅は3勝7敗4分けで勝ち点「13」。19位と大きく出遅れた。2位の北九州との差は「18」なので「1年でのJ1復帰」は難しくなった。不本意なシーズンになっているが即戦力のDF前貴之(横浜FM)の獲得に成功した。横浜FMで出番はなかったがJ1でも十分にやれそうなユーティリティーな選手を獲得できたのは大きい。保有権を持つFW前田大を横浜FMに貸し出してDF前貴之を借りることになった。

■　DFオ・ジェソクは名古屋に移籍

J1のクラブでは3位と好調の名古屋がSBのDFオ・ジェソクを獲得した。こちらもDF宮原が新型コロナに感染して離脱中。DF成瀬が台頭しているが守備力の高いDFオ・ジェソクの加入でSBの層は厚くなった。DF吉田豊がいて、DF太田宏がいて、DF秋山陽もいるので、「SBの充実度はJリーグ屈指」と言える。DFオ・ジェソクは堅実なプレーに定評のある選手なのでフィッカデンティ監督にサッカーに合った選手と言える。

3連勝で12位まで順位を上げてきた横浜FCは新型コロナの影響であったJ2への降格がなくなったことを最大限に利用しているクラブと言える。一時と比べるとDFヨン・ア・ピンやDF伊野波やMFレアンドロ・ドミンゲスなどベテランの出場機会は増えており、ベテランと若手が上手く噛み合った末の3連勝と言えるがライバルの横浜FMからドリブラーのMF杉本竜(横浜FM)を獲得した。打開力のある選手を獲得できた。

昇格2年目のFC琉球は3勝6敗5分けで勝ち点「14」。開幕から8試合勝ちなしだったが以後は順調に勝ち点を積み上げている。沖縄県のコロナの感染者数が一気に増えた影響もあってここ2試合のホーム戦は無観客で行われているがMF市丸(G大阪)を期限付き移籍で獲得した。MF市丸はアジア制覇を達成した内山JAPANのときにU-19日本代表やU-20日本代表で活躍した。ゲームメーカー系のボランチをゲットした。

テクニックがあって周りが良く見える選手なので「コンビネーションからチャンスを作る攻撃的なサッカー」を志向するFC琉球のサッカーに合った選手と言えるがMF市丸にとっては正念場と言える。今シーズンはJ3のG大阪U-23が主戦場になっており、同じようにゲームを作るタイプの大卒ルーキーのMF山本悠が加入。G大阪での立ち位置は厳しい。J2で活躍できなかった場合、片道切符になる可能性は高い。

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