■ 残留争いに巻き込まれている浦和浦和はACLで決勝進出を果たした。3度目のアジア制覇まであと1つになったがJ1のリーグ戦では苦戦中。29節を終えた時点で9勝12敗8分けで勝ち点「35」。12位となる。残りは5試合となるが16位の湘南との差は「4」、17位の松本山雅との差は「6」。残留争いに巻き込まれている。29試合で30得点/42失点。得点力不足に苦しんでいる。12ゴールのFW興梠を除くと攻撃的なポジションの選手が結果を残せていない。
残りの対戦カードは広島(A)→鹿島(A)→川崎F(H)→FC東京(A)→G大阪(H)となる。1位の鹿島、2位のFC東京、4位の広島、6位の川崎Fとの対戦を残しており、9位で残留争いに巻き込まれているとは言ってもG大阪も力のあるチームである。残留争いのライバルクラブの日程と比べても浦和の日程は超・ハードである。ACLの決勝に進んで過密日程になることを踏まえると「かなり危ない状況になっている。」と言える。
残り5試合の対戦相手が相当にキツイことは最初から分かっていたので「28節の清水戦、29節の大分戦というホーム2連戦」は絶対に落とせない試合だった。最初の28節の清水戦(H)は何とか2対1で逆転勝利を飾ったが続く29節の大分戦は0対0で迎えた後半48分にカウンターからFW後藤優に決勝ゴールを奪われて0対1で敗れた。2連勝が求められたホーム2連戦で獲得した勝ち点は「3」のみ。十分な結果とは言えない。
31節の広島戦(A)が前倒しになって30節の鹿島戦(A)よりも前に行われることになった。広島戦(A)は10月29日(火)、鹿島戦(A)は11月1日(金)に行われるので浦和は他のライバルチームと比べて2試合消化が早く進むことになる。上位とのアウェイ2連戦で2連勝もしくは1勝1分けくらいの成績を残せると「J1残留」が見えてくるが未勝利に終わるようだと一気に苦しくなる。最悪でもこの2試合は1勝1敗で乗り切りたい。
■ 本当にMF山中が戦犯なのか?J1のリーグ戦とACLの両方に全力を注ぐのはかなり難しいので「ACLの準決勝や決勝まで勝ち進んだチームはJ1のリーグ戦ではメンバーを少し落としてターンオーバーをする。」というケースが増えているが残留争いに巻き込まれている浦和にはそういう余裕は一切ない。ACLの決勝戦は11月9日(水)がアウェイ戦、11月24日(木)がホーム戦になるが、リヤドで行われる1stレグをどう戦うのか?は注目点になる。
大槻監督のマネージメント力が問われることになるが痛恨の敗戦となった29節の大分戦(H)の後半48分の失点シーンを改めて振り返ってみると、まず言えるのは「大分のカウンターが素晴らしかった。」という点になる。後半の終了間際とは思えないほど後ろから選手がどんどんと湧いてきた。当然、アシストを記録したDF三竿雄の攻撃参加ならびにクロス、FW後藤優のポジショニングとシュートも素晴らしかった。
中盤でのルーズボールの拾い合いを制してカウンターにつなげたプレーも素晴らしかったが最終的には目の前でFW後藤優にヘディングシュートを決められた浦和のMF山中のプレーに批判の声が集まっている。「戻りが遅かったのではないか?」、「サボっていたのではないか?」、「途中出場した選手は走らないといけない。」という声は少なくないが『大分戦(H)はMF山中が戦犯だった。』というのは正しくない。
決勝ゴールの場面を繰り返しチェックしてみたが「大分ボール」と確定した瞬間からMF山中は全速力で自陣まで戻っている。「大分ボール」と確定した瞬間のFW後藤優とMF山中の距離は相当に離れており、15メートル程はFW後藤優が先を走っている。DF三竿雄のクロスはふんわりとした軌道のクロスになったがグラウンダーのクロスを選択していたらFW後藤優の目の前でMF山中がカットもしくはクリアしていただろう。
■ DF三竿雄をケアすべきだったMFファブリシオよって、「サボっていたのではないか?」という批判や「全速力で戻っていない。」という批判は正しくない。批判の対象になるとしたら「全力で戻るという判断を下すのが遅かったのでは?」という点になる。確かにどちらにこぼれるのか分からない状況のときは様子見でその場にとどまっている。1秒でも2秒でも早く自陣に全速力で戻っていたらFW後藤優にフリーでシュートを打たれることはなかった可能性はある。
ただ、浦和にとっては絶対に勝たないといけない試合だったことを考えると「出来る限り、前の方に残って攻撃に絡みたい。」という気持ちは理解できる。仮にこぼれ球が浦和側にこぼれていたら左サイドのMF山中にボールが渡って少なくともクロスなどでゴール前を脅かすシーンは作れただろう。結果的には裏目に出て目の前で決勝ゴールを決められたが「様子見」というのは状況を考えるとあり得る選択の1つである。
改めて見返してみると失点シーンに関して最も責任が重いのはMFファブリシオだと感じる。最初に戻ってきてボールをカットしかけたプレーは良かったがそこでプレーを止めてしまった。大分ボールになった後、左サイドを駆け上がったDF三竿雄に付いていかないといけなかったがそのまま。結局、DF三竿雄の攻め上がりをケアするためにDF槙野が引き出されてDFマウリシオが2人を見ないといけない状況になった。
■ 全速力で戻るべきだった。MFファブリシオがそのまま全速力で戻ってDF三竿雄をケアできていたらDF槙野はそのままFW伊佐をマークすることに専念できており、DFマウリシオはFW後藤優をケアすることに集中することが出来た。攻撃的なキャラクターの選手なので守備に関して多く望むのは酷かもしれないがMFファブリシオも後半に途中出場した選手なので責任を持って全速力で戻らないといけなかった。彼がサボったことで全てが狂った。
MFエヴェルトンやFW杉本健などは全速力で戻っているがもともと相当に前目のポジションを取っていたので全く間に合わず。ゴールが決まった瞬間のMFファブリシオはハーフウェーラインを少し過ぎたところにいる。DF三竿雄はスピードのある選手ではないので普通に走ったらDF三竿雄よりもMFファブリシオの方がはるかに速いはず。少なくともDF三竿雄がフリーでクロスを上げることは阻止できた可能性が高い。
「戦犯」という言葉はあまり使いたくないがこのシーンを見る限りでは「MF山中ではなくてMFファブリシオの方により失点の責任がある。」と言える。1人の選手がやるべきことを怠ったことが原因で対応が後手後手に回ってフリーでシュートを打たれて失点するというのはアリがちな話ではあるが期待されながらも結果を出せていない新加入選手が試合に敗れたときに理不尽な形で戦犯扱いされることも良くある話である。
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