■ さいたまダービー14勝11敗4分け。悪夢の7連敗のあと、5試合で4勝1敗。再び、上位争いに食い込んできた浦和レッズ。この日はさいたまダービーで大宮アルディージャと対戦。大宮は8勝12敗9分けで15位と残留ラインのギリギリに位置する。
ホームの浦和は<4-2-3-1>。GK山岸。DF山田暢、闘莉王、坪井、細貝。MF阿部、山田直、ポンテ、原口。FW田中達、高原。MF鈴木啓は欠場。FWエジミウソンは出場停止。FW高原は24節以来のスタメンでFW田中達との2トップ。MF山田直は21節以来のスタメンでボランチ起用。
アウェーの大宮は<4-2-2-2>。GK江角。DF土岐田、片岡、マト、冨田。金澤、橋本、藤本、パク・ウォンジェ。FW石原、ラファエル。DF冨田は4年ぶりの左サイドバック。DF土岐田は右サイドバックでスタメン。
■ ラファエル2ゴール試合は前半16分に大宮が先制。MF藤本のパスからFWラファエルが抜け出してゴール。乗り切れない浦和は前半40分にMFポンテが2枚目のイエローカードを受けて退場。前半は1対0で大宮リードで終了。
優勢に進める大宮は、後半10分に、再び、FWラファエルが決めて追加点。FWラファエルは10試合目の出場で合計4ゴール。さらに、終了間際にもカウンターからFW石原が決めて3点目。FW石原はリーグ戦通算で7ゴール目。
結局、数的優位を生かした大宮が3対0の完勝。16位の柏との差は「9」に広がって、残留に向けて大きく前進。一方の浦和はホームで完敗。上位争いから大きく後退する敗戦となった。
■ 残留に向けて大きく前進2連敗中。しかも2試合で合計7失点と苦しい試合が続いていた大宮だったが、さいたまダービーで歴史的な完勝。柏との差を広げて、次節にも残留が決定する状況になった。ここ数シーズンは、最後の最後まで残留が決まらなかったが、今シーズンは気持ちに余裕を持ったままでシーズンを終えることができそうだ。
ただ、今シーズンのここまでの15位という成績は不本意なものであり、チームの戦力を考えるともう少し上に位置していてもおかしくない。1年目のチャン・ウェリョン監督のチーム作りについては一定の評価は出来るが、いい時と悪い時の波が激しい。この試合のような強さを見せる半面、脆さも備える。
■ 天使・ラファエルこの日のヒーローはFWラファエル。先制ゴールと2点目のゴールをマーク。1点目は見事な飛び出しからのゴール。2点目は上手くシュートコースを作って、左足でネットに突き刺したファインゴールだった。
FWラファエルは8月に大宮に加入したばかり。同じくシーズン途中にチームに加入したFWドゥドゥはKリーグの昨シーズンの得点王であり、前評判はFWドゥドゥの方が高く期待は大きかったが、現実の活躍度は逆になっている。
190cmの高さにまず驚かされるが、高さを生かしたポストプレーヤーというよりは、テクニックを生かしたテクニシャンのイメージが強い。その超絶テクニックは柏のFWフランサを連想させるが、FWフランサよりも運動量があって守備でも貢献する、より現代的なプレーヤーである。まだ10試合目の出場であるが、すでにチームはFWラファエルのチームになっていて、彼のキープ力を前提した攻撃が出来上がっている。
何気ないボールタッチや何気ないワンパスが攻撃に彩りを加える。FWラファエルのプレーを絶対に見逃すべきではない。
■ 7ゴール目の石原直樹湘南から移籍して1年目のFW石原はダメ押しの3点目のゴールを決めて今シーズン7ゴール目。移籍初年度はチームになじむのは難しいが、30試合中27試合に先発出場。J1初挑戦ということを考えると、上出来のシーズンとなっている。
湘南時代からスピード溢れるプレーが持ち味でゴールを量産していたが、果たしてそのプレーがJ1でも通用するのか未知の部分があったが、スピードに関して言うと、J1でもトップレベルに近い。特に、ハーフウェーライン付近からスピードに乗った時は誰にも止められない。
■ 痛かったポンテの退場浦和はMFポンテの退場が痛かった。すでに1枚目のイエローカードをもらっていたので注意すべきだったが、FW石原の突破を手で止めようとして2枚目のイエローカード。先制点を奪われて苦しい中で、MFポンテを失うことになったのは痛すぎた。
時間帯も最悪で、1点ビハインドであっても11人対11人のまま後半を迎える事が出来たら可能性は残ったが、一人少なくなってからは追いつくチャンスもほとんど作れなかった。
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