■ 快進撃で首位に浮上したロアッソ熊本2018年のJ2で21位に終わって「クラブ史上初となるJ3降格」となったロアッソ熊本だったが賛否両論ある中で渋谷監督は続投。継続路線で2019年を迎えたが出遅れた。開幕5試合は1勝2敗2分け。5節を終えた時点では13位と低迷していたが6節から怒涛の6連勝を達成。急浮上した。12節のFC東京U-23戦(H)は1対2で敗れて連勝は「6」でストップしたが13節は秋田にアウェイで2対1で勝利。連敗はしなかった。
14節の群馬戦(H)は上位対決となった。群馬も4連勝中。同じように序盤戦はやや苦しんだがここに来て好調。5位まで順位を上げてきた群馬は「昇格争いの最大のライバル」になり得るチームなので是が非でも直接叩いて差を広げたい試合だったが売り出し中の若手のFW北村が同点ゴールと逆転ゴールを奪って2対1で勝利。2連勝となった。逆転勝利が多くなっているが、またしても逆転での勝利となった。
先制ゴールを許しても諦めることなく粘り強い戦いが出来ているがこれで9勝3敗2分けで勝ち点「29」。首位をキープした。群馬との差が「5」から「8」に広がったのは大きい。北九州や讃岐などの勢いが序盤戦と比べると少し落ちてきていることを考えると、今後、熊本が独走態勢に入ることもあり得ない話ではない。ここ9試合で8勝1敗。昨シーズンは42試合で9勝26敗7分けだったので早くも年間の勝利数で並んだ。
■ サプライズを起こしているFW北村14試合で16失点なので守備陣はまずまずと言える。先のとおり、先制ゴールを許すケースは多くて追いかける展開になる試合が目立つ。今後、J3優勝を果たすためには1試合平均の失点数は「0点台」にしないといけないと思うが攻撃陣は14試合で23得点。J3屈指の得点数を記録している。オフにFW安柄俊とFW皆川とMF田中達が抜けたので攻撃陣が不安視されていたが若手主体の攻撃陣は活発である。
「シンガポールリーグで得点王に輝いた。」という実績を引っ提げて鳴り物入りで加入しながら2018年は9試合でノーゴール。期待を大きく裏切ったFW佐野が2年目にしてプチ覚醒。13試合で4ゴールを奪っている。昨シーズンはなかなか出場機会に恵まれなかったが動き自体は悪くなかった。「きっかけをつかめれば・・・。」という状況だったがシンガポールでゴールを量産していた時の感覚を取り戻しつつある。
期待の高かったFW三島康とFW原一樹の2人がなかなかスタメンでプレーできていないのは誤算。FW佐野がスタメン出場を続けてコンスタントに結果を残しているのは大きいが、やはり、最大の殊勲者は大卒ルーキーのFW北村になるだろう。オフに熊本は4人の大学生を獲得するなど自前の選手を中心にJ3を戦おうとしたがFW北村がここまで活躍するとは予想できなかった。嬉しいサプライズと言える。
■ とにかく劇的なゴールが多い。開幕から3試合はベンチ外。4節と5節で途中出場を果たして6節のG大阪U-23戦(A)で初スタメンとなったが後半40分に逆転ゴールをゲット。彼のJリーグ初ゴールが熊本の今シーズン2勝目をもたらした。その後の活躍ぶりは凄まじい。9節の鳥取戦(H)では後半47分に逆転ゴールをマークして、11節のC大阪U-23戦(H)では同点ゴールと逆転ゴールをゲット。13節の秋田戦(A)でも逆転ゴールをゲットしている。
直近の14節の群馬戦(H)でも同点ゴールと逆転ゴールを決めているが合計すると11試合で8ゴール。707分の出場時間で8ゴールというのは驚異的である。ゴールペース的には「反則外国人」とも言われた札幌時代のFWエメルソン、川崎F時代のMFジュニーニョ、東京V時代のFWフッキ級の活躍になる。8ゴールの内訳は「先制ゴールが1つ、同点ゴールが3つ、逆転ゴールが4つ」なのでインパクトは大きい。
164センチ/62キロなのでサイズには恵まれていない。「運動量が豊富でテクニックのあるアタッカー系の選手」という評判だった。なので、「ここまでJ3の舞台でゴールという結果を残せていること」に、一番、驚いているのは本人だと思うが、ゴール前のいいところにいて、彼のところにボールが集まってくる。DF高瀬のクロスを胸で合わせて(or 胸に当たって)ゴールインとなった群馬戦(H)のゴールは象徴的である。
■ 2012年度の選手権を制した鵬翔高の1年生の10番ここまでのJ3で年間MVP級の活躍を見せているが彼がサッカーメディアならびにサッカーファンの間でクローズアップされるのは今回が初めてではない。鵬翔高から宮崎産業経営大に進学して今シーズンから熊本でプレーしているが「2012年度の冬の高校サッカー選手権を制した鵬翔高で1年生ながら10番を背負っていた選手」と言われているが「そういう選手がいたなあ・・・。」と思い出す人は少なくないだろう。
決勝戦の相手は京都橘高だった。MF仙頭、FW小屋松、FW中野克、GK永井建を擁するタレント軍団にPK戦の末に勝利して鵬翔高が初の日本一に輝いた。小柄ながらテクニックがあって攻撃にアクセントを加える役割を担っていた「スーパー1年生」が力を蓄えてプロ入りの切符を掴んでJ3の熊本で躍動中。ドラマチックな展開である。熊本は彼の神がかり的な活躍によって競った試合をことごとく制している。
ポジショニングの良さなどセンスを感じるプレーを続けているがこれだけの活躍をしていると、当然、相手から受けるマークは激しくなる。サイズに恵まれている選手ではないので激しくチャージされたときに怪我をして離脱するようだと熊本は大ダメージになる。怪我には気を付けて欲しいと思うが自分にマークが集中していることを逆手に取って周りを生かすプレーもできる選手なのでこの勢いを持続させてほしい。
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