現時点で(2017年2月10日)において、
「けものフレンズ」は大きく3つの謎によって
大きく語られるようになっていったと思う。
世界の謎
まず「けものフレンズ」といえば世界の謎だ。
2話で初登場のED映像の荒廃した遊園地・施設等から
ジャパリパークの世界は一体?かばんちゃんは何者?
という謎を呼び起こしいわゆる「けものフレンズ考察班」を生み出していった。
3話・4話では旅先で出会う、トキやツチノコが断片的に
世界に関わる事を断片的に語る。
この断片的な情報の開示が、語りを呼び起こすことになった。
作品の面白さの謎
次に面白さの謎。なぜ「けものフレンズ」が面白いのかという謎だ。
なぜ面白いのか。色々語っている人はいる。
私も自分なりに
面白い要因を記事で書いていたりするが、
決定的にコレだ!といえる言及はできていなかったと思う。
一つ面白さの謎を紐解くヒントとして庵野秀明監督が
セーラームーンの人気について語っていた事が挙げられるのかもしれない。
『セーラームーン』で分かったのは「緩い世界観というのがいい。要は遊び場を提供すれば良いんだ」という事だったんです。個性的な、分かりやすいキャラクター配置と、遊べる場所。だから、何体かの人形と砂場が用意されていて、ファンがその砂場で自分達で遊ぶ事ができるというのが、『セーラー』人気の秘訣だと思った。だから、わざと緩く作る。」(出典:アニメスタイル 庵野秀明のスタイル)
・緩い世界観
・遊び場を提供
・個性的な、分かりやすいキャラクター配置と、遊べる場所
・ファンがその砂場で自分達で游ぶ事ができる
庵野監督の発言からいくつか要素を抽出してみたが、これらの要素は
「セーラームーン」と同様に「けものフレンズ」にも当てはまり、
面白さを生み出す要因になっているのではないかと思う。
「緩い世界観」については、上述した「世界の謎」と相まって
語りの導火線をつけてくれたように感じる。
特に「ファンが自分達で游ぶ事ができる」については、
イラストを描く方の増加し、いわゆる「フレンズ構文」の普及が象徴している。
自分達で遊べる余地のある作品、Do It Yourselfできるから面白い。
取り巻く状況の謎
最後に状況の謎だ。
私の観測範囲内の中では1話の段階では話題にする人は多くはなかった。
しかし話数を重ねるごとに、話題にする方が多くなりつつある。
またここ数日感「けものフレンズ」が話題というニュアンスの記事を見かける。
ガイドブック付きBDがamazon等で完売、主題歌もitunesでランキング上位に入り、
ニコニコ動画の1話の再生回数が急激に増加など、様々な数字が伸びている。
ちなみにニコニコ動画のランキングをちらっと見たら
1位から3位まで「けものフレンズ」関連の動画だった。(2017年2月10日現在)
こうした「けものフレンズ」を取り巻く状況の謎が、
「何故人気なのか?」「何が起こっているんだ?」「面白いの?」
という疑問を抱かせ、ますます人々の語りを呼び起こしているようにも感じる。
まとめ
作品のリアルタイム視聴の楽しさの中には、
新作を毎週見ることで得られる面白い意味でのライブ感と、
話数や作品外部での動きで生じる状況の変化の意味でのライブ感、
この二重のライブ感があると思う。
「けものフレンズ」の作品世界の謎。作品の面白さの謎。取り巻く状況の謎。
この3つの謎が「けものフレンズ」を語りたいという衝動を
揺り動かしているのではないかと思う。
- 関連記事
-