はじめに
自分の好きなアニメから、好きな話数を選ぶことについて語ってみたい。
こうした試みは面白いと私は思う。
こういう試みのキッカケは
「話数単位で選ぶ、○○年TVアニメ10選」という
その年の好きなアニメ作品を10本選ぶ企画だ。
これを作品単位に置き換えたものだとイメージしてほしい。
上記の企画は毎年行われているが、
一つのアニメの○選も見てみたいという気持ちが出てきた。
例えば4クールアニメは、話数が多いから自分の好きな回を選びやすい思うし、
あるアニメの5選をみんなで発表することで、見方や好みがわかってくるのもまた面白い。
例として昨日は、ドキドキプリキュアで
こんなツイートをしてみた。
基準としては、内容的にぶっ飛んでいる回と、
後半の高橋ナツコさん脚本回を中心にして選んでみた。
さてこの記事では「話数単位で選ぶ『機動戦士Zガンダム』5選」を選んでみたい。
話数単位で選ぶ「機動戦士Zガンダム」5選
①39話「湖畔」
脚本:鈴木裕美子 絵コンテ・演出:川瀬敏文 作画監督:山田きさらか
私イチオシの「Zガンダム」の回。理由は名セリフが多いから。
まず、ジャミトフとバスクの会話のシーン。
ジャミトフ「マメな事だな。ロザミア・バダムの件か?」
バスク「はっ」
ジャミトフ「あれはいい女だ」
なぜか、ロザミアの事を「いい女だ」ろ話すジャミトフの真意はよくわからず。
他にも、
シロッコ「エゥーゴの中で、プレッシャーを強く感じる戦艦があります。お気をつけ下さい。」
ジャミトフ「シロッコ。貴公の許せんことは、自分以上に能力の高い者がいないと思っていることだ。バカにするな」
バスクのシロッコへ圧力をかけているが、
バスクの圧力などとタカを食ってる感じのシロッコがいい。
また、笑っているミネバを見て
驚き過ぎのハマーン様が美しい。
あと展開的に、コロニーの中立地帯でハイザック2機と戦ってしまったことで
クワトロ大尉が地元の警察に連行されるオチが好き。
(さらに次回以降に連行後の結果については何一つフォローされていないのも好き)
②26話「ジオンの亡霊」
脚本:遠藤明吾 絵コンテ:井内秀治 演出:本橋鷹王 作画監督:北爪宏幸
Zガンダムの中でもメカアクションが特に好きな回。
ギャプランがビームサーベルを取り出して、ガンダムMk-Ⅱに襲いかかる所、
Zガンダムとギャプランのアクションがそれぞれに目立つ。
ちなみにZガンダムで作画が目立つ回は、MSの影がワカメ影で描かれ
金田アクション的な動きが目立つ時が多い印象。
80年代の作画の流行がZガンダムでも反映されている形だと思う。この回も同様に。
③15話「カツの出撃」
脚本:丸尾みほ・斧谷稔 絵コンテ:横山広行 演出:関田修 作画監督:北爪宏幸
これから幾度も繰り返すことになる。カツ始めての記念すべき無断出撃回。
個人的な見所は、ギャプランが撃墜され乗っていたロザミアが脱出する姿をみて
カミーユが女が乗っていたとクワトロ大尉に報告した時の大尉の以下のセリフ。
クワトロ「誤解が生んだ想念が放出されたと思いたいが、気にするな」
とにかく、気にするなと伝えたいシャアの気持ちが素敵。
誤解が生んだ想念=女 放出=脱出、なのかも。
Zガンダムはこうした意味がわからない言い回しが面白い。
④19話「シンデレラフォウ」
脚本:遠藤明吾 絵コンテ:甚目喜一 演出:平林淳 作画監督:北爪宏幸
定番中の定番回。カミーユとフォウ、お互いの気持ちがつながりそうな二人が
敵味方同士になってしまう展開、恋と戦争がホンコンという街で繰り広げられ、
ホンコンを陵辱するかのように破壊する巨大なサイコガンダムの姿もまた戦争の悲劇だ。
当時、東映の演出家だった佐藤順一さんがペンネームで絵コンテを切ったのは有名な話。
作画監督の北爪宏幸さん=フォウのイメージを決定的にした回の一つでもある。
⑤50話「宇宙を駆ける」
脚本:遠藤明吾 絵コンテ・演出:川瀬敏文 作画監督:小林利充
リアルタイム放映では追っていない身としては
当時の感覚はわからないものの、伝え聞く限りも含めて、衝撃の最終回だったと思う。
そして主人公が精神崩壊して終わる世界を「現状認知」として描くラストには痺れる。
戦いが終わり、多くのキャラクター達が死に、寂しくなった世界を背に
ガンダムMK-2の残骸を見ていたファが
と呟くのが印象的だ。
壊れた残骸のMS達が物語の終焉を否応になく感じさせるが、
「Zガンダム」は悲劇であることを感じずにはいられない最後だった。
おわりに
「Zガンダム」から5本を抜き出すのは困難だった。
それは、選んだ5本以外にも名挿話はあるからだ。
でも苦しんで選んでみてわかることもあると思った。
こうした「話数単位で選ぶ『○○』5選」みたいな企画は広まってほしいなぁと思う。
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